E-30とはオリンパスが昨年12月に新発売した新しいデジタル一眼レフである。巷間「中級機」と呼ばれるタイプである。オリンパスにはE-3という高級機?があるが、防塵防滴機能などを除くとE-3とE-30の間には差がないと思っている。むしろ新しくでたE-30の方が機能面では上だろうと私は考えている。
私は今までE-510を使っていたがE-30が出るという話を聞いてから、買うか買うまいか検討を続けていた。少し高級な機種が欲しい理由は「逆光撮影時の白トビを抑えたい」ということに尽きる。山で日の出など逆光の写真を撮る時、できるだけ明暗差を表現できるカメラが欲しいというのが希望だった。
一方E-510を買ってから1年半しか経っていないのに新しいカメラを買う(勿論E-510は併用するが)ことに抵抗もあった。しかしひょんなことから少し原稿料が入る(無論カメラの代金には程遠いが)ことになったので、物欲を出すことにした。
E-30を買ったのは日本橋の「カメラのキムラ」で、昔使っていたオリンパスE-300を下取りに出して12万円まで値引いてもらった(因みにオリンパスE-300の下取り価格は7,000円とのこと)。カメラのキムラは現像などで時々顔を合わせるので、高い安いは別として今回はお付き合いをすることに決めていた。まあ、ベストプライスでないにしろ悪い値段ではないと思う。
ところがこんな逡巡をしている間にメーカー・キャッシュバックの期限(1月12日)を越えてしまった・・・・。残念。「兵は拙速を尊ぶ」べきであった。
ところでE-30には「アートフィルター」という機能が付いている。これはカメラ側の設定で、レンズに特殊なフィルターをかけた様な効果をだすというものだが、言葉で説明することは意外に難しい。実物をお見せしよう。最初の写真は書斎の観葉植物をオートで撮影したものだ。ほぼ実物に近い色が出ている。
次にポップアートというモードで撮影してみた。
赤が鮮やかになっている。次にライトトーンで撮った写真をお見せしよう。
これはハイライト部分もシャドー部分も柔らかく表現する機能だ。明暗差の大きな室内外の写真を撮る時など便利だろう。次の写真はディライトドリームというフィルターで撮った写真だ。「優しい浮遊感を表現」とあるが、単に青みがかった写真とも言える。
写真とは「真実」を「写す」ものだと思っていたが、このようにカメラの操作一つで写真のトーンが変わるようになると、何が真実なのか分からなくなってくる。オリンパスは「再現力から表現力」というキャッチフレーズをE-30のパンフレットで使っている。
だが表現力という名前の下で、映像をどこまで加工して良いものか疑問は残る。
アートフィルターという機能が「けれん」な技に終わるか、感動を伝えるツールになるかはもう少し試してみないと分からない。
それにしてもオリンパスは面白いカメラを開発する。