しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「真夏の方程式」   東野圭吾

2011年10月04日 | 読書
「真夏の方程式」  東野圭吾  文藝春秋    

夏休み、小学5年生の柄崎恭平は、両親の都合で伯母の家に預けられる。
伯母一家は、玻璃が浦で旅館『緑岩荘』を経営していた。
同じ時、海底資源開発の説明会に仕事で参加した湯川も玻璃が浦に。
列車で恭平と知り合ったのがきっかけで、『緑岩荘』に宿泊する。
宿の客はもう一人、やはり説明会に参加していた中年の男だった。
その男が、いつの間にか宿からいなくなり、翌朝堤防の下の岩場で死体で発見される。
堤防から岩場に転落した事故死と思われた。
しかし、身元が定年退職した元警視庁捜査一課の刑事、塚原正次と分かり、警視庁からも刑事が来る。
現場を見た湯川は、あることに気が付く。







湯川学准教授が主役の物語。
研修室を離れ、海の綺麗な玻璃が浦が舞台。
子どもとも密接に係るということもあり、いつもとちょっと雰囲気が違う。
静かで哀愁がある物語。
自分がその人の為に、良かれと思ってしたことが、反対の結果になる。
そんな悲しい物語でもある。
その人の為にと一生懸命しているつもりが、本当は違う。
それが、余計なことだったなんて、悲しい。
しかし、一般の人たちが簡単に人を殺してしまうところが、少々納得がいかない。
そんなことで、殺してしまうかなと言う。
殺人にも、もっと説得力が欲しい。

開発と自然保護の話も出て来る。
湯川の考え方がとても納得出来る。
子どもに、科学を教える方法もそう。
事件の解決のほかにも、湯川が大活躍と言える物語。
しかし、湯川はこんな感じだっただろうか。
推理の仕方や、人との接し方が、加賀刑事と似ている気がする。
メインの事件よりも、その他が面白かった。
メインの事件は、少々納得がいかないところもある。

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