しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ナルニア国ものがたり7 さいごの戦い」C.S.ルイス  

2006年02月12日 | 読書
リリアン王から7代目のチリアン王の時代。
ヨコシマと言う名の毛ザルがライオンの皮を見付け、それをトマドイと言う名のロバに騙して着せる。
そして、アスランと偽り、森の動物達から食べ物を差し出させたり、カロールメンに労働力として仲間を売っていた。
チリアンはそれに気付くが捕らえられてしまい、心の中でアスランと、かつてナルニアが危険に陥った時に助けてくれた、人間の子どもに助けを求める。 
その呼び声に応じてナルニアに来たのが、ユースチスとジルだった。2人が前にナルニアに来てから、1年が過ぎていた。
ユースチスとジルはチリアンを助け、すでに毛ザルから実権を奪っていたカロールメンとの戦いを開始するが、カロールメンの方が先手を打っていて、ケア・パラベルもカロールメンに侵略されていた。
不利な戦いに破れ、気が付くとそこはアスランの国だった。
アスランはナルニアのすべての良い生き物を呼び寄せる。そして、ナルニア国を終りにして闇に戻す。そして、より高みへ奥へと進めて行く。
今までの国は影の国、本当に滅びない別のナルニアの国へと導く。
そこには、ネズミの英雄・リープチープや、影の国では死んでしまった人々が待っていた。これからまたここで、長い物語が永遠に続いて行くのだそうだ。


ナルニアの終りは、偽者のアスランが登場して、疑心暗鬼になってしまった国の人々に、もう先はないとアスランが国を閉じてしまったと言う事か。最後の審判が下る。 
世界が出来る場面があったのと同様、星がすべて流れて落ち、木や岩や土は水の中に帰り
、空と水の堺がなくなり、太陽が月を焼いて、その炎が海に落ちて消えて行く雄大な場面がある。
しかし、この現実は影の世界。
正直な人達は別の国(天国)に行って、新しく生活が始まる。それはナルニアだけでなく、現実も同じで、なんとピーターやエドモンド、ルーシィもその場にいるが、それは列車事故で死んでしまっていたからと言うオチ(?)がつく。

宗教色の強い話しで、教訓めいている所もある。
しかし、冒険ファンタジーとしても楽しめると思う。     
アスランが一番大事にしたい本質は「自分にも他人にも正直であれ」と言う事。そして「過ちを犯したら償いをする」と言う事。
ひとつ気になる事は、善い方のナルニア人が色白で金髪。悪の方で書かれているカロールメンの人達が黒髪で褐色の肌と言う事。
今だったら、緑の肌で真っ赤な髪とか。真っ赤な肌で青い髪とか。(目がチカチカしそうだけれど)どの人種か分からない様になっていた方がいいと思う。
後、しゃべる動物としゃべらない動物を作り、しゃべらない方は食用として射殺したりする。他の命を殺さない生態系の世界にした欲しかったと思う。
物語は書かれた時の世界を反映するもので、イギリス人にとっては、狩りは大きな娯楽のひとつだし(今、狩りに対しては問題になって来ているが)、白人優位説も当然だったのだろう。

ナルニア国ものがたり。ナルニアの歴史の順に並べると、
『魔術師のおい』『ライオンと魔女』『馬と少年』『カスピアン王子のつのぶえ』『朝びらき丸 東の海へ』『銀のいす』『さいごの戦い』になる。
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