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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ファストリ、週休3日に。自分の時間はまとまる方が良いが・・・

2015年08月20日 | うんちく・小ネタ

今日(8月20日)の日経新聞朝刊トップは「ファストリ、週休3日に」だった。ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングは、週に4日働いて3日休む制度を約1万人の正社員を対象に10月から導入する。

これは「変形労働時間制」という制度で週40時間以内であれば1日10時間働いても残業代を支給しない制度だ(労働基準法では1日8時間を超える労働時間に対して残業代が支給される)。

トータルの1週間当たりの勤務時間は同じだから「朝三暮四」のようにも見えるが、私はそうではないと思う。

なぜなら自分の自由時間は細切れであるよりまとまっている方が有効に活用できると考えるからだ。

書誌学者で作家の林望職業従事氏は10年前に出版された「帰宅の時代」という本の中で「休暇は、本来自分のために使うもの。何をするにしろ、自己実現に役立てようと思ったら、ある程度まとまった日数が確保されることが望ましい」と書いている。

林望氏のそもそもの主張は「国民の祝日・休日をカレンダーの上からきれいさっぱりなくし、誰でもが持っているはずの有給休暇を自由に取れるようにすることが先決」なので、ファストリの「変形労働時間制」をどう評価されるかはしらない。

しかし現実問題として、「帰宅の時代」が書かれた頃より、国民の祝日・休日は更に増えているし、有給休暇の取得は企業に年5日分の取得を義務付けないと進まない状況だ。

ついでにいうと5日の有給休暇取得を義務付ける法案は「有給休暇の消化を企業に義務付ける」と説明されているが、消化という言葉を使うこと自体が、国や企業の意識が低いということができる。

本来有給休暇は「リフレッシュメント」「家族とのコミュニケーション」「自己研さん」「趣味」などのために、積極的に取得するものであり、消化するものではないはずだ。

という具合に日本の有給休暇制度は大いに問題はあるのだが、現実にできることの一つとして「週4日働いて3日休むことを選択」でいる制度が導入されることは良いことだと思う。

1日2時間多く働くことになるが、その2時間をまとめて1日の休みに変えることの意味は大きい。

夜の2時間ではできないことが1日にまとめるとできるようになるからだ。

ただしでる。週3休制になって有給休暇の取得が減少するようでは、制度は働く人にとってトータルではマイナスだ。

制度導入に対する評価は、正しく運用されるかどうかを見極めてから、ということになるのだろう。

 

 

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隣近所のリフォームは伝染する?

2015年08月18日 | うんちく・小ネタ

身近な話ですが、となり近所のリフォームは伝染するようです。

私の家の周りでは、昨年隣の家がリフォームした時、ワイフが良いなあ、と若干羨ましそうにいうので、つい庭を大幅に改良しました。

また最近数件離れた先が大きなリフォームに踏み切ったのを見て、我が家でもキッチンを改装することにしました。

よその家がリフォームしたからといって、我が家は我が道をいけば良いはずなのですが、中々そうもいかないようです。

いずれ改装するならこれを機会に、ということでしょうか?

リフォームした家のご主人は私より少し若い方々です。つまり定年年齢を迎えられた方々。

リフォームせずにマンションに買い替えるという代替案も検討されたのでしょうが、現在の持家を売却して気に行った地区でマンションを買うとなると結構持ち出しが大きいようです。

だからリフォームして終の棲家にしようという選択肢を選んだのでしょう。

私が住んでいる地区では、新築の戸建て建設が進む一方、中古の戸建住宅の売れ足はかなり遅くなっています。

そしてこの傾向は今後ますます顕著になると思うと頭が痛いですね。いずれ自宅を売却して、小さくても良いから便利なマンションに住みかえるというのは夢物語になったのかもしれません。

隣近所からの伝染ではなく、終の棲家と腹をくくった住宅プランに取り組むべき時かもしれませんね。

 

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【イディオム】Stand pat on 日銀は政策を変えず

