追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

美しい国・日本…(2)

2018年06月15日 | 政治・経済

美しい国・日本…(2)

平成27年3月27日、時の下村文部科学大臣が学習指導要領を一部改正し、これまで小学校・中学校では教科外活動であった「道徳」を「特別の教科 道徳」として教科へ格上げし、同時に道徳科に検定教科書を導入して本格的な道徳教育が始まった。その教科書の主要内容は小学校では「相互理解、寛容」「公正、公平、社会正義」「善悪の判断,自由と責任」「正直,誠実」「節度,節制」である。
加計学園問題では批判の矛先が安倍首相や経産省の柳瀬元秘書官に集中しているが、下村夫婦も安倍夫婦と並んでこのスキャンダラスな事件の首謀者の一人である。

小学生が学校で学んでいる「公正、公平、社会正義」「善悪の判断,自由と責任」「正直,誠実」「節度,」此処に並べられている道徳観全てが欠落していると見なされる安倍・麻生や下村が道徳教育を声高に唱える。これは一種何かのパロデイ―ではないか。
偽造データ使用されていたにも拘わらず、それを削除しただけで強行採決する政策、国政の私物化、民主主義の根底を揺るがす公文書の改竄、国民や女性蔑視の度重なる不用意な発言、よくもこれほど下らない人間が集まったものだと思う。自民・公明のワーキンググループが纏めた公文書管理の中間報告は意思決定に至る経緯や議論は書くなという様な公文書の範囲を狭める等、反省どころか真逆の方向に向かっている。

トランプ現象が安倍に伝播し安倍現象が日本中を覆いつくし今やモラルの低下は目を覆うべきものがある。この様な状況は政府や企業等組織全体のモラールの低下にも直結し日本にとって大きな損失、このまま放置すれば将来に大きな禍根を残すことになる。
今、道徳教育が最も必要なのは安倍政権の閣僚達、自民・公明の党役員、高級官僚達である。小学一年生と机を並べて一から勉強し直すべきであろう。

モリ・カケ問題に関連しもう一つ醜い日本の姿が現出した。
大阪地検特捜部が森友学園の問題で国有地の大幅値引き売却に対する背任や決裁文書を改竄したとする虚偽有印公文書作成など市民団体から告発されていた全ての容疑について、前財務省理財局長・佐川氏を含む財務省幹部ら38人全員を嫌疑不十分等で不起訴処分とした問題である。
財務省自らが公文書を書き換えたと認めているにもかかわらず改竄の罪に当たらない、更には国有地を約8・2億円値引きして売却したことも屁理屈を付けて不問に付すなどというまるで寝ぼけた結論を出した。(註;下記)
三権分立の要である司法のチェックがかからないような検察など無用の長物、検察や裁判所に牛耳られ不透明な検察審査会も機能不全に陥っている現状に鑑み、市民から選ばれた陪審員が起訴を決める米国のような大陪審制度を採用すべき時が来ている。
この様な検察の結論を見越して改竄の調査結果発表の引き延ばし作戦に出ていた麻生財務相は検察が無罪判定をしたのだから問題は終わったかの如く開き直っている。

ブログ「日本の民主主義…(9)」で触れたように日本の検察は最大・最強の権力保持者であると同時に、最大の既得権益集団でありその既得権益を守る為最強の体制維持勢力となっている。
この様な検察が現政権に不利となる様な起訴処分を行う筈が無いことは4月21日ブログ「日本の国難、安倍・麻生」で予想したが残念な事にこれが的中してしまった。
毎日・朝日・読売等の記者クラブメンバーを使って不起訴観測を小出しに流させて、世間の批判を和らげる地ならし戦法は検察の汚い常套手段、世間の批判などどこ吹く風で真っ当な説明すらしないのは今迄と何ら変わらない。

元ライブドア社長の堀江氏は自らの経験から、検察庁が事件をつくり、OBのヤメ検が弁護をするということは法曹界の仕事「マッチポンプ」であり、また、近年の経済事件の厳罰化が企業のコンプライアンス(法令順守)需要をもたらし、多くの企業が検察OBを多額の報酬で迎え入れるようになったと主張している。確かに検事総長経験者を筆頭に多くのヤメ検が大手企業の監査役等に重複就任しており彼等は極めて優雅な生活を送っている。
先日若い女性とゴルフに行く途中、車の運転を誤って歩行中の男性を死亡させた元東京地検特捜部長・名古屋高検検事長の石川達紘(たつひろ)弁護士(78)は(週刊現代)多数の上場会社の監査役を兼任していたことが判明したが、未だ逮捕されたとの報道さえ聞こえてこない。これは彼等の優雅な生活が偶々表面化した一例に過ぎない。相撲協会や日本野球機構にも元検察官が理事に就任しているが大した仕事もせず高級を食んでいる。検察官は先輩の退官後の優雅な生活を見ているので成績を上げるのに必死、文書改竄など罪悪感の乏しさは財務省と何ら変わるところが無い。
元民主党代表小沢氏が検察・メデイアにつぶされたのは司法を頂点とする官僚機構とメデイアの改革を政策の中心に据えていたからである。
「20人の識者が見た小沢事件の真実」という書物を読むと今日の腐敗を生みだした責任の一端は色々な分野で何食わぬ顔でポストを得、優雅な生活を満喫する元検事にあることに気付くべきである。

人間に上下はないが人間の品位・品性・品格には明らかに上下が存在するという見本である。

);公文書改竄に付いて…契約の趣旨や根幹部分に大きな変更が無く、虚偽の記載を付け足したわけでもないので虚偽公文書作成に当たらないというのが立件を見送った理由との報道がある。
しかし昭恵首相夫人の言動など重要な交渉経過の背景となる部分300個所をも削除した。政府に都合の悪い重要な部分を削除し実態を隠蔽し国民を欺いた行為が何の罪にも当たらないのだろうか。ポイントを削除することにより実体のニュアンスや意味合いが大きく変化しているのである。
8億円値引きの背任容疑について…値引きの背景に森友側からの損害賠償請求を避ける為であったという様な被告人を弁護するような理由を付し国に損害を与える目的が無かったとして立件を見送った。8億円もの巨額な値引きの根拠も薄弱、適正価格での売却をせず森友に利益供与を行い、国家に多大の損失を与えたのであるから公務員の任務に背いた背任罪であることは間違いない。


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