
では内向きになるとどうなるか、第二次世界大戦の前に戻ります。まずアメリカが不景気になりました。そのためヨーロッパの景気も悪くなりました。特にドイツは第一次世界大戦での敗戦で巨額の賠償金を払わされていました。日々の生活に困っていました。明治以降富国強兵で進んできた日本の軍部覇権主義に世界から待ったがかかりました。困った日本はドイツと右翼独裁のイタリアと同盟を結びます。この3国に共通しているのはお金がなかったことです。ドイツはヒトラーという民族主義者が圧倒的に支持を集めます。いまの言葉で“ドイツファースト“です。「ドイツを豊かにしよう、民族の誇りを取り戻そう」とぶちまければ国民は共感、熱狂しました。そして世界戦争が始まりました。4年間の戦争で死者5000万人とも言われる未曾有の戦争でした。日本も兵士230万人、民間人80万人と言われていますがこれ以上でしょう、もう数え切れません。こんなバカなことはもうやめようと、資源を共有したり貿易を自由化したりとグローバル化してきたはずなのに、75年経って再び自分の国ファーストに向かっています。
自分の国ファーストは摩擦を生みます。弱い国はより弱く、強い国はより強くなってしまうからです。弱肉強食です。そうすると資源やお金のない国は軍事力を高めます。武器の力で守ろうとします。昔の日本のように、今の北朝鮮や中国、ロシアのように。
ヨーロッパではイギリスがEU離脱を決めました。エマニュエル・トッドさんによればEU崩壊へ向かっています。ドイツとフランスだけでは日本の九州ほどの小さな国々をまとめることはできないからです。ヨーロッパの貧富の差はますます激しくなります。世界中あっちもこっちも不満だらけになります。すると保護主義や愛国主義そして民族主義が台頭します。第二次世界大戦前に戻るのです。
人類はアホですね。宇宙までロケットで行けるようにしたのに、インターネットで地球のあらゆる情報が見られるようにしたのに、それらの進歩が戦争に使われるだけになってしまうとは。
シリアの惨状は見ていられません。アサドさんを残したってシリアがアサド政権でまとまるはずがないのに。世界中が他人のことなどかまっていられなくなりました。これが内向きになるとこうなるという現実です。現実が目の前にあるというのに、まだアメリカファーストだなんて、お前の国がこうしたんだろうと言いたい風景だっす。
政治家はぐちゃぐちゃにするのは得意ですが、あと片付けができません。そんな幼児のような政治家のパフォーマンスに振り回されるのはやめましょう。放送局がチェック機能をなくした日本は国民が政治をチェックするしかありません。政治家が何をしたくてこう言っているのかやっているのかよく考えましょう。
それでは皆さん、良いお年を
2016/12/28