
4月があっと言う間に過ぎ、気がつくと5月が始まっています。

思えばヨーヨー・マのコンサートにでかけ、かなり日が経っているのに、
感動がまだ心から消えません。

今回は特に日本語でのご挨拶があり驚かされました。

この人から受けた昨年の感動と共に、今年の新たな活躍にも限りない可能性と
才能を感じます。

例えば、今回のシルクロードアンサンブルでは、チェロを完璧に弾きこなす
だけでなく、弾いたり叩いたりはもちろん、中国の弦楽器を思わせる弾き方にも
挑戦していました。

共演の人たちもまた、若いながら彼に認められた一流の演奏家達なのでしょう。
自分の力を惜しみなく注いでいることが伝わってくる演奏に感動しました。

彼は常に若い演奏家達を育てながら、かつ自分も刺激を受けているようで、
楽器と演奏を通して偏見なく国を越えた人たちと交流を持っています。

今回は中国、イラン、レバノンの音楽を組曲に取り入れての演奏でした。
どちらかといえば、演奏中の彼はとても気難しい表情をするのですが、
一度演奏が終ると誰でもが引き込まれてしまいそうな、人懐こい笑顔になります。

そして自分だけでなく、共演者とつねに一体であり続ける謙虚な姿勢。
それもまた、老若男女を問わず彼に人を惹きつけさせる魅力なのだろう、と
思いました。

「天才(才能)とは1%のひらめきと99%の汗である」という言葉は、
神は努力する者にのみ、1%のひらめきを与えるという意味ではないか、
と私はふと思ったのです。

ヨー・ヨー・マは、これからも常に進化し続ける人なのでしょう。
