さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

観光船に乗って祝津へ

2014年09月20日 | 北海道シリーズ



小樽運河のすぐ裏に、観光船の出る港がありました。(昨夜寿司屋の大将が勧めて
いたのはこれかあ)

鰊(ニシン)御殿のある祝津という岬の街に行く船が出ているのですが、時刻表を
見ると10分後に出航!さっと切符を買って、乗ることにしたのでした。天気もいいし
なあ~。



小樽の海岸線を伝って、約3~40分だったか。ここからは東京までの距離の半分で
ロシアに行けてしまうのですぅ~。



長く厳しい冬の景色だと、全く様相が違うのでしょうねェ。



観光船に乗っている人は数多くいましたが、ほとんどは岬をぐるりと回って遊覧を
楽しむ客だったようです。祝津で船を降りたのは私と中年の夫婦だけでした。

しばらく歩くと食堂があり、店先で鰊を焼いています。捕れなくなったとはいえ、少しは
捕れるのかしら?



メニューはいろいろありましたが、当然ニシン定食にする。けっこうデカイ!
背中の身から食べ始めたのですが、腹にはでっかい卵、あの数の子がぎっしり!
最初からわかっていれば交互に食べたのに、背中の身を全部食べてしまってから
気づいたので、最後は巨大な卵ばかり食べるはめに…w

ちなみにメニューに「あわび時価」と書いてありました。おばちゃんに、「ちなみに
時価っておいくらなんでしょう…?」と聞くと、「3500円ですよ~♪」とのこと。「うへえ!」
という私のリアクションに、注文するか聞くこともなく、おばちゃんは去って行きました。

漫画だったら、頭の上に吹き出しで「こいつが注文するわきゃねーな」というセリフが
出ていたことでしょう^^;


           *            *            *

さて、「花子とアン」の感想、最後です。

主人公の花子が軍国主義には賛成できないという理由でラジオの子供ニュースを降りると言ったとき、局長は驚いて怒り出し、「日本がひとつにならなきゃいけないときに、あんたは所詮ごきげんようのオバサンだ!」と喚きました。

これを聞いて私は不謹慎にも声をあげて笑ってしまいました…^^;

だってねえ、喚いた局長はいかにもワカランチンの「オジサン」。このドラマのシナリオを描いているのは女性で、視聴者も圧倒的に女性が多いはず。つまり女の世界で描かれた典型的な「悪者おやじ」。日本の職場では圧倒的多数が男性の上司ですから(戦争を始めるのも、まず男だ)、「おバカなくせに上に立って威張ってる」という女性から見た不満たっぷりな構図そのもの。とどめが「オバサン!」ですからねー。

「オジサン」の私から見たら、「ひどいー」です^^;そりゃこんなオヤジ、いくらでもいますよ。でもさ、これを見て「そうそう、こんなやついる!」と怒ってる女性たち、いかにもな「ずうずうしい年増女」が描かれていたら、苦笑するしかないでしょう?

私が笑ったのはもうひとつ、「ひとつにならなきゃならないときに」という決めセリフもそうです。

だってそういうとき、必ずと言ってよいほどに「私の考えたやり方、もしくは私が賛同するやり方に」が頭についているんだもん(あちこちにいますよね、そういうひと^^;)。そんなセリフが出たときに、試しに「それじゃあ、こちらのやり方に統一するというのはどうでしょう」と提案してご覧^^「ひとつになることの妥当性」とか「ひとつになる場合であれば、どのやり方にするか」という当然あるべき議論に進むことはなく、まず感情的な反応しか戻ってこないと思われます。 (^益^;


小樽の運河へ 「花子とアン」の感想もw

2014年09月18日 | 北海道シリーズ



小樽の運河。有名な観光地になっているので、ここに来るとたくさんの観光客。



日本のみならず外国とも貿易をし、栄えていた頃の倉庫群も、いまやレストランや
土産物屋になっています。



こちらは違う日に撮影したもの。夜景がきれいなのですが、夜は行く機会が
ありませんでしたw カポーも多いだろうしね…(^益^;


