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自然コレクション

秋田の田舎暮らし!
アウトドアー生活を紹介します。

毒草図鑑 ミヤマキケマン

2025年05月10日 04時30分00秒 | 薬草

ミヤマキケマン:森を彩る春の黄色い花

春の森を歩いていると、鮮やかな黄色の小さな花が群生しているのを見かけることがあります。それが「ミヤマキケマン」です。葉がシャクと似ていて、誤食すると大変です。

日本の野山でひっそりと咲くこの花には、どのような特徴があるのでしょうか?本記事では、ミヤマキケマンの魅力や生態、注意点について詳しく解説します。





ミヤマキケマンとは?

ミヤマキケマン(Corydalis pallida var. tenuis)はケシ科キケマン属の多年草で、日本の山地や林縁に自生しています。春から初夏にかけて、特徴的な黄色い花を咲かせることで知られています。

  • 学名:Corydalis pallida var. tenuis

  • 開花時期:4月~6月

  • 分布:北海道から九州の山地や林道沿い

  • 草丈:20~50cm

  • 花の特徴:細長い黄色の筒状の花を多数つける

ミヤマキケマンの葉はシダのように細かく裂けており、柔らかい質感を持っています。その姿から、野生の森の中でよく溶け込む植物です。

ミヤマキケマンの生態と役割

この植物は森の中で重要な役割を果たします。春の訪れとともに咲くミヤマキケマンは、昆虫たちにとって貴重な蜜源となります。特にハナバチ類やアブがその花に訪れ、受粉を助けています。

また、ミヤマキケマンは林床の植物群の一部として、生態系を豊かにする存在でもあります。他の植物と共に共存しながら、森の中で彩りを添えるのです。

毒性に注意!

ミヤマキケマンは美しい見た目とは裏腹に、全草に毒性を含む植物として知られています。特に「プロトピン」などのアルカロイドを含んでおり、誤食すると中毒症状を引き起こす可能性があります。

  • 症状:嘔吐、めまい、しびれ、呼吸困難

  • 注意点:誤って口に入れないようにし、小さな子供やペットが触れないようにする

昔は薬草として利用された歴史もありますが、素人が扱うのは危険なため、安易に口にすることは避けましょう。

ミヤマキケマンの楽しみ方

ミヤマキケマンは観察して楽しむのに最適な植物です。春の山歩きやハイキングで見かけた際は、ぜひ写真に収めてみてください。黄色の花と繊細な葉が、森の風景に溶け込む様子は美しく、自然の一部として愛でることができます。

まとめ

ミヤマキケマンは春の森に咲く美しい黄色い花で、昆虫たちを惹きつける魅力的な存在です。しかし毒性を持つため、扱いには注意が必要です。自然の中でこの花を見かけたら、その繊細な姿をそっと楽しみながら、春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。

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毒草図鑑 トリカブト

2025年05月09日 12時26分00秒 | 薬草

トリカブトの脅威:美しき毒草の真実

深い紫色の美しい花を咲かせるトリカブト。しかし、その魅力の裏には恐るべき毒性が潜んでいることをご存じでしょうか?本記事では、この危険な植物について詳しく解説し、どのようなリスクがあるのか、そしてどのように対処すべきかをお伝えします。





トリカブトとは?

トリカブト(Aconitum)はキンポウゲ科に属する多年草で、日本を含む世界各地の山間部に自生しています。美しい花を咲かせるため、園芸植物として栽培されることもありますが、実は「世界最強の毒草」とも言われるほどの猛毒を含んでいます。

トリカブトの毒性

トリカブトには「アコニチン」というアルカロイド系の毒素が含まれており、わずかな量でも致命的な影響を与える可能性があります。主な症状として以下が挙げられます。

  • 摂取による影響:嘔吐、下痢、麻痺、呼吸困難、心臓停止

  • 皮膚接触による影響:しびれ、炎症、重度の神経障害

特に、誤って摂取した場合は迅速な対応が求められます。歴史的には毒薬としても使用され、暗殺に利用されたこともあるほどの危険性を持っています。





誤食を防ぐために

日本では山菜と間違えて誤食する事故が時折報告されています。トリカブトの葉は似た形状の植物と間違われやすいため、以下の点に注意することが重要です。

  1. 確実に植物を見分ける:素人判断せず、専門家の知識を参考にする

  2. 採取した植物は慎重に確認:山菜採りでは必ず種類を確認し、怪しいものは口にしない

  3. 子供やペットに注意:庭や登山道で誤って接触しないようにする

万が一、トリカブトに触れてしまったら

もし摂取してしまった場合は、すぐに病院へ行き医師の診察を受けることが重要です。また、皮膚に触れた場合は直ちに洗い流し、異常が見られたら医療機関に相談しましょう。

まとめ

トリカブトはその美しさとは裏腹に非常に強い毒性を持ち、誤った扱いをすると生命に関わる危険があります。しかし、正しい知識を持ち慎重に対応することで、その脅威を避けることができます。

