金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国で土地不足⁉

2022年09月26日 | 投資
 ロシア、カナダについて世界で3番目に国土が広いアメリカ合衆国で土地が不足しているといってもピンとこない人が多いでしょうね。
 アメリカの人口密度は33人/㎢で、日本(335人/㎢)の1/10で、人口密度から考えても土地が不足しているという話はピンときませんね。
 でもWSJはThe U.S. is running short of landという記事で土地不足、特に宅地不足の問題を取り上げていました。
 宅地不足が深刻なのは、サンベルトと呼ばれる北緯37度以南の温暖な地域で、記事はオースチン(テキサス州)、フェニックス(アリゾナ州)、タンパ(フロリダ州)などで特に宅地不足が深刻だと述べています。
 一見多くの土地があるように見えるアメリカで宅地不足が起きている原因は「土地利用に関する法的な制限」があることと「道路網、鉄道網などのインフラ投資不足」です。このため不動産開発業者は、開発適地を手に入れることが困難になっているのです。
 昔アメリカでは不動産価格の8割は建物の値段で土地の値段は2割に過ぎないという話を聞いたことがありました。
 記事によると1960年代にはそのとおりだったのですが、土地の価格は値上りを続け、2012年には不動産価格の38%を土地の価格が占め、現在では土地の価格は47%に達しているそうです。
 アメリカのインフレの原因の一つは住宅費の上昇です。サンベルト地帯の人気が高まっている原因の一つはリモートワークで郊外指向の人が増えているからです。また一旦住宅を手に入れた人たちは、開発規制緩和に反対します。規制緩和により宅地供給が増えると土地の価格が下がるからです。
 この状況を見ると住宅費の高止まりは続くかもしれませんね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「スマートフォン時代のネパ... | トップ | 「スパートフォン時代のネパ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

投資」カテゴリの最新記事