2015年08月18日 | 英語・経済

昨日(8月17日)に発表された4-6月のGDPは前年比1.6%縮小した。ただしロイター予想のマイナス1.9%より若干良かったこともあり、ドル円為替はほとんど動かず、日経平均は約0.3%上昇した。

CNBCによると農林中金の南武志チーフエコノミストは「日銀は遅かれ早かれ、今年の成長見通しの引き下げを迫られることになりそうだが、物価の下押し圧力が強まらない限り、向こう数カ月現在の政策スタンスを維持する可能性が高い」とロイターに告げた。

「政策スタンスを維持する」という部分の英文は BOJ would most likely stand pat on policy in coming months unless downward pressure on prices strengthended.

Stand pat onは「意見を変えない」というイディオム。Patには「トランプの出来上がった手」という意味があるので、手を変えないということから意見を変えないという使われ方をするようになったのだろう。

甘利経済財政担当大臣によると「食糧価格の上昇により消費者が消費を抑制した可能性があるが、賃金の上昇が始まっているので、消費支出の緩やかな回復を期待している」とのこと。現状政府による景気刺激策も取られない見通しだ。

ところで今日の日経新聞によると65歳以上のシニア層の個人消費に占める割合は35%に近く、39歳以下の15%程度を大きく上回る。シニア層の所得は年金給付額と株式の配当・キャピタルゲインなどに大きく依存するので、物価水準が上昇すると消費を抑えざるをえない。

個人消費を伸ばそうとすると元気なシニア層に働く場を提供することが必要なのだろうと改めて感じる次第だ。

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シニアの方向けマイナンバーのプレゼンをします

2015年08月17日 | うんちく・小ネタ

10月1日と来年2月にシニアの方向けに「マイナンバー制度」の概要について講演を行うことになりました。

講演の話は、千葉県の2つの市の生涯学習を推進する係から、NPO法人「シニア大樂」経由で持ち込まれたものです。

「あなた、マイナンバーの専門家でもないのに、講演を引き受けるなんて厚かましくない?」とワイフには揶揄されたのですが、ライフプランニングサポートの一環としてお引き受けすることにしました。

私はマイナンバーの専門家ではありませんが、今年3月に「インフレ時代の人生設計術」(アマゾン電子本)を出版する時、根拠法の読み込みを含め勉強したので、バックグラウンドはあります。ただし新しい制度ですから詳細については日々情報が当局から発信されていますのでアップデートは必要です。

そういう意味では講演ギリギリに資料を仕上げる方が良いのですが、海外トレッキング等他の予定もありますから、そろそろプレゼン資料の作成に取りかかることにしました。

ブログの読者の方には、色々なところでプレゼンをする・今後したいと考えている方もいると思いますので、今日はプレゼン資料準備の舞台裏の話をしたいと思います。

【聴講者の把握・キラーコンテンツの発見】

一番大切なことは「どのような人に話をするか?」「聴講者の方の最大関心事は何か?」ということを把握することです。

今回の聴講者の方は「生涯学習を続けているシニアの方」ですから、学習意欲は旺盛です。また市の担当者から伺った話では「パソコンは利用者はそれ程多くないが、スマートフォン利用者はかなりいる」ということが分りました。従ってスマートフォンを利用してマイナンバー関係の情報を収集したり、スマートフォンからのマイ・ポータル・アクセスも話題になると思います。

何がキラーコンテンツになるか?という点については「不正利用防止」や「マイナンバーカードの安全な管理」が大きなポイントになると思います。そして次が「マイ・ポータル」などを活用した個人の利便性でしょう。

【情報の収集】

キラーコンテンツに目星をつけた後は情報収集です。幸いなことにマイナンバー制度については内閣官房が詳しいHPを作っていますし、そのコンテンツを「自由にダウンロードしてセミナーに活用できます」としていますので、積極的に利用しようと考えています。