この美しき毒草の真実を知ることが、安全な自然との共存への第一歩となるでしょう。

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イカリソウ

2025年04月24日 03時57分00秒 | 薬草
イカリソウの効能と魅力〜自然の恵みを知る




春になるとひときわ目を引く美しい花を咲かせるイカリソウ。裏山でイカリソウが咲き始めました。その名前は、花の形状が錨(いかり)に似ていることから付けられました。この山野草は古来より薬草として利用されてきた歴史を持ち、現在では健康志向の人々の間でも注目されています。今回は、イカリソウの効能やその使い方について詳しくご紹介します。
イカリソウの概要
-学名: Epimedium
- 分布: 主にアジアを中心に分布し、日本国内では山林や草地に自生しています。
- 特徴: 錨に似た独特の花とハート型の葉を持ち、観賞用としても人気があります。

イカリソウの効能
イカリソウは、古来から東洋医学で重宝されてきました。その主な効能には以下のようなものがあります。

1. 滋養強壮作用
   イカリソウには、イカリインというフラボノイド成分が含まれています。この成分は体力増強やエネルギー回復に役立つとされています。

2. 血行促進
   血液循環を改善する効果が期待され、冷え性や筋肉のこりを緩和することができます。

3. ホルモンバランスの調整 
   イカリソウの成分は、ホルモンバランスを整えるサポートをするとされており、更年期症状やストレス緩和にも良い影響を与えます。

4. 骨の健康維持
   カルシウムの吸収を助け、骨密度の低下を防ぐ効果が注目されています。

5. 抗酸化作用
   老化の原因とされる活性酸素を抑える働きがあり、美容や健康の面でも期待されています。




イカリソウの使い方
1. お茶
   イカリソウを乾燥させて煎じることで、滋養強壮に良いハーブティーができます。独特の香りとほのかな苦味が特徴です。

2. サプリメント
   現在ではイカリソウのエキスを含むサプリメントが手軽に手に入るようになっています。忙しい現代人にもおすすめ。

3. 外用薬 
   筋肉のこりや関節痛を和らげるための外用薬や湿布に使われることもあります。

自然の力で心身を健康に
イカリソウはその効能から多くの健康効果が期待されています。ただし、過剰摂取は逆効果になる場合もあるため、適量を守り、使用する際には専門家に相談することをおすすめします。

身近な自然の恵みを取り入れて、日々の健康をサポートしてみてはいかがでしょうか?イカリソウの魅力をもっと知りたい場合や、具体的な使い方を探している方は、ぜひコメント欄でお知らせください!
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薬草図鑑 カキドオシ

2025年04月15日 03時59分00秒 | 薬草

【驚きの効能】昔ながらの万能薬?カキドオシの知られざる力

「カキドオシ」という植物をご存知でしょうか?

野山に自生する身近な植物ですが、古くから様々な効能を持つとされ、人々の健康を支えてきました。別名「連銭草(れんせんそう)」とも呼ばれ、その独特な葉の形が連なった銭に見えることに由来します。

この記事では、そんなカキドオシの知られざる効能に迫り、その活用方法まで詳しく解説します。





カキドオシとは?どんな植物?

カキドオシは、シソ科カキドオシ属の多年草です。日本各地のほか、朝鮮半島や中国にも分布し、日当たりの良い草地や道端などで見られます。

つる性の茎を長く伸ばし、丸みを帯びたハート型の葉を対生させます。春から初夏にかけて、淡い紫色の可愛らしい花を咲かせます。

生命力が強く、一度根付くと長く生育することから、「垣根を通しても伸びる」という意味で「カキドオシ」と名付けられたと言われています。

驚きの効能!カキドオシが持つ力

昔から民間薬として利用されてきたカキドオシには、現代科学でも注目される様々な効能が含まれています。

1. 血糖値の上昇抑制

カキドオシに含まれる成分には、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待されています。これは、糖尿病予防や血糖値コントロールに役立つ可能性があります。

