牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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江戸奉公人の心得帖~呉服商白木屋の日常(新潮新書242)

2008-02-14 09:49:06 | 酒の催事等ご案内(自社物件も違うのも)
何年か前の新書発刊ブームの中で新潮社が新潮選書を発刊した際、まずベストセラーになったのが、武士の金銭出納簿から幕末の暮らしを再現した「武士の家計簿」でした。

その新潮社から?匹目のどじょうです。

油井宏子(2007):江戸奉公人の心得帖~呉服商白木屋の日常(新潮新書242)、新潮社、206p.

江戸時代の大呉服商「白木屋」の日本橋店(にほんばしだな)に伝わってきた文書-就業の心得等-から、商売の様子や奉公人の生活を描いたものです。

職場と住所がはっきりしている客は上得意になる条件とか客の筆跡を覚えるようになど、現代でも通ずるものがそこかしこに。

副題が「呉服商」白木屋の、と呉服商が前に付いているのは、最近の人だと居酒屋の白木屋を思い浮かべるからでしょうか。


さて、その中で、お酒に関するものの抜書き。

30歳を超えないと飲酒は禁止。
厳しい!ですが、別の文書には若い衆の酒肴代やらなんやらの記載があるようで、本当に禁酒ではなかったようです。

お酒は「丸屋」という隠語で呼ばれていた。
「お客様へ丸屋をお出しする時に、奉公人たちに不行儀があってはいけない」などと使われていたようです。

酒席で上役は年若い奉公人たちへ軽々しい冗談を言ったりしてはいけない。
はい、気をつけます。

お客様には、自分は下戸だと言って飲まないほうがよい
それができれば苦労しませんが、、

山王祭の時には店を閉じ、顧客を招いて午前十時頃から酒肴を出す。長時間飲んでいる間にお客様も店の者たちも「大なまよひ(大生酔い)」になる
いや、豪勢です。

原典の古文書をあたれば、お酒の銘柄とかも出てくるのでしょうか。
実際に見てみたいものです。

ところで、白木屋といえば白木屋名水
日本橋東急にはそれらしき(あるいはそれを模した)水がちょろちょろ流れているのがありましたが、再開発でどうなってしまったのでしょうか。

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牛込・神楽坂 酒類卸 升本総本店
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