先週北海道登山旅行をしている時、カーナビが示す目的地への所要時間と登山ルートのコースタイムが時々話題になりました。
多くの人は「ナビでは所要時間がこうなっている」「ガイドブック(または地図)ではこうなっている」というのですが、私は余り信用しませんでした。
カーナビ時間については「北海道ではナビが示す時間より早く到着する」傾向があり、「登山時間については概ねガイド本より短くなる」という傾向があるからです。
北海道では一般道路を平均ほぼ時速60kmで走ることができますから、カーナビが示す時間より、単純に残距離を分に読み替えた方が良いと思います。
登山のコースタイムは少々複雑ですが簡単にいうと「ハイカーなどが多い易しい山ではコースタイムは甘めに表示され、健脚ルートではコースタイムは短めに設定される」という傾向があります。
またガイドブックが対象としている読者層がどの辺にあるか?ということも重要です。テント泊まり前提で重たい荷物を背負っていく人を対象にしたガイドブックと日帰り登山を前提にした本ではおのずからコースタイムは異なってきます。
つまり一つのコースに一つのコースタイムがある、という訳ではないのです。
海外トレッキングのバイブル的なガイドブックであるLonely planet社のガイドブックを見ると、コースタイムは大体2時間ー3時間といった幅で示されています。つまり登る人の力量や登り方に幅を持たせて表示しているのです。
私はこれが正しいコースタイムの表示方法だと考えています。
日本人はベンチマーク的な「一本値」を好む傾向がありますが、それは山登りいや山登りだけでなく生き方そのものを窮屈にしています。
多くのの人はサラリーマンとして、目標だなんだかんだといって数字に追い回されて生きてきました。
競技的な登山であれば、目標タイムがん必要でしょうが、遊び登山ではそんなものは必要ありません。
またガイドブックに示されたコースタイムだけを気にしていると、コースタイムがないバリエーションルートを登る時や雪山等コースタイムが当てはまらない時期に山を登る場合はどうするのでしょうか?
それには自分で地図を睨み、あるいはカシミールのような地図ソフトを使って自分で登山所要時間を割り出す以外に方法はありません。
山の楽しみ方は人それぞれであり、一概にコースタイムに縛られた登山を悪くいうつもりはありませんが、私は登山はもっと自由なものでありたいと考えています。
目標やベンチマークに縛られて生きるのはサラリーマン時代だけで十分です。
自由な時間を手に入れた後はもっと伸び伸びとそして自分の速度で歩いて良いのだ、と私は考えています。
そして自分の速度で歩く人は認めるような社会が成熟した社会だと考えているのです。