2. 利尿作用・むくみ改善

カキドオシは利尿作用があり、体内の余分な水分や老廃物の排出を促します。これにより、むくみの改善デトックス効果が期待できます。

3. 胆汁分泌促進・消化促進

カキドオシには、胆汁の分泌を促進する働きがあると言われています。胆汁は脂肪の消化を助けるため、消化不良の改善胃もたれの緩和に繋がる可能性があります。

4. 抗炎症作用

カキドオシに含まれる成分には、炎症を抑える効果が期待されています。これにより、関節炎皮膚炎などの炎症性疾患の症状緩和に役立つ可能性があります。

5. 抗菌作用

カキドオシには、細菌の増殖を抑える効果があることも研究で示唆されています。これにより、感染症の予防に役立つ可能性があります。

その他の期待される効果

上記以外にも、カキドオシには以下のような効果が期待されています。

  • 血圧を下げる
  • 便秘解消
  • 肝機能の保護

カキドオシの活用方法

カキドオシは、乾燥させてお茶として利用したり、生の葉を煎じて湿布として利用したりすることができます。

カキドオシ茶の作り方

  1. カキドオシの葉や茎を採取し、よく水洗いします。
  2. 細かく刻み、天日で十分に乾燥させます。
  3. 乾燥したカキドオシを、急須や土瓶に入れ、熱湯を注ぎます。
  4. 数分蒸らして、お好みの濃さになったらお飲みください。

飲む際の注意点

  • 妊娠中の方や授乳中の方、また持病のある方は、事前に医師に相談してください。
  • 一度に大量に摂取することは避け、適量を守って飲用してください。

その他の活用方法

  • 生の葉を揉んで、虫刺されやかぶれに塗布する(民間療法)
  • 乾燥させた葉をお風呂に入れて、入浴剤として利用する

注意点と副作用

カキドオシは一般的に安全な植物とされていますが、以下のような点に注意が必要です。

  • キク科アレルギーのある方は、アレルギー反応を起こす可能性があります。
  • 大量に摂取すると、お腹がゆるくなるなどの消化器系の不調を引き起こす可能性があります。
  • 薬を服用中の方は、相互作用の可能性があるため、必ず医師や薬剤師に相談してください。

まとめ

身近な雑草として見過ごされがちなカキドオシですが、古くから人々の健康を支えてきた素晴らしい効能を持つ植物です。

血糖値の上昇抑制、利尿作用、消化促進、抗炎症作用、抗菌作用など、多岐にわたる効果が期待できるカキドオシを、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ただし、利用する際には注意点を守り、ご自身の体調に合わせて適量を摂取するようにしてください。

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食べられる野草図鑑 スイバ

2025年04月11日 03時57分00秒 | 薬草
スイバ(酸葉)について

スイバ(Rumex acetosa)は、タデ科ギシギシ属に属する多年草で、日本全国に自生しています。別名「スカンポ」とも呼ばれ、特徴的な酸味があることからその名が付けられました。道端や畑、荒れ地などで見かけることが多く、古くから薬草や食材として利用されてきました。





調理方法
スイバはその酸味を活かしてさまざまな料理に使うことができます。以下にいくつかの調理例を挙げます。

1. おひたし
   スイバを軽く茹でて水を切り、食べやすい大きさに切ります。かつお節をかけ、醤油を少量垂らしていただきます。

2. 味噌汁
   若葉を洗って味噌汁に加えると、酸味がアクセントとなり新しい風味を楽しめます。

3. ジャム
   スイバを細かく刻み、砂糖と一緒に煮詰めることで酸味の効いたジャムが完成します。パンやヨーグルトに合わせるのがおすすめです。

4. ドレッシング
   細かく刻んだスイバをオリーブオイルと塩で和えると、魚料理にぴったりのドレッシングが作れます。

効能
スイバは薬草としても知られ、以下のような効能が期待されています:

- 利尿作用
体内の余分な水分を排出するのを助けます。
- 整腸作用
腸内環境を整える効果があります。
- 解熱作用
発熱時に体を冷やす効果があるとされています。
- 殺菌作用
喉の殺菌やうがい薬としても利用可能です。
- やけどの改善
煎じた汁を湿布として使用することで、やけどの症状を和らげる効果が期待できます。

ただし、スイバにはシュウ酸が含まれており、過剰摂取すると腹痛や下痢を引き起こす可能性があります。調理の際には茹でて水にさらすことでシュウ酸を減らすことができます。

