林望さんの本は今までも少しばかり読んでいるのですが、語っている内容は結構すっと腹に落ちるんですね。本書もそうでした。
「ベストセラーは読まない」「速読はしない」「同時並行的に何冊も読み進める」等々は、まったく同感です。
その他、たとえば、“本を読む意味”について触れているくだり。
「徒然草の第十三段」
ひとり、灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなうなぐさむわざなる
を紹介したのに続いて、
(p178より引用)この「なぐさむわざ」として書物を読む、これこそが読書のもっとも実り多いありかたであって、そこからどんな役に立てようかなどということは、一切不要のことだと、兼好法師は看破しているように思います。
と述べています。読書は「心」を慰めるもの、私もそう思います。
ただ、「本は借りて読む」というスタイルの私なので、林さんの「本は自分で買って読め」という勧めは実践できそうにありません。
できるだけ乱読・雑読でいきたいので、読んでみたいと思った本をすべて買っているとあまりにも“無駄打ち”が多くて、お金も保管場所もついていかないのが正直なところです。