牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

三世紀に亘り問屋を営む升本総本店の徒然を毎日更新!!商品情報からビアガーデン・試飲等イベント情報、酒文化経済・書評等々!

働き方改革は生産性革命。お酒の卸業としては何をすればよいのでしょうか?

2018-04-11 12:09:43 | 附属酒類経済研究所
                           
                           【公式HPはこちら↑】



昨日、日本の産業、特に卸売・小売業の生産性が諸外国に比べて著しく低い、というのをご紹介しました。

その際、末尾に

ちょっと考えてみましょう。
と、いうことで、明日に続く。


と書いた手前、今日はちょっと考えてみましょう。

議論になっている生産性は、時間当たりの労働生産性。
一言で言うと、付加価値を総労働時間で割ったもの。

で、付加価値というと、色々な整理がありますが、ラフな方法として、「売上高-外部購入価値」
酒問屋の場合、お酒の売り上げから仕入れ分や運送費等を差し引いたものが相当します。

さらにこれをラフにしたものとして、売上総利益を付加価値とみなす考え方もあります。



それでは実際の数字を見てみましょうか。
ウチなんかの数字を出しても参考にならないでしょうから、上場されていて、ネットでも数字が公開されているA社さんでみてみましょう。

2017年9月期の売り上げは2773億3200万、売上総利益は164億4400万です。





売上総利益を付加価値とみなすと、時間当たりの労働生産性は

164億円
-----------
総労働時間


となります。


これを欧米並みの3倍にするには、どうしたらよいのでしょうか?
(というか、3倍の欧米って、どんな感じなんでしょう)

単純に考えれば、売り上げや利益はそのままで総労働時間を3分の1にすれば良いのですが、労働時間を3分の1にして売り上げがそのままって、考えにくい。
まあ、ウチの場合、一昨々日触れたように働き方改革で5日休みを増やしますが、それで減る労働時間は2%くらい。焼け石に水、です。
(1÷0.98=1.02倍くらいが関の山)

また、配送に関し、光速で運ばない限りは3倍のスピードにはなりません。
あるいは、それぞれの得意先に行く量がそれぞれ3倍になれば、配送効率は3倍になりますが、そんな都合の良い話はなかなかない。
頑張って売り上げを3割増やしても、得意先が増えればコストが増えるので、トータルでは1.2倍くらいの効率化、でしょうか。

労働時間を減らして1.02倍、売り上げを増やして1.2倍、掛け算しても1.224倍。

とても3倍になりません。

では、どうしたら良いのか?

ここで考えたいのが、「利益率」です。
例示したA社さんの場合、164億÷2773億=5.9%

この利益率が、例えばキリの良い10%になったとしましょう。

売上総利益は、2773億×10%=277億円

前と比べて、277億÷164=1.69倍、です。

これに労働時間とかの努力を組み合わる(掛ける)と、1.69×1.22=2.06倍 いい感じの数字になってきました。

そう、利の薄い卸業にとって、利益率って生産性にテキメンに効いてくるんですよ。

逆に言うと、価格競争に陥いると生産性はどんどん落ちていく。

働き方改革は生産性革命で、結局は安売りの見直し⇒適正価格での販売、ということです。

難しいけど、、、、これをやらねば未来はない。


で、明日は、何をしようかなっと。




★★お酒に関する諸事万端のご相談を承っております(商品企画/情報提供/寄稿等)★★

★★★★酒・ブログランキングにエントリーしています★★★★
応援何卒よろしくお願い致します

応援のクリックを↑↑↑↑↑

【アルバイト・契約社員募集中!】
(1)飲食部門(フロアスタッフ兼新規開店企画)
(2)酒類営業部門(倉庫管理兼営業企画)
(3)酒類営業部門(通販管理)
日時・時間はご相談。正社員登用もあり。男女問いません。詳細は当社HPまで。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 不都合な真実?日本の卸・小... | トップ | 来たれ!酒類業界!@A社さん... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

附属酒類経済研究所」カテゴリの最新記事