参考文献
- [ちそうメディア](https://chisou-media.jp/posts/7139)
- [BOTANICA](https://botanica-media.jp/2721)
- [BOTANICA - 薬用植物としての特徴](https://botanica-media.jp/978)

スイバは身近な場所で見つけられる野草でありながら、食材としても薬草としても魅力的な植物です。ぜひ食べてみてください。
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ユキノシタがありました

2025年04月09日 14時15分00秒 | 薬草
にかほ市の山根館跡に行って来ました。たくさんユキノシタが生えていました。今回はユキノシタについてまとめます。




ユキノシタ (Saxifraga stolonifera)
学名Saxifraga stolonifera*  
和名の由来
雪が積もってもその下で緑の葉を保つことから名付けられたとされています。
生息地
- 日本全国(北海道を除く)や中国に分布。
- 湿った場所を好み、渓谷の斜面、岩陰、雑木林、庭の陰などで見られます。
採取方法
- 春から初夏(5~7月頃)が最適な採取時期。
- 葉や茎を丁寧に摘み取ります。
- 採取後は水でよく洗い、汚れを落としてください。
食べ方
1. 天ぷら
柔らかい葉を使い、片面に薄く衣をつけて揚げる「白雪揚げ」がおすすめ。
2. おひたし
塩茹でして水にさらし、だし汁や醤油で味付け。
3. ハーブティー
葉を乾燥させてお茶として楽しむ。

薬草としての使い方
1. 外用薬
   - ユキノシタの葉をすり潰し、湿布として使用すると、やけどや皮膚の炎症を和らげる効果があります。
   - 中耳炎の場合、葉をすりおろし、そのエキスを耳に垂らす治療法が伝えられています。
   
2. 咳止め
   - ユキノシタを乾燥させたものを煎じて服用すると、咳やのどの痛みに効果があるとされています。

3. 解熱
   - 体を冷やす効果があるため、発熱時に煎じた液を飲むことで解熱が期待されます。

4. 美容目的
   - 抗炎症作用を持つことから、肌荒れやニキビに対する外用薬としても使用されます。
効能
- むくみ改善
カリウムが利尿作用を促進。
- 美肌・美白効果
アルブチンがメラニン生成を抑制。
- 抗炎症作用
火傷や中耳炎、皮膚の炎症を和らげる。
- 風邪症状の緩和
解熱や咳止め効果が期待される。
参考文献
- [Wikipedia](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%82%B7%E3%82%BF)
- [季節の耳より情報局](https://kisetsumimiyori.com/yukinoshita/)
- [たべるご](https://taberugo.net/
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薬草図鑑 アオキ

2025年03月28日 13時53分00秒 | 薬草
裏山の黒松林にやたらアオキが群生しています。アオキ(青木)は、オスメス別株の植物であり、雌雄異株(しゆういしゅ)と呼ばれる特徴を持っています。これは、アオキの雄株と雌株が別々の個体に分かれて存在することを意味します。圧倒的に雄株が多いような気がします。アオキは園芸種でもあるので、薬草と思っていないと思いますが、実は古来より薬効が認められて利用されてきたのです。ここではアオキの素晴らしさに触れてみます。





特徴
アオキは、雄株と雌株がそれぞれ異なる役割を果たします。雄株は花粉を供給し、雌株は実を実らせる役割を担っています。春に雄株は小さな黄色い花を咲かせ、雌株は花が咲くと小さな緑色の実を結びます。この実は、秋に成熟すると鮮やかな赤色に変わり、非常に美しいです。







薬用としての利用
アオキの薬用部分は、主に葉や根です。雄株と雌株で薬効に違いがあるわけではありませんが、実を結ぶ雌株は観賞用としても重宝され、薬用として使用するのは主に葉です。薬用効果としては、抗炎症作用や解熱作用、利尿作用などがあり、これらの効能は伝統的に広く信じられてきました。

使用方法
アオキの葉を乾燥させて煎じる方法が一般的です。煎じたお茶として飲むことが多いですが、外用では煎じた液を湿布として使うこともあります。雄株と雌株のどちらを使用しても、薬効に差はありませんが、注意すべきはアオキの実が有毒であることです。実は毒性があり、食べることは避けるべきです。

結論
アオキは雄株と雌株が異なる役割を果たし、オスメス別株であるという特徴があります。薬用として使用されることが多いのは主に葉ですが、実を誤って摂取しないように注意する必要があります。アオキは美しい植物であり、薬用にも利用できるため、正しい知識と注意を持って活用しましょう。
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薬草図鑑 オウレン

