しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ゴーン・ガール」  ギリアン・フリン 

2016年04月30日 | 読書
「ゴーン・ガール」  ギリアン・フリン  小学館文庫   上・下巻
Gone Girl            中谷友妃子・訳  

ニックは34歳、ニューヨークで雑誌のライターをしていたが、電子書籍の隆盛で仕事を失い、2年前、妻エイミーとともに故郷ミズーリに帰ってきた。
しかし、都会育ちの妻にとってその田舎暮らしは退屈きわまるものだった。
結婚5周年の記念日、エイミー、突然、謎の失踪を遂げる。
家には争った形跡があり、確かなアリバイのない夫ニックに嫌疑がかけられる。
夫が語る結婚生活と交互に挿入される妻の日記。
異なるふたつの物語が重なるとき衝撃の事実が浮かび上がる。
    <文庫本上巻裏カバーより>









エミリーが行方不明になった当日からのニックの物語。
ニックとの出会いから書かれ始めたエミリーの日記。
それが交互にあらわれる。
ニックは何か隠していて、それはなかなか分からない。
しかし、エミリーの日記にある様子とニックの思いはチグハグなので、嘘があるのは分かる。
前半は妻殺しの嫌疑を掛けられそうな夫が、ただオロオロするだけの感じ。
自分で墓穴を掘る行動を、意に反してしてしまう軟弱さ。
後半になってエミリー自身の物語が露わになってから、物語は動き出して面白くなる。
頭脳明晰な悪女。
用意周到で、ニックに罠を掛ける。
罠の仕掛け方は半端なく、すさまじいので感心してしまうほど。
ただ計画した事は優秀だが、実際に起こるトラブルには対処出来ない。
そもそも、最後は自分が死ぬシナリオは悪女には向かないだろう。
そう思っていたらやはりその計画は中止。
それからまた計画を立て、思い通りにしていくのだが。
しかし、これがエミリーの辿り着きたかった結末なのだろうか。
ただ復讐だけなのか。
金銭的な事は解決していないから、生活はそのままなのか。
もっと大きなものを求めていたのか思っていたが。
だからか、少々尻つぼみに感じる。
悪が退治される方が好きで、罪がそのまま見過ごされる結末はすっきりとはしない。
それでも状況によっては、仕方ないと思えるものもある。
これは、登場人物みんなが不快なので、もう少し違った結末を期待していたのだが。

エミリーが自分を苦しめたグレタとジェフに復讐を仕掛けないのが不思議。
エミリーの性格からしたら、許せないのではないだろうか。


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