            *           *           *

翌日に見た「花子とアン」では、ついに軍部が入ってきたラジオ放送局の仕事を、村岡花子さんが降りるという話でした。付け人を連れてきた軍隊の高官が、大変威張った態度で局に乗り込んでくる。局のアナウンサーは、腰を低くしながらも「言葉は淡々と、はっきりと発音したほうがよろしいかと…」と助言するのですが、左右にいた付け人に両脇をつかまれて外に出されてしまいます。そして「大日本帝国の…」と絶叫する声を外で聞かされ、そのアナウンサーは絶望感に陥るのでした。

なんだか先日の「あさイチ」の「受け」を受けたような内容?!

アナウンサーは自分の意見をほとんど言えません。権力による介入があった場合は、それに従わざるを得ないのです。辛い仕事ですよねえ。しかし日本では現在のところ、戦争のありさまを描くドラマの内容にまでは介入できません。NHKの会長やら理事やら経営委員会の連中は、苦々しく思ったりしているのかしら。ニュースやドキュメンタリーなどの番組の内容や言葉遣いには口を出せても、「フィクション」には修正を迫ることはできないでしょう。「文芸」は「フィクション」でも、しばしば政治的「直接行動」よりも力を発揮することがあるのです。

 


これもまたホテルでテレビを見ているとき、夜のニュースで古館伊知郎が俳優の渡辺謙をインタビューしていました。渡辺謙は以前に白血病に苦しみ、その経験をもとに「命の大切さを身に染みてわかった今、戦争や原発に強く反対したい」という主旨の内容を新聞に投稿していたのを思い出します。古館伊知郎もアナウンサーという立場から、自らの意見表明を出来ない歯痒さに触れ、渡辺謙が最近政治的発言を控えているのではないか、と質問しました。すると渡辺謙は、「政治的発言をするよりも、自分は役者としての立場からそういった表明をしていきたい」と語っていました。例えば「ゴジラ」に出演することによって、原発問題を社会に喚起するように。

「文句があるなら政治家に立候補すれば」、「デモに行かないの」、「選挙に行くだけじゃない」といった意見や批判を私も言われることがありますが、ひとつの答えがここにあると思っています。


連ドラとあさイチを見て小樽の街へ

2014年09月16日 | 北海道シリーズ

私は普段はテレビをあまり見ませんが、旅に出ているときはホテルの部屋でつけるときがあります。だいたいはNHKの朝のニュース、天気予報、そして連続ドラマと「あさイチ」の有働さんを見ます。

いまの連ドラは「花子とアン」。以前にこのブログでも村岡訳の「アン」の省略部分について書きました。ドラマだからしかたがないけれど、吉高さんの演じる花子さんのイメージは、一日中辞書を引きながら外国の作品を読み続けている文学少女の雰囲気がほとんどありませんなあ。(それだとあまりドラマにならないか?)

さて小樽のホテルで見ていると、ドラマは日本が軍国主義に突入し、太平洋戦争に向かうシリアスな状況でした。花子さんが担当しているラジオの子供ニュースも、帝国主義の勇ましくキナ臭い内容を強いられる状況に。そこで親友の蓮子さんは、そんな放送に加担する花子さんを批判し、2人は絶交することになってしまう。

いつも楽しみにしているのが、次の番組の「あさイチ」の冒頭にある「受け」だ。有働さんをはじめとするキャスターたちが、直前のドラマを見ていて好き勝手な感想を述べる内容で、これが大人気だとか。

今回は花子と蓮子が絶交する場面で終了したので、「受け」も沈んだ雰囲気で言葉少な。最後に解説委員が「我々メディアにたずさわる人間も、いろいろ考えなければ」と発言し、有働さんも深く頷いて番組が始まったのでした。

いやあ~、いやいや。こっちのわずかなコメントのほうが、実に見ごたえのある「ドラマ」でしたねー^^

NHKは英国のBBCなどと違って、日本政府の御用番組の色合いが強い。靖国やら原発問題について、昔から放送の仕方について政府による圧力が問題になっておりますが、近年は首相による介入が強まり、会長やら経営委員会のメンバーにはひどく偏向した人たちが就いています。視聴者としては放送の言葉遣いを聞いていて「おやおや」と思うことがありますが、実際に現場で話している人たちの苦しさが思いやられます。どれくらい具体的な圧力があるんだろう?

