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雲をつかむ話。旭酒造と富士通のクラウド山田錦。

2014-08-06 12:18:09 | 附属酒類経済研究所
ニュースでも見たのですが、正式なプレスリリースが出ていました。

旭酒造と富士通 食・農クラウド「Akisai」を活用した
酒造好適米の栽培技術の見える化を開始

日本酒「獺祭」の原料となる「山田錦」の安定的な調達を目指して


旭酒造株式会社(所在地:山口県岩国市、代表取締役社長:桜井博志、以下、旭酒造)と富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本正已、以下、富士通)は、旭酒造が製造・販売する日本酒「獺祭(だっさい)」の原料となる酒造好適米「山田錦」の生産量増加と安定的な調達に向けた新たな取り組みを開始しました。

旭酒造と富士通は、「山田錦」の栽培における作業実績と生産コストの見える化を目的に、2014年4月より、山口県内の「山田錦」を生産する農家に富士通の食・農クラウド「Akisai」(アキサイ、日本語通称:秋彩)」(以下、「Akisai」)の農業生産管理SaaSおよびマルチセンシングネットワークを導入し、栽培作業実績情報の収集・蓄積を行ってきました。

今後、旭酒造は蓄積された栽培情報を基に、農業関係者の協力も得て、「山田錦」の安定栽培技術の確立を目指すとともに、新たに「山田錦」の生産を始める生産者に栽培ノウハウを提供し、「山田錦」の生産量増加に向けた取り組みを強化していきます。
富士通は、「Akisai」を通じて、農業と食分野の市場に改革をもたらす新しい企業経営スタイルへの変革を支援するとともに、いつでも、安心・安全で、おいしい食事ができる豊かな食の未来をICTで貢献してまいります。


正直、「やってます!」という話題作りのためのプレス発表的な性格が色濃いとは思いますが(もちろん、やっていること自体立派!ですけど)、実際、ニュースとして各所で報道もされているなど、話題になっているようです。

そんな中、プレスには出ていませんが、説明の中で数字が出てきたようですね。
「単位」も含め、混乱している人もいたようなので、再整理、です。
以下は、ASCIIの記事から数字を拾って、適当に整理したもの。


・近年では、出荷量も「毎年2ケタ以上の伸びとなっている」
・具体的には、2009年には3109石だった出荷量が、昨年2013年には1万1307石にまで増えた。
⇒3,109石=560KL、11,307石=2,035KLですね


・今年の生産量は昨年と同程度の11,300石で、これはコメが4万俵(=240万kg=2,400t)しか?集められなかったから

⇒・ここでコメとお酒の関係が出てきますね。11,300石÷40,000俵=0.28石/俵=28本/俵ということで、1俵あたり1升瓶28本、メートル法に直すと、1.8L×28/60kg=0.84L/kg=840ml/kg、となります。


ちなみに、黄桜さんのホームページによれば、玄米1俵からできるお酒は、本醸造(精米歩合65%)で65本、吟醸純米(精米歩合60%)で45本とされています。精米歩合とは直結しないものの、獺祭の場合はほとんどが純米大吟醸以上ですので、28本と言うのもあり得る数字。

なので、
さらに、同社は製造能力を高めるために新しい本倉を建設中である。来年5月に稼働すると、現在の3倍にあたる約5万石の製造能力が得られるが、そのためにはおよそ20万俵の山田錦が必要となるという。


いや、大変ですね。

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