私のブログへのアクセスは週末減り、月曜日に増える傾向がある。ということは自宅で見られるよりも、会社や学校で見られることが多いということだ。そうなると多少読者諸氏の仕事や勉強にプラスになることを書きたいと思うが・・・・しかし今日は半分まじめ半分空想的な話を書こう。
まじめの部分はエコノミスト誌の記事を踏まえての話だ。エコノミスト誌の記事というのは地球温暖化と豚肉の値段の話でポイントは以下のとおりだ。
- メリルリンチのコモディティストラテジスト・ブランチ氏によると地球温暖化でベーコンや牛肉の値段が上がる。その理由のチェーンはエネルギー価格の上昇とエネルギー確保および排ガス規制の観点から、各国政府はエタノール(エチルアルコール)を自動車用代替エネルギーとして優遇する施策を推進している。
- ブラジルではエタノールは砂糖の副産物であり、米国ではとうもろこしの副産物である。米国では2001年から2002年には僅かに706百万ブッシェル(1ブッシェルは35.238リットル)が燃料に使われたが、06年から07年には3倍の2,150百万ブッシェルが燃料に使われた。需要が急拡大しているので世界のとうもろこしの在庫は過去30年間で最低の水準になっている。
- とうもろこしの価格が上昇しているので、農業者は大豆からとうもろこしに作付けを変更している。この結果穀物全般の価格が上昇基調にある。
- そして穀物価格が上昇する結果家畜の値段が上がるだろう。この間には時差があり、メリルリンチは「穀物価格が30%上昇すると、3ヶ月から半年遅れて家畜の価格が10%上昇する」と推測している。
- 家畜の価格が上昇しても豊かになっているアジア諸国の需要が強くなっているので、需要は落ちないだろう。
そしてエコノミスト誌はその副次的な効果として、ヘッドラインインフレーション(消費者物価指数)の上昇圧力がかかり、中央銀行は金利を引き上げる(又は低下させない)という対応を取るという。これは世界の経済成長へのブレーキとなるだろう。また食糧に費やすお金が増えるということは他の財やサービスに対する支出が減るということを意味する。
- しかし長期的視点からは考えるべきことがいくつかある。大部分の専門家が同意するところだが、石油からコーンを原材料としたエタノールに切り替えることでエネルギーが確保できるかということだ。
- またエタノールを生産するためにエネルギーが必要なので、エタノールがより環境に優しいエネルギーかどうかはっきりしないということもある。
環境に優しいはgreenだ。ところでエタノールのグリーンさについては議論があるところなのだ。これをネット・エネルギー・バランス(エタノール燃料が発揮するエネルギー量ととうもろこしの栽培や精製に要するエネルギー量の差)の問題である。ネット・エネルギー・バランスがプラスであるかどうかは議論があるところだと聞く。これを論じた論文は相当多いと思うがその研究は後日に回すことにする。
エタノール燃料というのは分かり易いので政治的な意味でも安易な選択肢だといえる。しかし地球温暖化に真剣に取り組むにはエタノール燃料程度では済まないだろうとエコノミスト誌は言う。そして投資という観点から見ると株や債券に続いて次に値上がりするのは豚肉だというのだ。
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以上はエコノミスト誌の話の紹介だったが、私なりにこの話を「風が吹けば桶屋」風に広げてみよう。温暖化の影響で豚肉や牛肉の値段が上昇したり、穀物の値段の上昇がアルコールといってもエタノールではなく我々が飲むビール等の値段の上昇につながる結果、先進国で肉食やアルコールの消費が減少する。
エネルギー価格の上昇は飛行機や車を使う旅行を高くつくものにするので、人々は週末を自宅やその付近で過ごすようになり、ガーデニングや実用を兼ねた家庭菜園が盛んになる。
特に退職者が増えた日本では食物の価格上昇に対応するべく家庭菜園が盛んになる。これは生活習慣病の改善の観点からも歓迎される。また街に緑を増やすことは都会の温暖防止や二酸化炭素の吸収の面でも歓迎するべきことなのだ。
エネルギー課税等でガソリン価格が上昇する結果、人々は車の利用を控える様になり「自転車」や「徒歩」の比重が高まる。以上のようなことが複合してメタボリック症候群が減少し人々はより健康になる。と考えると地球温暖化防止対策は個々人の健康促進に役立つ面を持っている。
そして極論をいうとメタボな人=グリーン活動の低い人という等式が出来て、太っているだけで社会的批判を受けたり、課税されることが発生するかもしれない。
以上は空想的な話だが半分位は当たる可能性があると私は考えている。そして人間が知恵を出し合えば災い転じて福となすことも不可能ではないと考えている。
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