一瞬のこの暖気で、芽を出している。
ただ、この暖気だと後数日で花を咲かせてしまうので、本当にここ数日しか味わえない旬の山菜なのだ。
後、水沢山で、山わさびが花芽を付けて始めた。
山菜ソムリエとしては、大忙しの日々がやってきた。
山菜ソムリエの備忘録NO.2あさつき
河原はあさつきで溢れている
【山菜ソムリエササカツ】
秋田では、雪の下で芽吹いているあさつきのの芽をひろっこと言って、酢味噌和えにして食べます。ただの山野草ですが、あさつきは、今や農家さんが栽培している野菜になってしまっています。
でも、河原に行けば天然のあさつきがいくらでも採れますよ。
今回は、あさつき(浅葱)の名前の意味・由来や、採取方法、味わい、保存方法の他に、食べ方や活用料理レシピのおすすめも紹介していきます。
あさつき(浅葱)とは?
あさつきは山などに広く自生していた山菜の一種で、ネギとは種類が異なります。
辛味が強く、香りがよいのが特徴で、漢字では「浅葱」と表しますが、これはあさつきがネギよりも浅い緑色をしていることが由来のようです。
秋田や山形では伝統野菜として親しまれていて、2月末から4月にかけて収穫される新芽の部分が「ひろっこ」として販売しています。
あさつきは「アサツキ」という種で、エゾネギの変種です。
あさつき、万能ネギ、ワケギは、それぞれ葉の細さが違います。もっとも細いのがあさつきで直径2〜3mmほど、次に細いのが万能ネギで直径5mmほど、ワケギは直径7mmほどです。
あさつきは食用とするネギの中でもっとも細いことから「イトネギ」とも呼ぶ地域もあります。
また、根元にも違いがあって、あさつきとワケギは球根から栽培するため、根元がぷっくりと膨らんでいます。一方、万能ネギは種から栽培するので根元がまっすぐです。
あさつきの旬の時期
あさつきは、雪が消えるとどんどん大きくなります。
雪の中を掘り出すのは大変ですが、雪解けに芽が出てきたら掘り起こします。またすぐに大きくなるので、25cmほどに成長したら根元から切って収穫します。
その後2週間もすれば新たに成長するので5月頃まで何度も収穫できます。
6具頃になるとピンクの花を咲かせ、夏になると枯れてしまします。
9月末頃からまた芽吹きだして芽を出しますが、春のものより更に細いものが芽吹いてきます。
あさつきの効果・効能
カリウムで高血圧症予防!
あさつきには、ミネラルのカリウムが多く含まれています。カリウムはナトリウムの排出作用を持つことから、塩分の摂り過ぎ防止に役立つ栄養素です。
日本では高血圧症の原因は、塩分の過剰摂取と言われています。高血圧症は生活習慣病のリスク要因のため、カリウムの意識的な摂取はとても重要でしょう。
硫化アリルで血行促進!
あさつきは、ねぎと同じく強い香りを持っていますが、この元となる成分が硫化アリルです。硫化アリルは、血液の凝固を抑制し、血液をサラサラにする作用があります。
血行が促進されるので、血圧を下げる作用も期待できるでしょう。さらにビタミンB1の吸収を促進する作用から、疲労回復効果が見込めます。
硫化アリルは水溶性なので、水にさらしすぎると成分が流れ出てしまいます。下ごしらえをする際は、水に長く浸けすぎないよう気を付けましょう。
ビタミンKが骨の形成をサポート!
あさつきに含まれるビタミンKは脂溶性のビタミンで、骨の形成を助ける作用があります。ビタミンKが吸収されると、骨に存在するオステオカルシンと呼ばれるタンパク質が活性化されます。オステオカルシンは、骨の細胞が結合しやすいようサポートしたり、骨の硬さを強化したりする物質です。
さらに最近の研究で、オステオカルシンは記憶力や筋力アップに役立つ「若返り物質」としての効果があることもわかっています。若々しい身体づくりのためにも、ビタミンKは重要と言えるでしょう。
β‐カロテンの抗酸化作用!
あさつきには、抗酸化物質であるβ‐カロテンが多く含まれています。抗酸化物質は、体内で発生する活性酸素の働きを抑えたり、活性酸素そのものを除去したりする作用を持つ物質です。
適正な分泌量であれば有用な働きをする活性酸素も、過剰に分泌されると細胞を破壊してしまいます。がんや動脈硬化などの疾患、老化を防ぐためにも抗酸化物質を積極的に摂取しましょう。
あさつきのレシピ紹介
NO1 ひろっこの酢味噌和え
春の雪下から掘り起出される雪中あかつきは、日光が当たらないため白く、短小ネギのようでもあります。あさづきには、アリシンが含まれており体を内側から温めてくれる効果があります。
また、ビタミンB1の吸収率を高め、体内に長く残存させることから疲労回復にも効果的です。選ぶ際には、みずみずしく光沢のある物が良いです。
生で食すこともありますが、とても辛いので湯がいて酢味噌で食べるのが一般的です。
●材料
ひろっこ
酢味噌(すり鉢ですり合わせる)
白すりごま:大さじ2、酢:大さじ3、砂糖:大さじ2、味噌:大さじ2、からし:5g
●作り方
ひろっこを熱湯でさっと茹でる。(10秒程度、茹ですぎると食感が良くない。)ザルにあげ冷ます。
酢味噌と和えて食べる。
NO2 アサツキの塩昆布和え
さっと茹でたアサツキを塩昆布とオリーブオイルで和えます。さっぱりとサラダ感覚でいただける一品です。ごはんはもちろんトーストと合わせてもおいしいです。
●材料
あさつき
塩昆布
白ごま
●作り方
アサツキは水洗いをして汚れを落とす
長いものは半分に切る
沸騰したお湯で1分弱茹で水にさらし水気をよく絞る
ボウルに入れ塩昆布とオリーブオイルを加えよく和える
器に盛り付けおお好みで白ゴマをふる
NO3 油揚げとアサツキのこぶだしニンニク炒め
にんにくの風味で炒めたアサツキも格別のおいしさです!昆布だしで旨みもたっぷりです。旨みをたっぷり吸った油揚げとよくからんで、さっと作れる絶品おつまみの完成です。
●材料
油揚げ 1枚
アサツキ
ニンニク 1片
ごま油 大さじ1強
顆粒こんぶだし スティック1/2本強 (約2g強)
レモン 適量
七味唐辛子 適量
●作り方
あさつきは斜め切り、油あげは細く切り、ニンニクはスライスしフライパンにごま油を熱し、ニンニクを弱火で炒めて色づいてきたら取り出しておく。
同じフライパンに油揚げ、アサツキを入れて炒め、油が回ったら、顆粒こんぶだしを加えてよく混ぜ炒めて火を止める。
皿に盛り付け、上にニンニクを乗せて、七味トウガラシやレモンをかけて完成。