本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

江戸本

2006年11月07日 | 

子供の頃は毎日TVで時代劇を観ていました。
父がチャンネル支配権を握っていたので、
ゴールデンタイムはそれしか流れなかったのです。
(やがて洗脳され、夕方の再放送も自分から観るように…)

『江戸を斬る』『大岡越前』『水戸黄門』『遠山の金さん』
『暴れん坊将軍』『鬼平犯科帳』『剣客商売』『三匹が斬る!』
『桃太郎侍』『銭形平次』『長七郎江戸日記』
『清左衛門残日録』などなどなど…。

今日はご隠居が米俵に座って怒られるパターン、とか、
「お代官様、黄金色の菓子でございます」
「越後屋、そちも悪よのう…」とか、
武家の妻女が道で座り込む時は大抵「持病の癪」とか、
最後に悪役は自分の悪行をご丁寧に語った後で、
十把一からげにヒーローに成敗される、とか。
(悪役のセリフ「出あえ出あえくせ者じゃ~」も欠かせない)
マンネリズムにも楽しみがありました。

しかし、作中の時代考証は信じていなかったような気がします。
これはフィクションだから、という割り切りが心のどこかに。
みんな、どの時代も似たようなまげでおかしいじゃないか、
などと笑いながら思っていたわけです。
(ま、当然ですが…

成長してから、いつしか杉浦日向子さんの本にハマりました。
『呑々草子』などの普通のエッセイも面白いですが、
(↑sayukiの本棚で感想書いてます)
江戸風俗に関するものは特に素晴らしい。
当時の食事や仕事、流行や趣味など、
日常のどんな些細なことでも、学ぶところがあります。
“封建時代”に対する固定観念が覆されるのです。
江戸時代の江戸という土地に限定すれば、
庶民は元気で心豊か。女も案外自由で強い。

今までの閉鎖的で窮屈なイメージは
「武家」のものだったのか…と、目からうろこが落ちるよう。
日本文化もなかなかやるじゃないですか。
明治維新で西欧礼賛ばかりしなきゃ良かったのに…と思う。
(風景にしろ価値観にしろ、江戸の面影はどんどん消えていく…)

以下は最近買った文庫本。

『杉浦日向子の江戸塾』杉浦日向子 2006 PHP研究所

江戸のあれこれについて、作家や研究者と語り合った対談集です。
殿方は遊郭に行くのも、妾を囲うのも自由だし、
妻と別れたいと思えば勝手に三行半を渡せるんだから
ずるいなぁ(または、昔はいいなぁ)、
な~んて思っていると、足元すくわれます。
江戸は圧倒的に女性不足。故にかかあ天下。
間男、多かったそうデスよ!
三行半も「再婚許可証」のようなもので、妻がもぎ取るそうです。
うふふ。当時もてた男の条件なども記されていて、気軽に楽しめます。

『お江戸でござる』杉浦日向子監修 平成18年 新潮社

2004年に終了したTV番組『コメディーお江戸でござる』。
その中での、杉浦日向子さんの解説から。
(いつも素敵な着物をお召しになられてましたね…)
こちらは元がNHKの番組ということで、テーマが上品。
花魁の話でも何だかさらりとしてる(笑)。
しかし江戸っ子の旅行のことや、奉公人の出世街道のこと、
火事の場合の消化方法、大家さんのお仕事など、
身近に感じる話題を幅広く取り扱っています。

江戸時代の風俗関連では、
氏家幹人さんの本にも注目しています。
本棚にあるのは、『武士道とエロス』『江戸の性風俗』
『江戸老人旗本夜話』『江戸奇人伝』など。
アマゾン見たら、他の本も続々文庫になっているんだなぁ…。
むむむー。欲しいです。



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ドラマ『のだめカンタービレ』。
いつもはひそかに応援しているのですが、
昨日は原作のエピソードが混ぜこぜになっているだけでなく、
発言や行動がキャラ的になんか違うかも…と少し不満。
わがままな視聴者なのでした。
(挿話がうまく省かれるのはいいんだけど、
何もかもごっちゃになるのはイヤ、などと実にうるさい)

原作が大人気で、読者それぞれに『のだめ』のイメージがあるから、
ドラマなりにアレンジを加えるのも大変でしょうね。
うちの夫も、
「千秋はTシャツのキャラじゃない!」ですって。
読み飛ばしているように見えて、こだわりがあったんだ(笑)。
さらに今後の放送回数から、どの話が省略されて、
どれとどれが盛り込まれるか、などと想像したりしている。
普段は冷静な人なんだけどなぁ。
恐るべき『のだめ』。30近い男も振り回している。( ̄ー ̄)