しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「炎の鎖をつないで」 ビヴァリー・ナイドゥー  

2006年01月27日 | 読書
1989年、南アフリア共和国のある村の人々は突然、不毛の地への強制移住を命じられる。
15歳の少女・ナレディの学校の生徒達は移住反対の抗議行進を起こすが、警察は暴力で阻止する。
大人達にも、移住反対の行動が広がっていったが、警察は教会を壊し、水を止める。
そして最後は強制立ち退きを実行し、家々はブルドーザーで壊される。
ホームランドと言う呼び名の、移住させられた土地で、ナレディは戦い続けている仲間の存在を知り、自分も自由の為に戦い続ける事を心に決める。


「炎の鎖」とは、ひとりでは出来ない事も、みんなで繋がって鎖の様になれば、固い石にも対抗出来る。熱い思いを抱いている鎖になろうと言う意味。
南アフリカ共和国の事は、アパルトヘイトや、ネルソン・マンデラ氏の事などで多少は知っている。
これは、その自由への戦いのひとつの物話。
日本人の身近にはない、人種差別のことをニュースだけでなく、こういうひとつの物語から知っていくのも大切だと思う。
子どもの時は、アフリカの地に白人がいて権力を持っている事が、とても不当な事に思えた。
しかし、何かのインタビューで、南アフリカの白人が「祖父母の代から住んでいて、ここしか知らない自分の国は、ここなんだ」と言うのを聞いて、黒人がアメリカ人になっている様にアフリカに白人がいてもいいのだと
思えた。人種に関係なく、人類は平等に同じ社会を作っていけたらいい。
「何人?」と聞かれたら「地球人」と答えられる世界が理想なのかも知れない。
いや、みんな平等だったら、何人でも関係ないだ。
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