牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

三世紀に亘り問屋を営む升本総本店の徒然を毎日更新!!商品情報からビアガーデン・試飲等イベント情報、酒文化経済・書評等々!

日本酒の味わいの表現

2007-10-05 09:42:19 | 酒の情報(酒エトセトラ)
我々の役割の一つは、小売業、消費者の方々にそれぞれの商品の特徴を伝えること、そして、良いものを良いと知って頂くこと。

試飲販売もその一つのツール。
「百聞は一見にしかず」という意味でとても有用。
ただ、百聞の効果も馬鹿にしたものではない、ということで、日本酒の味わいの表現を考えはじめました。

まずは、「うまい酒をうまいと知ってもらうために」です。
その第一歩として、とある本の「お勧め銘柄」の味わいの表現を抜書き致しました。

本の名前は特に記しませんが、個人的には共感するところの多い本です。
ちなみに、私もベストに挙げたいと思っている白鷹超特選(純米吟醸)は、次のように評されています。
「熟成した旨みを感じる骨太の酒で、燗をしてやわらかな酸が食べ物とよく調和する」
確かにそうですね。以下はその他のお勧め銘柄の抜書きです。


・骨格のしっかりした造りで、酸があまり出ていない分だけ、ややキレが不足しているが、やさしい旨みがある。

・旨みに溢れている。かといって、嫌な味は一切せず、口に含んで喉を通るときに妨げるものは一切ない。しっかりした骨格で、燗をすると酸と旨みのバランスが絶妙になる。

・旨みのあるやわらかさの中に、しっかりとした酸を感じられ、小魚などによく合う。○○(銘柄)はどの酒を飲んでも、独特のコクがあり、それが嫌味になる一歩手前で止まっている。燗をつけるとそのコクが旨みに変わる。

・インパクトは少ないが、落ち着いた味わいの中にほのかな甘みが感じられる綺麗な酒。酸がもう少し出ていると、さらにバランスがよくなるはず。

・芳醇であるが雑味が少ない綺麗な味わいがまず感じられる。喉を通ると、高い酸味による切れあがりで、口のなかに爽やかさが残る。

・酸が少ないのでキレという点では物足りず、また後味が残るので垢抜けしないが、燗をすればしっかりとした味わいが旨みに変わり、酔い心地は快適だ。

・酸がそれほどは出ていないので、インパクトは弱いが、落ち着きがある。燗上がりして飲み飽きしな酒だ。


以上、ただの抜書きですが、これを見ると、評者の好みや、その表現スタイルがなんとなく見えてきます。そしてこれを言語工学的に「第三者がどのように感じるか」、あるいは「日本酒度や酸度等の定量的パラメータと比べるとどうか」等の分析を行うことで、いろいろなものが見えてきそうです。

こんなこと、誰かやっていないかなぁ。


升本総本店
http://e-masumoto.com/default.aspx
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 純米酒ファンド | トップ | 今日から世間的には三連休。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

酒の情報(酒エトセトラ)」カテゴリの最新記事