また今までエバーノートに新聞記事などを蓄積していますので、適宜活用することになります。

エバーノートに情報を蓄積する場合は「タグ」機能を使い情報に「マイナンバー」というタグを付けておくと検索をスムーズに行うことができます。

マイナンバー関係の出版物は多いのですが、制度概要確認のため「これだけは知っておきたいマイナンバーの実務」(日経文庫)と「マイナンバーがやってくる」(日経BP社)を読んでおきました。市民の方向けのプレゼンでは十分だと思います。

むしろ政府のHPのQ&Aや講演を行う市のHPを良く読んで平仄を取っておくことが大事だと考えています。

【プレゼン資料の準備】

方向感が見えてきたところで、プレゼン資料の準備に入ります。

プレゼンテーションはパワーポイントで行います。私は何度もパワーポイントを使ったプレゼンを行っていますが、正直なところ「魅力あるプレゼン資料」を作ってきたか?というとまったく自信がありません。

パワーポイントはワープロ的に使えるので簡単といえば簡単なソフトです。しかし「魅せる資料」を作るとなると中々奥が深いと思います。

まず文字の見やすさという点で今回は「メイリオ」というフォントを選ぶことにしました。

シニアの方向けのプレゼンですので、「見やすい(字を読んで疲れない)・文字を画面の4割程度に抑える」「表やグラフィックの有効な活用」などがポイントとなると思います。

今回のプレゼンは私にとって「見やすく分りやすい資料を作成する」という点で良い勉強の機会だと思っています。

 

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戦後70年談話にWSJの評価はやや辛い

2015年08月15日 | ライフプランニングファイル

昨日(8月14日)発表された戦後70年の安倍首相の談話。各紙が大きく報道しているが、見出しはかなり異なる。日経新聞は一面で「首相『反省・おわび』言及」をタイトルとして、サブタイトルで「内閣の立場『ゆるぎない』」「謝罪に区切り にじます」とした。そして3面で「『自ら』謝罪はさける」とサブタイトルとした。

一方WSJはJanaN's Abe stops short of direct apology over World War Ⅱ「安倍首相は第二次大戦に対する直接のおわびを避けた」をメインタイトルにし、その下に小さくPrime minister expresses 'condolences' for Japan's actions during the war「首相は第二次大戦中の日本の行動に弔意を表明する」とサブタイトルを付けた。

どちらの記事も中身を見るとほとんど変わりはないが、なにをタイトルにするか?によって読者の印象は大きく変わる。

つまり安倍首相が引用という形であれ、歴代内閣の歴史認識を継承する姿勢を明確にした点を評価するか、あるいは自分の言葉で謝罪しなかったことを批判するかによって読者の印象は変わってくる。

外国人の読者が多いWSJが辛口のタイトルを付けたことは、中国や韓国に有利に働くので気になるところではある。

なお談話は「侵略の対象となった中国に配慮しつつ、植民地支配をした韓国には冷淡」(日経新聞)になっているが、日韓併合条約を法的に有効に結ばれたとする日本としては当然のことである。

植民地支配には併合された側にプラスとマイナスの双方の効果を及ぼす。たとえばイギリスはインドを植民地化し、安価な工業製品を大量に売り込むことで地場産業を破壊するなどのマイナスをもたらしたが、一方鉄道敷設や官僚制度の構築という点でプラスの効果ももたらした。

日韓併合についても、朝鮮人を蔑視し差別化したというマイナス面は大きいものの、朝鮮の近代化に貢献したというプラス面もある。

本来の歴史評価はプラス面・マイナス面をできるだけ客観的に評価するプロセスのはずだが、韓国では日本の統治のプラス面を評価する意見は社会的に容認されないので、客観的な歴史評価を行うことができない。

70年談話の中で、日韓併合のプラス面を述べると、開き直りと批判されるので、言及することはできないが、別の機会にもっと言及してよい話であろう。それは政府の仕事ではなく、歴史学者の仕事なのだが。

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