今回の「受け」では、具体的には語られないわずかな言葉のなかにも、思いは十分に伝わりましたよ^^



さてさて、ホテルに隣接した「小樽築港」から電車に乗って小樽の街へ。



昨晩酔っ払って通った小樽の駅に着きました。朝は爽やかw



のんびりと歩いていたら、突然街の真ん中に、このような線路の跡がありました。



公園になっています。ここは1985年に廃線になった、「手宮線」の跡地なのです。
石炭や海産物を運んだ貨物用線路だったそうで、昔の賑わいを思い出させて
少し寂しいかもしれませんが、とっても感じのいい散歩道になっています。



通商貿易でものすごく潤った過去のなごりを残す建物が並んでいます。いまは
多くが土産屋などに改装されているのです。



石造りで豪華なだけに、長い時を経ても残っているんですねェ~。



こんなガイジンいるな~とか思ったり。2階のところは窓?中は暗いのか?
髭みたいに口のところだけ剃ってもいいのに(^益^)


寿司屋の大将の恋バナを聞く

2014年09月14日 | 北海道シリーズ


お勧めの鯖を注文。脂がのっていてベリグー。

小樽レジェンドの社長は帰り、店はいきなり元の静けさに戻った。酒を次々に
注がれたので、こちら若干酩酊。

そういえば社長が「この大将は奥さんを失くしてねえ…」などと他人の個人情報を
遠慮なくさらけ出したので、今度はふたりきりなので大将の身の上話を聞くことに。

板前の仕事をしていると、自分の店を構えない限り料理人としてあちこち渡り歩く
ことが多いようです。しばらくは埼玉にいたこともあるとか。そして奥方は病に
冒され、若くして他界されたのでした。

んでね、この俺が入った店は、ナントその奥さんの名前をつけたんだって!
たしかにフツー寿司屋に女性の名前はつけねえ。スナックじゃないんだからw

「うしぇー!愛してらっしゃった‼‼」と驚くと、やたらに照れていらっしゃいました^^;

「店にそんな名前つけると、次の嫁さんもらえないぞ、とあちこちから言われたん
ですけれど、わたしゃーもうそんな気はないですから…」と天国の奥さんひと筋!

こいつぁーあてられタネ^^;


カナーリ飲んだ割には、お会計は若干少な目。だって何杯かは社長の払いになって
たのですから。というわけで、少し多めに払い、「思い出したらでいいのですけれど、
今度社長が来たときに、御馳走してやってほしいと置いてったのがあると言って
下さい」と頼んできたのでした。ジイちゃんも少し嬉しくなってくれるだろ?



店を出ると千鳥足。まだ喫茶店が開いていたので寝る前のコーヒーでも飲もうかと。

しかし誰もいない。客のみならず、店員もいねえ。ま、急がないので新聞を読む。
水くらい飲みたいのだがw

新聞を読み終わっても、まだ店員は出てこなかった。おかしいだろ、不用心では?

なんだか突然まわりの人が消えてしまうSF映画のような気分になる。結局そのまま
無人の喫茶店を出て帰ることにしたw



商店街にも人影がねーよwww どうしたんだ小樽?

