さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

流転

2016-01-04 | 連作

   (写真は「花の庵」さなえさん より。

    さなえさんが生けられた 椿と桜。
    ずっと以前からおかりしており、こちらにも何度か載せていますが
    とてもお気に入りなものです)



     「流転」


    ふりだしに戻る覚悟はいつもある

    青かったその身を蝶は振りむかぬ  

    恋抱いて月もやせたり太ったり

    淡く濃く四季をいろどる女偏

    燃える日も秋ひたひたとせまりくる

    凪ぎのあと風の流れが変わりだす

    ゆっくりと赤い実になる花水木

    踏みしめた軌跡もやがて雪に消え

    めぐりくる春うたがわぬ冬木立

    捨てるたび豊かになってゆく器





    川柳マガジン2016年1月号に、
    「特別十句詠」 として、載せていただきました。

    多くのかたに読んでいただけることに感謝しています。

        
    



   
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