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マイナカード自主返納の愚

2023年07月28日 | 社会問題
マイナカード自主返納の愚

岸田政権の支持率が急落した。多くの人が(まやかしG7サミット)の眼くらましを食らって5月、45%の高支持率を献上したが、化けの皮が剥がれて7月17%急落し28%となった。主な下落理由はマイナカードの不手際となっているが、そんな理由を挙げているから、岸田に(支持率なんてすぐ回復するよ)と嘯かさせてしまうのでは無いかと危惧する。
岸田が駄目なのは、挙げればきりが無い。(カルト宗教・統一教会の国家的大問題に一切手を付けず、教会女教主に馬鹿扱いされても異次元のダンマリを決めこんでいる事)、(異次元の少子化加速にも有効な手を打てない事)、(一家挙げての異次元の公私混同・自己中心主義)、(異次元の軍拡とその無駄遣い財源確保の引き延ばし)、(異次元の物価高騰に対する無策と異次元の低賃金、国民の窮乏化)、(被災地を放置し、車座対談等、聞いてる振りの異次元パフォーマンス) , (異次元の外遊とバラ撒き援助)等々数え上げたらきりが無い。
岸田を擁護するつもりなど更々無いが、だからと言ってマイナカード返納問題を支持率下落の理由にするのはメデイアも含めお門違いも甚だしい。その付けは後述する様に必ず国民に跳ね返ってくるのが明らかだからだ。

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「世界デジタル競争力ランキング2022」では日本は29位、これに対しアジア諸国は、4位シンガポール、8位韓国、9位香港、11位台湾、17位中国という残念な結果となって居り、この遅れは社会・経済の変革の遅れ、ひいては社会・経済の衰退に繋がる事を意味する。
韓国は8位だがOECD調査では「デジタル政府指数」では堂々の第1位で、特に「デジタル優先度」と「開かれた政府(註)」では、世界で最も高い評価を得て、デジタル先進国としての世界的評価が定着しつつある。韓国のデジタル社会の中心は住民カード(日本のマイナンバーカード)で1968年から利用されて居り、韓国版(ポータルサイト)を通じて国民がマイナンバー制度を大いに活用しており、拒否反応は皆無に近い。如何に日本の(政・管・民)が時代錯誤であるかを示している。
(註;「開かれた政府」とは、市民が政府の文書や手続にアクセスする権利などを保障し、オープンで透明性のある政府の実現をするという概念)
今起こっているマイナンバーカード返納の動きは岸田政権に打撃を与へ、自公政権打倒の政治運動の一環という事であれば多少理解できるが、そうでなければ無意味というより、社会にとってマイナス効果しかない。要は制度に対する政府の懇切丁寧な説明の欠如と国民の認識不足が主たる原因で、マイナンバー制度自体に責任は無い事を認識する必要がある。現在のマイナンバー制度は日本のデジタル化推進のツールであり、この成否がデジタル競争力を向上させるか否かに繋がっていると言えるだろう。

先ずマイナカード返納をしてどのような効果があるのか、保持して居れば紛失し他人の手に亙る危険性があるのであれば、自宅の箪笥に保管しておけば良いだけの話、何れ再発行の申請が必要な事は目に見えている。
返納、再発行、共に行政の不必要な事務手続きが増え、無駄な行政費が増えるだけである。
日本のマイナンバー制度(正式呼称は社会保障・税番号制度)は2013年に法制化され、「マイナンバー」、「個人番号カード(マイナンバーカード)」、「マイポータル」と呼ばれる3つの仕組みで運用されることが決まった。
従って、マイナンバーカードとマイナンバー制度は別物であり、カードを返納しても個人に付与されたマイナンバーは(返納が認められない以上)消える事は無く、又(保険証)や既に報告した(公金受取口座)もカードでは無く、マイナンバーと紐づいているので、カードを返納してもデータや登録が抹消される事も無く、制度の利用は其の儘継続されて行くことになるのである。マイナンバーは、「日本に住民票がある人全てに付与された個別の番号」で、日本では(住民基本台帳法)によってすべての人に住民票の登録があるというのが前提になっているので、「現時点ですべての日本国民にマイナンバーを付与されて居り」これを拒否することは出来ないということになる。(2016-1-1よりマイナンバー制度導入)
更に日本の行政機関は様々な(番号などの符号)で国民を管理している。住民票は住民票コード、年金は基礎年金番号、運転免許証にも番号が割り当てられているし、それぞれ個別に管理している。マイナンバー制度ではこの仕組みは変更せず、マイナンバーとそれぞれの符号を紐付けるようにしたのである。マイナンバーに直接紐づいている情報は、マイナンバーカードに記載されている(氏名・住所・生年月日・性別・顔写真)、更に行政機関がマイナンバーを付して管理している以下の情報、①社会保障(年金や保険に関する情報・ハローワークの利用に関する情報・福祉分野の給付、生活保護などに関する情報)など ②税金(国税の申告、納付に関する情報・地方税の申告、納付に関する情報・税務関係の各種届出に関する情報など) ③災害対策(被災者生活再建支援金の支給に関する情報・被災者台帳の情報など)である。我々個人が実際にマイナンバーを提供する先は、国や地方公共団体、勤務先や金融機関、年金・医療保険者等になるが、その使用目的は、上記の通り(社会保障や税、災害対策)の法令で定められている手続きのために使われ、それ以外の目的には利用できないことになっている。

それではマイナカードを返却すればどうなるか。銀行口座開設やパスポート取得等に際して求められる(本人確認書類)としては運転免許証でも可能だが、運転しない人にはカードが必要になる。
政府が運営する(マイナポータル)と言うオンラインサービスがある。これをダウンロードして置けば、自分専用サイトとして、子育てや介護をはじめとする行政サービスの検索や オンライン申請が出来たり、行政からの通知を受取ることも出来る。 マイナンバーカードでログインすれば マイナポータルが提供する全ての機能を利用することが出来る。世帯情報、税情報、予防接種の記録等々、行政機関が保有する自分自身の情報を確認することが出来る。 更に自分に関する情報が、行政機関の間でどのようにやりとりされたかを確認することも出来るし、( e-Tax)、(ねんきんネット)など、外部ウェブサイトと連携し、サービスを受けることが出来て極めて便利である。年金受給者は毎年確定申告が必要だが、e-Taxを利用すれば自動で税計算もして呉れるし、領収書添付も不要、半日もあれば書類作成・申告迄出来上がって仕舞う。所轄税務所に出向く必要も無く、税金還付も迅速で精神衛生上も良好この上ない。特に子育て世代の多忙な働く主婦にとっては、子供の予防接種や児童手当の手続き案内、児童手当等のオンライン申請が可能で度々役所に行く必要が無いと言うメリットは極めて大きいと思われる。カードを返却するとこのようなサービスの多くが受けられなくなり、個人的にも大きな損失である。


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