金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

司法省に提訴されたGoogleは売りか?買いか?

2020年10月22日 | ライフプランニングファイル
 今月20日に米司法省から独禁法違反の疑いで連邦地裁に提訴されたグーグル。私を含めて個人投資家の中でグーグルの親会社Alphabetの株をお持ちの方はこの提訴に懸念されているかもしれないので少し個人的見解を述べてみたい。
 まず足元の市場の反応だが、提訴のニュース以降Alphabetの株価は堅調に上昇している。
 一言でいえば投資家にとって「司法省の提訴は株価に織り込み済みで新たなリスクはなくむしろ悪材料出尽くし」といったところではないだろうか?
 新型コロナウイルス以降米国のハイテク銘柄の株価は躍進した。その中で株価が出遅れていたのがグーグルの親会社Alphabetだった。その理由は幾つか考えられる。たとえばグーグルの収入の大きな部分は企業の広告収入だが、コロナ不況下で企業が広告支出を抑えたことがある。訴訟リスクも懸念されていた。Alphabetの株が他のハイテク銘柄より出遅れていたのは、訴訟リスクが高かったからだとアナリストは分析しているようだ。
 だが独禁法違反の疑いを持たれるということは、グーグルの市場支配力がそれだけ強いということを意味している。
 訴訟がどのような結末を迎えるかはわからないが、20年前のマイクロソフトの独禁法違反訴訟の例から見てもかなり長い時間がかかることは間違いない。
 なお私はグーグルのようなプラットフォーマーの場合、市場を独占することが消費者の利益を毀損すると断定するのは難しいのではないか?という立場を取っている。信憑性が不確かなので組するつもりはないが、訴訟の裏に大統領再選を目論むトランプの指示があったという見方もあるようだ。
 なお長期にわたる訴訟の結果、仮にグーグルを分割するようなことがあったとしても「検索エンジン」という機能は誰かに引き継がれる。その時保有しているAlphabetの株もまた引き継がれていく。したがって今回の訴訟については慌てることはないのである。買い材料とまでは言わないが売り材料でないことは間違いないと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バイデン氏勝利で米中関税戦... | トップ | 名湧水巡りで烏山弁天池へ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ライフプランニングファイル」カテゴリの最新記事