この記事は極めてマニヤックである。つまり山スキー愛好家のみを対象としている。従って山スキーに興味のない人はパスして下さい。
週末に日帰りで深田久弥の日本百名山の一つ安達太良山にスキー登山に出かけたことから、百名山の内どの山が日帰りスキー登山が可能か考えてみた。
まずはこの前登った安達太良山、朝6時過ぎに西東京市の自宅を出て夕方6時頃には帰宅できるので日帰りスキー登山の対象として第一級だ。
谷川岳も良い。こちらも数年前のゴールデンウイークに朝東京を出てゴンドラを利用して登頂後、熊穴沢を滑った。その日の午後、越後の巻機(まきはた)山の麓に回ったので日帰りはしていないが、正味4時間程で登山と滑降ができるので十分日帰りができる。ただし厳冬期や雪崩の多い時期の熊穴沢は要警戒だ。
四阿(あずまや)山には早朝にマイカーで東京を出て「あずまや高原ホテル」の前に車を止めてスキーで山頂を往復した。翌日隣の根子岳に登るためホテルに泊まったが、午後の早い時間に下山したので日帰り登山は可能。ただし乗り合いバスの便は悪いので公共交通機関による日帰りスキー登山は難しいだろう。
至仏山もゴールデンウイークには日帰りツアーが可能だ。私はマイカーで戸倉に入りそこからシャトルバスで鳩待峠に入り、そこから至仏山に登り尾瀬沼の山ノ鼻まで滑降してそこで泊まり、翌日再び至仏山を登り、ワル沢を滑降して鳩待峠に戻ったことがある。楽しい一泊二日のスキーツアーだったが、日帰りスキー登山も可能である。
上州の武尊山もスキー場(オグナほだか)のリフトの終点から1時間で前武尊に登ることができ、そこから荒砥(あらすみ)沢を滑ることができる。ただし前武尊からの滑降を持って武尊山からの山スキーというには抵抗がある。
以上はこれまで経験したところの話だが、未経験のところでは「グランデコから西吾妻山」が日帰りツアーの対象になりそうだ。吾妻連峰については高校生の修学旅行でバスに乗り、火口の目立つ吾妻小富士を見た記憶があるが登山をした記憶はない。深田久弥は日本百名山の吾妻山の冒頭で「吾妻山と呼んでもこれほど茫漠としてつかみどころのない山もあるまい」と述べている。要は代表的なピークがなくどんぐりの背比べのような山が並んでいる訳だ。だが一応最高峰は西吾妻山である。手元の資料を見るとグランデコのゲレンデのトップから西大巓を経て西吾妻山頂上経由でグランデコに戻るコースが6時間だ。
朝8時15分に郡山を出るシャトルバスに乗るとグランデコに10時に到着する。午後4時半に出るシャトルバスに乗ると郡山に6時15分に着く。計算上は日帰り可能コースだがノリシロが少なすぎるかもしれない。
それにしても東京から日帰り可能な百名山スキー登山コースは意外に多いことを改めて認識した。蔵王なども研究の余地があるところだ。日本は山という資源に恵まれていると改めて感じた次第である。