2025年03月26日 03時27分00秒 | 薬草
裏山の可憐なオウレンですが、実は薬草です。以下にオウレンの薬草としての効能などまとめてみました。




オーレン(黄連)

学名: Coptis japonica Makino  
和名: オウレン  
科目: キンポウゲ科オウレン属  
生薬名: 黄連(おうれん)

特徴
オウレン(黄連)は、日本特産の薬用植物で、山地の冷涼・湿潤な木陰に自生または薬用に栽培される常緑の多年草です。冬を越しても葉を落とさないため、年間を通して緑を保ち、風景に彩りを加えます。オウレンの根茎は、特徴的に黄色を帯び、強い苦味を持つことで知られています。この苦味が、オウレンの最大の特徴であり、薬効の源です。

春の初めに、10cmほどの細長い花茎を伸ばし、その先に小さな白い花を2〜3個、五弁花が咲きます。花は非常に繊細で、白く清楚な印象を与えますが、その美しさとは裏腹に、薬効を持つ強力な成分が根茎に蓄えられています。

オウレンの葉は、セリに似た三裂した形状をしており、鮮やかな緑色が特徴です。葉の表面には細かい毛があり、葉裏はやや白っぽいです。これらの葉は、根茎を保護し、成長を促す役割も果たします。

生息地
オウレンは、主に北海道から本州の山林の下に自生しています。冷涼で湿潤な気候を好み、日陰で生育するため、主に森の中の湿った土壌で見られます。また、薬用植物として栽培も行われており、農地や薬草園でも見かけることができます。

薬効
オウレンの主成分は、アルカロイドのベルベリンであり、この成分がオウレンの苦味を引き起こす要因です。ベルベリンは、強い抗菌作用、抗炎症作用、健胃作用、整腸作用があることで知られています。そのため、オウレンは古くから消化器系の不調や感染症に対する治療薬として重宝されてきました。

漢方では、オウレンは苦味健胃整腸薬として用いられ、上半身の炎症や精神不安、イライラ、心窩部のつかえ、下痢などに対して処方されることが多いです。また、民間療法では、整腸作用を期待して使用されるほか、煎じ液を用いて目の洗浄を行うこともあります。目の疲れや結膜炎などの軽い目の疾患に対する民間療法として、煎じた液で洗眼することが一般的です。

利用方法
オウレンの薬用部位は根茎であり、この根茎は乾燥させて使用します。乾燥させた根茎は粉末にすることもあり、漢方薬の原料として、さまざまな処方に配合されます。また、民間では、煎じて服用する方法や、煎じた液を患部に塗布する方法が一般的です。

注意点
オウレンは非常に苦味が強く、その効能が強力であるため、過剰摂取は避けるべきです。特に、高濃度での使用は胃腸に負担をかけることがあるため、適切な用量を守ることが重要です。妊娠中や授乳中の女性、乳幼児に対しては使用を避けるべきです。また、他の薬との相互作用にも注意が必要であり、オウレンを使用する前には、必ず医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

その他
「黄連」の名前は、根茎が節状に連なり、横断面が鮮やかな黄色であることに由来しています。この黄色い色は、オウレンが持つ特徴的な成分によるもので、薬効を示すサインとも言えるでしょう。オウレンは、古くから薬用植物として重用されており、「播磨国風土記」(714年)にもその名が記載されています。このように、オウレンは日本の伝統的な薬草として、長い歴史を誇ります。

オウレンは、その強力な薬効により現代でもなお利用されており、漢方薬や民間療法の中で重宝されています。
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タブの木

2025年03月23日 10時57分00秒 | 薬草
裏山にタブの木が結構あります。もともとタブノキというのは、古代では信仰の対象となった樹ともいわれ祖先はその樹霊を尊び大切にしてきました。それが霊(タマ)の木であり、それが  タモ、タブ、タブノキと変化したとも考えられているそうです。




万葉集の大伴家持の歌、「磯の上の都万麻を見れば根を延へて年深からし神さびにけり」の都万麻もタブノキだと言われています。これは意訳すると、(磯の上にそびえ立つタブノキは根を深く広げて年数が経ちなんと神々しいものだ)というものです。昨日のタブノキにも神々しさを感じました。

