三島由紀夫氏としては珍しいエッセイ集です。
昭和33年(1958年)「週刊明星」に連載されたものとのことです。当時、三島氏は34歳。壮絶な最期を遂げるおよそ10年前の作品です。
私は三島氏の作品(小説)はほとんど読んでいないので、氏に対しては極々一般的なイメージしか有していません。小説の面では、端正な厳しい筆致の作家だろうと漠と思っている程度です。
したがって、このエッセイに映される三島氏の感性が、氏の小説に現れているものと、どの程度の対比・落差があるのかまた根源的な部分で一致があるのか、など計り知るだけのものは私にはありません。
ただ、私の好みから言えば、どうも「エッセイ」というものに慣れていないのであまり楽しむことはできませんでした。
私のエッセイの原点は、超ミーハーなのですが、学生時代読んだ五木寛之氏(たとえば、「風に吹かれて」とか)ですから・・・