WSJにEconomists see lower recession risk and stronger job growthという記事が出ていた。
「エコノミストによると、景気後退リスクが低下し、雇用は伸びると予想」ということだ。
トランプ大統領の政策による経済的影響は、懸念されていたほど深刻ではない、という見方が広がりつつあるということだろう。
WSJが専門家を対象に実施した四半期調査では3カ月前に比べると景気後退リスクが低下し、インフレはよりマイルドになり、雇用創出が力強さを増している。
その理由は前回調査がトランプショックの最中に実施されたことにある。その後トランプ大統領は、関税の一部を停止したので、関税ショックの効果は先送りされたといえる。
エコノミスト達が予想する今後1年以内にリセッションが起きる確率は33%で、これは4月の45%よりは低いが、1月の22%よりは高い。
重要なことは、エコノミストたちが予測していた関税によるインフレ急騰がまだ現実のものとはなっていないことだ。
コアCPIは5月には前年同月比2.8%上昇と4年ぶりの低水準となっている。これについては、連銀の中に企業は関税発動前に積み上げた在庫を取り崩すまで価格を引き上げないだろうという見方をする人がいる。
また関税引き上げは今年後半にインフレ率を押し上げる可能性が高いが、その影響はエネルギーと住宅費の上昇率が鈍化することで一部相殺されると考えるエコノミストもいる。
トランプ大統領が矢継ぎ早に打ち出した関税以外の政策~不法移民の取締り、減税と支出削減の大型法案など~が実体経済にどれほどの速度で浸透するかは不透明だ。
一部でTACO(言うばっかりでいざとなると腰が引ける)という悪口も出だしたトランプ大統領。
日本経済の点からは、TACO=Trunp Always Chickens Outでいて欲しいものだが、言行不一致が重なると市場の信頼を失うことになる。これも困りものだ。
私は自分のポートフォリオの観点からは「トランプリスクはアメリカ経済でヘッジ」と考えている。もしMAGA=Make America Great Againが実行されるなら、アメリカの株価は上昇するはずだ、という楽観的な考え方だ。もちろん、関税問題は、総ての国の景気を悪化させ、世界的なリセッションを招くという見方をする人も一部にはいるようだ。
だが私はそこまで悲観的なシナリオをメインには据えていない。TACOもその一つの理由かもしれない。
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