かつて今のように人間の都合だけで生活していなかった時代、自然の時の流れと自然の音と自然のめぐりと自然のひびきに生きていたころ、私たちは生き方のお手本として悠久の哲学者ともいえる巨樹に沢山のことを見習い教わり心を磨いていたのかもしれません。
裏山は中世より小さな城柵のあった可能性があります。おさ袋集落に佐々木源太左衛門という浪人が隠棲していた口伝もあり,鳥海弥三郎が由利の残党の掃討作戦を行なっていた時、天鷺の日向入道雲海の嫡男の長範丸ございます乳母と一緒におさ袋の佐々木源太左衛門に囲ってもらって後佐々木伝八と名乗っていたという口伝もあります。
月山神社がおさ袋にあるのも納得できます。
椿の他タブの木があるのも人為的です。

タブノキはクスノキ科の常緑高木で、樹高が30メートルにも大きな樹木です。暖地の樹木のタブノキは、本州、四国、九州、沖縄の主として沿岸部に生育しています。
タブノキの北限は青森県ですが、タブノキ林としての北限は、日本海側では由利本荘市親川地区とされています。
山形県や秋田県の沿岸が対馬海流の影響を受けて温暖な気候であることが、暖かい気候を好むタブノキが生育できる理由です。
中でも、にかほ市前川のタブノキ(秋田県指定天然記念物)は、樹高約20メートル、幹回り約5メートル、樹齢は推定600年の大木です。
タブの木のある所に神ありかも^_^
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ハコベが咲いています

2025年03月01日 06時46分00秒 | 薬草
ハコベ
春を発見!ハコベが出てきました。ヒメオドリコソウも咲いています。3日前の雪もすっかり消えました。同じ秋田県でも由利本荘の沿岸部は温暖です。30分も内陸に入ると雪に埋もれています。







このハコベは「はこべら」とも呼ばれ、春の七草の一つとして親しまれています。この植物はユーラシア原産で、農業と共に世界中に広がった史前帰化植物とされています。ハコベの名前は古い呼び名の「はこべら」や「はくべら」が変化したもので、語源には「蔓延芽叢(はびこりめむら)」、「歯覆(はこぼるる)」、「葉采群(はこめら)」などいくつかの説があるそうです。

ハコベは食用や薬用として使われ、柔らかい葉はニワトリや小鳥の餌にも適しています。地方によって「ハコビ」、「ヒズリ」、「ヘズリ」、「アサシラベ」、「ヒヨコグサ」など様々な名前で呼ばれ、英語でも「chickweed(=ヒヨコの草)」と呼ばれています。ハコベの花は白色で、先が割れた5枚の花弁を星のように咲かせる小さな花で、可憐な野の花という印象です。ハコベ属の名前「Stellaria」はラテン語で「星」を意味する「ステラ」に由来しています。




ハコベ属には世界中に約120種があり、日本ではコハコベ(S. media)、ミドリハコベ(S. neglecta)、ウシハコベ(S. aquatica)の3種がよく知られています。花が咲く3~6月に、地上に伸びた茎や葉を刈り取り、洗って天日干しにしたものが「繁縷(ハンロウ)」という生薬として使われます。これには産後の血液の浄化、乳の分泌を促進する効果、胃腸薬や湿疹などの皮膚の炎症の治療に利用されてきました。また、この粉末に塩を加えて「ハコベ塩」を作り、指で歯茎をマッサージすると歯茎からの出血や歯槽膿漏を予防できるとされてきました。江戸時代にはすでに使用されており、ハコベ塩は歯磨き粉の元祖とも言われています。中国では「繁縷」という名前で古くから薬用として使われていましたが、ハコベ塩は日本独特の民間療法です。
ハコベは非常に水気の多い草で、乾燥させるとカッスカスになってしまいます。繊維質ばかりが目立ち、淡褐色に変色し、使い勝手も悪い。そのため、ハコベは生のまま使うか、搾り汁を使うのが効率的だと思います。ただまだ食べるにはちょっと早いです。

 生のまま野菜のように使う場合は、生えているハコベの先端を指でつまみ、簡単にちぎれる部分だけ採集します。自然と切れる部分までが繊維が柔らかく、食べやすい食材となるためです。クセがなく苦みもほとんどない草なので、カイワレダイコンのように、そのままサラダに加えたり、味噌汁の実として浮かべたりして使えます。天ぷらにしたり、お好み焼きの具に加えたりするのもオツです。もう1週間もすれば食べられます。
ギシギシの芽も出てきました。







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