金融そして時々山

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「半沢直樹」ウソっぽいところもあるが面白い

2013年07月29日 | テレビ番組

日曜日午後9時からの人気ドラマがTBSの「半沢直樹」。視聴率は「あまちゃん」を抜いて今年最高の22.9%を記録した(7月28日)そうだ。私も昨夜初めて「半沢直樹」を観たので視聴率アップに貢献したかもしれない(笑い)。今まで私が観なかった(ワイフは私が他のチャンネルを占拠していた場合は録画して見ていたが)理由はウソっぽさである。昨夜の話に限っていうと、本店審査部+人事部が半沢課長の務める店に来て(裁量臨店)、半沢課長率いる融資課の吊し上げを図る。半沢課長を陥れる手段の一つが検査する側が提出されたファイルから重要な資料を抜き取り、その「資料」がないことで半沢課長を責めたことだ。だが半沢課長が逆襲にでてある検査官のカバンの中から抜き取った資料を見つける。ここで次週へ、という話。

私がウソっぽいと感じたのは、検査官が提出されたファイルから重要資料を抜き取り、資料がない責任を半沢課長に押し付ける場面ではない。少なくともこのような馬鹿げた話は私は経験したことはないので「リアリティに乏しい」とは感じるが、絶対にない話ではあるまい。

ウソっぽいと感じるのは、支店長が半沢課長など「検査される側」つまり被告側でなく、「検査する側」つまり検事側に座っていることである。この銀行の融資権限がどうなっているのかは知らないが、常識的には融資課長が億円を超える与信権限を持っていることはありえない。つまりそのような大きな金額の法人融資は総て支店長権限(あるいは本部の審査部長権限)で行われているのである。とすれば融資判断に関する責任者は支店長であり支店長は被告席にいるべきだ。その支店長が本部の検査官と一緒に検察側にいる、というのは余りにもウソっぽい、と私は感じた。

なんて文句を言ったが、来週以降また見てしまう可能性がある「半沢直樹」。視聴率の高さは堺雅人肯んじる半沢課長の「やられたら倍返し」というセリフの痛快さだろう。サラリーマン(ウーマンも)は会社の中で大なり小なり理不尽な目に遭う。手柄は上司が奪い、ミスは押し付けられる。「やられたら倍返し」はサラリーマンにとってカタルシスなのだ。水戸黄門の印籠を手にした角さんの「これが目に入らぬか」という決め台詞と一緒だ。世の中にはウソっぽくても面白いものはある。

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