駅が近いはずなのだが、道がわからねえ。しばらくしたら、ようやく犬を散歩させて
いるおばさまに遭遇した。こちらかなり酔っ払っていることを自覚しているので、
怖がらせないように丁寧に「駅はどちらでしょうか?」と尋ねる。紳士デショ^^



帰りは電車に乗った。ここまでの記憶はわりと鮮明。だからこうやって書けたの
です。しかしホテルへ着く頃から記憶がない。翌朝ベッドで目覚めたら、すぐに
寝てしまったのだろうと思ったけれど、ちゃんと歯をみがいてシャワーも浴びた
形跡が。初日の夜から記憶が飛ぶまで飲んでしまったぜw


小樽のご老人と寿司屋で語らう

2014年09月10日 | 北海道シリーズ


「タコが旨いですよ」と店の大将に勧められる。なかなか柔らかくていいタコだったぞ。

さて、あとから入ってきたご老人、両手にスキーのストックのような杖をかかえて
10cmの歩幅に一歩10秒はかかりそう。小樽レジェンドが後光のように射している。

そのうち俺にどこから来たのかだの、小樽は初めてか、などと話しかけてきた。

大将が何度も「社長」と呼ぶので、聞いてみると本当に社長。キャバレーの「社長」
ではなかった^^; お吸い物に浮かんでいる「麩」の会社だそうです。子供の頃、
駄菓子屋で食べた「フ」ですか、と聞くとそれも作っていたそうで。

3代続いた会社だというので、「もう次世代に任せたのですか」と聞くと、ニャンドだ
現役!「息子には継がせない。俺の代で終わりだよ」というので、「息子さんは何を
してらっしゃるのですか?」と聞くと、嫌な顔をして「ゲームやってるよ」ときたもんだ。

どうみても80はゆうに過ぎているので、息子は中年を過ぎているでしょうに…w

このズィ~サン、「むかし東京に行って、新宿で裏ビデオ買ってきたんだよ」と
自慢する。「そしたらみんなに見せてくれ、と頼まれたので、コピーしてやったんだよ。
それで80万儲けた!」ときたもんだ。いったい小樽の何人の人が、その同じビデオ
を見たのでしょうか。ちなみに頼んだ人は、女性も多かったそうです…w

そのうち社長にすっかり気に入られてしまった。そしてカウンターの一番向こうから
俺の隣に席を移ってきた。楽しそうに話ながら、何度も握手を求めてくる。そして
ヨタヨタしながら10分おきくらいにトイレへ行く。また握手されるのだが、トイレに
行ったあとも手はカサカサに乾いていたような… _| ̄|〇 濡れてても微妙だが…

この若いのにビール!(あちらから見れば若い)

いや、酒を飲んでらっしゃいますよ…。 と大将。

んじゃ酒を注いでやってくれ!

いやさっきおかわりして、まだ残ってらっしゃいますよ…。

いーから注いでやってェ!

・・・しかたなく一気に飲み干して、またナミナミと注いでもらう。気持ちですしw


ちなみに、この社長、最初に入ってきたときに「寿司折りを土産用に、一番安い
やつを頼むよ」と注文していました。「あまり裕福じゃないのかな」と思ったり
しましたが、3代続いた立派な会社を継ぐことなく、ゲームばかりをやっている
不肖の息子に持っていってやるためだから、一番安いやつだそうです。

なので最初に酒を奢ってもらうのも微妙にためらわれましたが、ホントの社長だと
わかってからは遠慮なく飲むことに。

ま~なんだか小樽の歴史、社長の若い頃の話だのをいろいろ聞きました。
あまり間をおかずに「酒を注いでやってくれ!」というので、そのたびにあるやつを
飲み干すもんだから、さすがに酔っ払ってくる。いったい何杯飲んだんだ?

そのうちタクシー会社の名刺を大将に渡し、「こいつを呼んでくれ!」と指示。
(特定のタクシー会社ではなく、特定のドライバー指定なのである)
「いま食事中だそうですが…」と言われると、「じゃあ他のやつでもいい!」と
困ったジイちゃんだねえ…。

タクシーは5分もせずにやってきて、俺と大将は無事社長を乗せてお見送りを
したのでした。ふたりして店に戻るとき、大将は「社長、これから違う店に行くん
ですよ^^」とつぶやく。次は夜の蝶かぁ~。(繁華街は広くないし、すぐ近くな
気がするw)

店に戻ると大将はすぐに俺のコップに酒を注ぐ。「次の一杯も、もらっちゃってる
ので…」ときたもんだ。一升瓶の半分はゆうに超えてるぞ…w