今日(1月30日)の日経新聞は小さく米国のシンクタンク・外交評議会が北朝鮮の体制崩壊に関するレポートを発表し、最悪シナリオは同国の秩序回復に46万人の兵力を要すると報じている。外交評議会Council on Foreign Relations(CFR)は一般的には「外国問題評議会」と訳され、米国政府に極めて大きな影響力を持つシンクタンクだ。CFRは「北朝鮮の政権交代に伴う不安定化リスクに米国は備えなければならない」と警鐘を鳴らしている。
CFRは北朝鮮で突然の政権交代が起きる可能性を示唆し、3つのシナリオを想定する。第一が新しいリーダーが現政権を整然と引き継ぐManaged succession、第二が後継者間の権力闘争を経て新しいリーダーが決まるContested succession、第三が後継者が決まらず、混乱の結果国家が崩壊するFailed succession。この場合は韓国が素早く吸収に動くことが広く想定されているとする。
さて今日の昼頃「北朝鮮の対韓国機関・祖国平和統一委員会が本日韓国政府に対して、対北朝鮮政策を非難し、南北朝鮮間の政治・軍事に関する総ての合意事項を破棄する」という宣言を出した。
ファイナンシャルタイムズは韓国大学のYoo教授のコメントを紹介している。それによると「北朝鮮はこのような態度に出て、オバマ新政権との交渉で主導権をとろうとしている」
またこのような動きは「金正日の健康状態が回復し、政治的な力を取り戻している」という米国の情報当局のコメントに続いて起きたとFTは述べ、金正日がハードポジションを主導している可能性を示唆している。だが金正日の健康には不安が付きまとう。北朝鮮の「言葉の攻撃」は毎度のことだが、軍事的な衝突の可能性が高まっていることは事実だ。
南北間の衝突や北朝鮮の崩壊時には東アジアに緊張が走ることは間違いない。このような事態に備えて日本国はコンティンジェンシー・プランは出来ているのだろうか?アフリカの海賊退治のように他の国に任せて、小田原評定をしている訳にはいかないが大丈夫だろうか?