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ゲーテの「わかる」ということ (ゲーテ格言集(高橋 健二))

2006-05-23 01:13:52 | 本と雑誌

 以前、このBlogでも「わかる」ということについて話題にしました。

 ゲーテの格言集にも、「わかる」「知る」「理解する」といった点についてのアフォリズムが結構見られます。そのうちのいくつかを紹介します。

(p63より引用) 感覚は欺かない。判断が欺くのだ。

(p130より引用) 人は少ししか知らぬ場合にのみ、知っているなどと言えるのです。多く知るにつれ、次第に疑いが生じて来るものです。

 特に後者の箴言は、まさに「わかる」と「わかったつもり」でのissueと全く同じです。「少ししか知らぬ場合」が「わかったつもり」の状態です。

(p170より引用) 経験したことは理解したと思いこんでいる人がたくさんいる。

(p176より引用) 人はみな、わかることだけ聞いている。

 このあたりの警句は、「わかる」という状態が「自分の認識の範囲内」にとどまっていることを戒めています。この状態は、「従来から自分がもっているステレオタイプのスキーマに(単純に)あてはめ」てわかったつもりになっているに過ぎないのです。

 さらに、単に知っているだけでは意味がないことを告げます。

(p179より引用) 博学はまだ判断ではない。

 最後に、今までの論旨とは無関係ですが、この格言集の中で最も納得感があった警句をご紹介しましょう。

(p146より引用) 革命以前にはすべてが努力であった。革命後にはすべてが要求に変わった。

コメント (2)
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