東北三山の2日目(5月4日)は、今回のメインの岩手山登山だった。
前日焼走り国際交流村のバンガローに泊まり、バーベキューを楽しんだ4名は6時過ぎに焼走り登山口を出発。最初は樹林帯の中の緩やかな道を登っていくが、1時間ほどすると雪が出てきた。夏道沿いに赤い標識がついているが、木の枝が邪魔するところがあり登りやすいとは言えない。第2噴出口跡付近から左手すなわち南側の白樺の疎林の中を登っていく。第1噴出口跡を越えた付近で夏道は真西に向けてトラバースしていく(道は完全に雪の下)。上を見ると頂上を目指して雪の大斜面を直登していく単同行者が見えた。
「あれが効率的な残雪期の登山るーとだな」と考えていると、メンバーの中からアイゼンの効きが不安なので撤退したいという声が出てきた。
さて傾斜はどれ位なのだろうか?
ひと目みたところでは30度位。自宅に帰ってから国土地理院の地図データで分析すると実際この地点の傾斜は30度程度だが、登るにつれて傾斜は強くなる。直登すれば最上部では35度位の傾斜になっていたようだ。30度というとスキー場の上級者コースの斜度なので登り降りできないことはない(雪の状態次第だが)。35度は微妙なところだが。
だが数値は数値として、不安を感じながら登るのは大人の登山ではない。直ぐに撤退を決めて来た道を戻ることにした。
撤退を決めたのは9時15分頃。標高は約1300mだった。
慎重に下山して雪のないところに戻り登山道脇の溶岩台地を見学。
正午前には焼走り登山口に戻った。
今回の残雪期岩手山登山の反省点は一言でいうと「雪がべったりついた岩手山を登るのは易しくない」ということだ。
急な斜面はジグザグに登ることで負担を軽くすることはできるが、滑落の不安感はついて回る。
10本爪のアイゼンを使うと雪をしっかりつかまえることはできるが、アイゼンの爪を引っ掛けるリスクは高まる。
つまりしっかりした雪山登山力がないと雪がべったりついた岩手山登山は難しいということだ。
もともと難しい登山をするために集まった団体でないから雪の多い岩手山登山は見送るのが賢明というものだろう。
色々な思いを残しながら我々は焼走りを後にして、田沢湖に向かった。
田沢湖への道は岩手山南部を回っていくもので我々は岩手山の様々な表情を楽しむことができた。そしてこの山はどこから取り付いても残雪期はそれ程易しい山ではないという思いをあらたにした。
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