今週最大のイベントは、ホワイトデーだ。娘がクッキーを焼くと言うので、手伝う破目になる。
「やり方はこの本に出てるから、読めばできるよ」
「うん、わかった」
中3ともなれば楽なもので、材料の計量には手を貸したが、あとは勝手にやってくれる。ときどき、聞かれたことに答えるだけでいい。生地ができたら棒状にまとめ、冷蔵庫で冷やしたあと、厚さ3mmにカットする。一応、切り口がハート型になるよう工夫したようだ。
「何人にあげるの?」
「34人」
「そんなに!?」
ホワイトデーはバレンタインデーのお返しをする日だと思っていたが、最近はそうでもないらしく、もらわなかった子にもあげるという。天板2枚にクッキー生地をぎっしり並べ、オーブンで焼き始めた。甘~い、お菓子屋さんの香りが心地よい。
冷めたら、絵のついたビニール袋に入れ、ラッピングリボンで口をしばる。34個ともなると、大荷物で持ち運びに難儀する。
「何に入れて持っていくの?」
「スクバ」
スクバとは、スクールバッグのことだ。今の子は、何でも略したがって困る。
「お菓子を持って行っちゃいけないから、バレないようにしないと」
実は、娘は2年の校外学習のとき、買い食いしたところを告げ口され、お叱りを受けたことがある。罰として、毎朝7時半に登校して一週間、清掃や片付けなどの奉仕活動をさせられたので、今回は、見つからないようにと頭を働かせていた。
「スクバなら、チャックがしまるから中が見えないでしょ。こっちにクッキーを入れて、教科書とかは見えても問題ないから、紙袋で持っていけばいいんだよ」
何と悪どい……。母親似だろうか。
当日は、膨らんだスクバを横目に出勤した。
職場に着くと、私の机に小さな包みが置かれている。
「あら、これはどなたからですか」
「あ、僕です」
同じ部の玉木さんが、女性陣全員に配ったものだった。前もって相談していたのか、他の男性からもキャンディーやらチョコレートやらをいただいた。だが、男性同士で受け渡す習慣はないらしい。私を含め、女性3人はバレンタインデーに何もあげなかったことを後ろめたく感じたが、ありがたくちょうだいした。
とりわけ感激したのは、事務室の男性からいただいたマカロンだ。
パンダだ! 可愛いっ!!
リーリーとシンシンの両方が入っている。もったいなくて、とても食べられない。
あまりの愛らしさに、どこで買えるのかと聞いてみた。彼は、上野駅のエキュートで入手したという。今度、私も行かなくては……。
さて、このお返しはどうしたらいいのだろう。娘に聞くと、アバウトな答えが返ってきた。
「いつでもいいんだよ。あげるのだって、15日とか16日の子がいるもん。思い立ったときだね」
キーワードは「ゆるめ」なのかもしれない。
お返しに、ぜひあげたいと思うお菓子がある。
六花亭「サクサクカプチーノ 霜だたみ」
砂糖のかかったパイ生地の間に、クリーミーなカプチーノクリームが挟まっていて、それはそれは美味しいのだ。
いかんせん、東京で買うには、デパートの物産展しかない。
どこぞの店で買える日を、ゆる~くゆる~く待っていよう。
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「やり方はこの本に出てるから、読めばできるよ」
「うん、わかった」
中3ともなれば楽なもので、材料の計量には手を貸したが、あとは勝手にやってくれる。ときどき、聞かれたことに答えるだけでいい。生地ができたら棒状にまとめ、冷蔵庫で冷やしたあと、厚さ3mmにカットする。一応、切り口がハート型になるよう工夫したようだ。
「何人にあげるの?」
「34人」
「そんなに!?」
ホワイトデーはバレンタインデーのお返しをする日だと思っていたが、最近はそうでもないらしく、もらわなかった子にもあげるという。天板2枚にクッキー生地をぎっしり並べ、オーブンで焼き始めた。甘~い、お菓子屋さんの香りが心地よい。
冷めたら、絵のついたビニール袋に入れ、ラッピングリボンで口をしばる。34個ともなると、大荷物で持ち運びに難儀する。
「何に入れて持っていくの?」
「スクバ」
スクバとは、スクールバッグのことだ。今の子は、何でも略したがって困る。
「お菓子を持って行っちゃいけないから、バレないようにしないと」
実は、娘は2年の校外学習のとき、買い食いしたところを告げ口され、お叱りを受けたことがある。罰として、毎朝7時半に登校して一週間、清掃や片付けなどの奉仕活動をさせられたので、今回は、見つからないようにと頭を働かせていた。
「スクバなら、チャックがしまるから中が見えないでしょ。こっちにクッキーを入れて、教科書とかは見えても問題ないから、紙袋で持っていけばいいんだよ」
何と悪どい……。母親似だろうか。
当日は、膨らんだスクバを横目に出勤した。
職場に着くと、私の机に小さな包みが置かれている。
「あら、これはどなたからですか」
「あ、僕です」
同じ部の玉木さんが、女性陣全員に配ったものだった。前もって相談していたのか、他の男性からもキャンディーやらチョコレートやらをいただいた。だが、男性同士で受け渡す習慣はないらしい。私を含め、女性3人はバレンタインデーに何もあげなかったことを後ろめたく感じたが、ありがたくちょうだいした。
とりわけ感激したのは、事務室の男性からいただいたマカロンだ。
パンダだ! 可愛いっ!!
リーリーとシンシンの両方が入っている。もったいなくて、とても食べられない。
あまりの愛らしさに、どこで買えるのかと聞いてみた。彼は、上野駅のエキュートで入手したという。今度、私も行かなくては……。
さて、このお返しはどうしたらいいのだろう。娘に聞くと、アバウトな答えが返ってきた。
「いつでもいいんだよ。あげるのだって、15日とか16日の子がいるもん。思い立ったときだね」
キーワードは「ゆるめ」なのかもしれない。
お返しに、ぜひあげたいと思うお菓子がある。
六花亭「サクサクカプチーノ 霜だたみ」
砂糖のかかったパイ生地の間に、クリーミーなカプチーノクリームが挟まっていて、それはそれは美味しいのだ。
いかんせん、東京で買うには、デパートの物産展しかない。
どこぞの店で買える日を、ゆる~くゆる~く待っていよう。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)