金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「花咲舞」はどこまでリアルか

2014年05月26日 | テレビ番組

杏と上川隆也が主演する日テレのドラマ「花咲舞が黙っていない」をほぼ毎回見ている。どこかで「その業界にいる人は業界もののテレビドラマを観ない。たとえば警察官は警察ものは見ないし、新聞記者は記者ものを観ない。それはリアリティの欠如にイライラするからだ」という趣旨の随筆を読んだことがある。この仮説?が正しいとすれば、私は「花咲舞」を観ないことになるが、実際のところは、結構楽しみながら番組を観ているのである。

この番組の人気の一つはオチの予想のつき易さと水戸黄門的勧善懲悪に視聴者がカタルシスを感じるからである。これに加えて私はリアルと誇張の程よいバランスを上げたいと思っている。

数回前の話はあるベテランテラーが支店長のパワハラを告発するため、店頭で現金を過払いしたように見せかけ、実は札束を一つ(100万円)を隠し持ってしまうというものだった。現金不足を解消できない支店長は次長と語らって自腹を切って100万円を埋める。自腹で銀行の不足資金を埋めることは重大なルール違反。やがてこのことが発覚して支店長は更迭されるというものだった。

さてこの話のリアリティについて検討してみよう。既に時効になっている話だろうから、自分の経験を語ると私が15年ほど前に支店長として赴任したN支店は営業成績はそこそこ良かったが、内部管理面では最低ランクだった。その理由は直前の事務検査で早期改善が求められる最低点になっていたからだ。事務検査で大きなマイナスとなったのは、現金の入った手持ち金庫をカウンターの内側の棚に放置したまま店を閉め、翌朝抜き打ちの検査部検査でそれが発覚したことにある。そして手提げ金庫の放置はテラーのうっかりミスではなく、検査部検査で罰点を食らうことを狙った故意の行動だったのではないか?という噂が残っていた。なぜ検査で罰点を食らうようなことをしたか?というと前支店長のテラーたちの接客業務に対する無理解とパワハラにテラーの一部が反旗を翻したという解釈が噂されていた。

その後、前支店長は別の少し大きな店に転出したのが「花咲舞」と違うところだが、私が行員たちの不満を聞いて、モラール改善に努力したから検査部検査の罰点もそれなりの意味があったのかもしれない(笑い)。

現実の世界は複雑なもので、一つのマイナスだけで支店長が降格されるとは限らない。

ということで「花咲舞」の話は出来過ぎの感はあるが、支店長の理不尽な行動に行員が故意に重大なルール違反を犯し、検査部等本部の注意を引くという行動にでるということに私はある程度リアリティを感じている。

ついでにいうと「花咲舞」には自分の出世のために、平気でウソをつき、部下を踏みつけるような上司・支店長が頻繁に登場するが、このような例は枚挙にいとまがないほど多い。つまりこちらはもっとリアリティが高いということだ。

リアリティが高いから視聴者は「お言葉を返すようですが」から始まる花咲舞の決め台詞にカタルシスを感じるのだろう。

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