しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「特捜部Q―キジ殺し―」 ユッシ・エーズラ・オールスン

2021年02月08日 | 読書
「特捜部Q―キジ殺し―」 ユッシ・エーズラ・オールスン  ハヤカワ・ミステリ文庫  
    FASANDRÆBERNE                 吉田薫・福原美穂子・訳

アサドがファイルの中から見つけた『ラアヴィー事件』。
それは、ラアヴィーにある別荘で18歳と17歳の兄妹が暴行されて殺された事件。
寄宿学校の少年グループに容疑が掛る。
その少年たちはビャーネ・トゥーヤスンを除き、父親が有名な大金持ちで、今はその少年たちが大金持ちになっていた。
事件は、9年後にビャーネ・トゥーヤスンが自首し解決していた。
何故、解決した事件のファイルが置かれていたのか。
アサドに引っ張られ、捜査を始めるカール。
特捜部Qには、新たにアシスタントのローセ・クヌスンが加わる。
同時にその少年グループの現在が書かれる。
1人、クリスチャン・ヴォルフはすでに死亡していた。
残りの4人は3対1で敵対していた。
3は男で、1人の女、キアステン・マリーイ・ランス(キミー)を探していた。
キミーはホームレスになり姿を隠しながら3人の男に復讐心を持っていた。
カールの捜査は少しずつ、キミーや3人の男に近づいて行く。
「特捜部Q」第2弾。







読んでいて、不快になる物語。
暴力もそうだが、やることすべてが破廉恥。
カールたちの捜査で真相を知る前に、読んでいる方は色々知ってしまう。
だから、あまり捜査の楽しみも感じられない。
展開も何となく予想が付く。
そして、キミーを主人公にして、1人の女性に生き方を見せたかったのかも知れない。
カールはキミーに同情心を見せる。
しかし、自分にはキミーは当然理解出来ないし、同情も全くない。
そして、最初に特捜部Qがこの事件の始まりとなった『ラアヴィー事件』もほとんど触れられず。
これでいいのか、と思ってしまう。
ラストや解決もかなりドタバタ。
何だか凄いと、呆れて感心してしまうほど。
そしてその中で気になるのはやはりアサド。
アサドってやっぱり凄い。
そして、何を隠しているのか、謎が深まる。

恩田陸さんの解説を読んで、“ああ、こうとらえればいいのか”と納得。
不快だったけど、次を読んでみようと言う気になっている。
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