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【イディオム】Consumer confidence 3月の消費者信頼感指数は堅調。

2016年03月30日 | 英語・経済

Consumer confidence index消費者信頼感指数とは米国の民間非営利団体・全米産業審議会(カンファレンス・ボード)が毎月発表する指数だ。

昨日発表された3月の消費者信頼感指数は96.2(2月は修正されて94.0)だった。一般的信頼感指数が90を越えていると良い兆候と考えられているので、米国の消費者は経済の先行きを概ね楽観視していると考えられる。

6か月先の景況感を示す「期待指数」は前月の79.9から84.7に上昇した。一方足元の景況感を示す現況指数は前月の115から113.5へ僅かながら低下した。

消費者の雇用市場の評価は2分した。現在求人は多いという人は25.4%でこれは2007年以降で最高のレベル。一方職を得ることは難しいと答えた人も26.6%でこれは昨年6月以降最高のレベルとなった。雇用市場の評価が二極化したことは、コンピュータリゼーションの進展の影響が高まっていることも影響しているかもしれない。

時間軸は明確ではないが将来米国の雇用の47%はコンピュータに奪われるという調査結果を発表したレポートもある。

向こう6カ月で収入が増加すると予想した消費者は少なかった。このため消費が伸びていないと指摘するエコノミストもいた。

昨日商務省が発表した2月の個人消費支出は前月比0.1%の伸びにとどまっている。

ところで現在の米国の個人貯蓄性向は約5%で過去20年の平均的なレベルにある。だがもう少し長い目で見ると米国の貯蓄性向は低下傾向にある。

1960年から現在までの平均的な貯蓄率は8.3%だったし、1960年から1995年までの貯蓄率は10%だった。現在の米国の貯蓄率は過去に較べて確実に低下している。消費支出がGDPの2/3以上を占める米国では、経済成長の原動力は個人消費だ。

だが貯蓄の取り崩しで消費がまかなわれているとすればそれは長続きしない。消費拡大のためには、雇用の拡大と賃金の上昇が必要なのだ。

カリフォルニア州は2022年までに最低賃金を1時間当たり15ドル(約17百円)に引き上げることを決定した。当面の上昇幅は2017年10.5ドル、18年11ドル(それ以降毎年1ドル)と小さいが、長期的に最低賃金引き上げの道筋を示したことの意味は大きいと思う。

日本の状況を見ると貯蓄率はゼロ近辺まで下がっている(2013年度はマイナスになった)。

貯蓄を取り崩す高齢者層が増えている日本と米国を一概に比較することはできないが、消費の拡大のためには日本も賃金レベルを引き上げていく必要があることは間違いない。アベノミクスが成功するか否かはここにかかっている。

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