金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国10年国債利回り、配当利回りを超える

2013年05月30日 | 投資

昨日の米国株は、連銀の債券購入プログラム削減懸念が国債金利上昇につながったことから、0.7%下落した。S&P500の終値は1,648.36ポイント、CNNmoneyによると、今年はじめて10年もの国債金利が、S&P500の配当利回りを上回った。

今年5月1日時点のS&P500の配当実績32.08を、昨日の終値で割ると、配当利回りは1.95%になる。国債利回りは一時2.23%まで上昇したが、終値は2.12%だった。10年国債の利回りは4月末が1.6%だったから、ここ1ヶ月で0.5%程度上昇している。

4月末のS&P500は1,597.57ポイントで配当利回りは約2%、株価上昇により配当利回りが低下する一方国債金利は上昇という少し気味の悪い現象が起きている。

仮に株式投資家が配当利回りだけを指標として(現実には成長性も指標になるが)、株を買うとすれば、0.5%の市場金利の上昇は株価の20%の下落につながり、0.2%の金利上昇は9%の株価下落につながる(現在のS&P500をベースとして)。

金利上昇懸念は、ノンバンクや銀行など金利敏感銘柄の売りとなる。金利上昇が実体経済の改善に伴うと判断される場合は、目先景気に敏感な株が買われる可能性が高い。だがやがて金利上昇は還元利回りの上昇を通じて株価の頭を抑える。それが市場のメカニズムというものである。

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