本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

『ガラスのかけらたち』

2007年02月17日 | 
『ガラスのかけらたち』ジェイン・アン・クレンツ 二見書房 2004

離れ小島の自宅で芸術好きの富豪が変死。そのコレクションは、リーブルック・ガラス博物館に遺贈されることになった。館長のユージニアは、事件の捜査を依頼された探偵のサイラスと現場のガラスの家に滞在することになるが、二人にはそれぞれ別の思惑があった…。

お互いに相手を一瞥しただけで“こいつとは合わない”と直感するような二人、
ライフスタイルも感性もズレていて、“住む世界が違うんじゃない?”と
反感を抱くような二人が、それでも恋に落ちてしまうこともあるんだから、
男女の仲は不思議である。
(『同性なら友達にもならないわ!』というやつですね)

まっすぐな気性と共にインテリの嫌味さも備えたヒロインと、
自分流を貫くアロハシャツ好きの頑固な探偵が、
一緒に過ごすうちに惹かれあうなんて…さすがロマンティック・サスペンス。
問答無用のお約束的展開なのだった(だから安心して読めるんだけどねっ)。

アイリス・ジョハンセンのヒロインはタフすぎて共感しにくいとか、
リンダ・ハワードの作品はラブシーンが激しすぎてどうも…という気分の時、
読みたくなるのがジェイン・アン・クレンツです。
クレンツのヒロインには、強さと優しさのうちに
茶目っ気と繊細さが見え隠れしているような気がするんですよ。
ヒーローは無骨だけど誠実で、なんだか可愛い。

話も派手ではないけれど洗練されていて、小洒落た映画みたいです。
(その点ジョハンセンは畳み込むような展開がハリウッド風かも?)
登場人物の家族の問題がさりげなく描かれているところも好き。
一人では持て余すようなことも、、二人なら解決策が見つかるかもしれない、
と思わせるところがいい。
今回はサスペンスとしてはやや盛り上がりに欠けるけど、
宝探しと変死事件の捜査が絡まって、楽しめる一冊でした。

それにしてもあのガラスの家…。あちこち透けていて、鏡も多くて、
わたしだったら泊まりたくないです。
あの資産家はガラスフェチだったんだろうけど、
ちょっとナルも入ってたんじゃないの~?



ランキング参加してます。
気が向いたら、ぽちっと押してください♪
一日一回有効だそうです。


   ・:*:・゜’★,。・:*:・゜’☆・:*:・゜’★,。・:*:・゜’☆・:

『のだめカンタービレ』17巻を読んで、夫がこう言った。
「やっぱり仕事に集中するのはいいよね~」
実に彼らしい感想なので、内心ぷぷっと吹き出してしまいました。
わたしは雑誌連載中に読みながら盛り上がっていたので、
コミックスでは「困った親父だな」と反応がわりと淡白。

そうそう、DVDで『安楽椅子探偵と笛吹家の一族』も観た。
…なんちゃって横溝ですね(笑)。