ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

貧乏人とお金持ち

2009-03-28 00:58:12 | 報道/ニュース
北海道の先住民アイヌの人たちの「神謡」にこんなものがあります。・・・昔貧乏人で今お金持ちの家の子どもが昔お金持ちで今貧乏人の家の子どもをいじめています。それを見たふくろうの神様が貧乏人の家に行ってみると、その家の主(あるじ)は品を備え礼節もわきまえ、ふくろうの神様を粗末な家ながら出来る限りの「もてなし」をしました。貧乏人の品位を知ったふくろうの神様は、一夜にして粗末な家を大きくし、金銀の宝物や美しい着物で飾り富豪の家よりもっと立派にしました。そして貧乏人の子どもをばかにしたりいじめたりした昔貧乏人で今お金持ちを呼び寄せました。今のお金持ちは腰を抜かしてびっくりしましたが、貧乏人だった家の主は決して威張ることなくお酒を振舞って仲良くしました。それからずっとアイヌの村は平穏になり、いじめられていた子どもはもう成人となり妻や子もいて今は父や母に孝行をしています。と・・・
いかがですか、金持ちや貧乏人という姿はただの今見える姿であって、昔はどうだったのかこれからどうなるのかわかりません。今貧乏でも品位を持てばお金持ちにもなり、今お金持ちでも貧乏人をバカにしたりいじめたりしていると今の貧乏人にいつかひざまずく、人間の尊厳は目で見える姿ではなくその人の心の中にある。これが数百年前から伝承される「アイヌの神謡」の1話です。

アメリカの金融危機から発した未曾有の経済危機は、私たちを苦境に直面させました。突然の派遣切りで収入も住む家もない人がいます。注文がなくなり社員の給料が払えない中小企業があります。ふくろうの神様は夜逃げや自己破産して借金を逃れようとする貧乏人を救うことは決してしないでしょう。安易に生活保護に頼る人も救わないでしょう。しかしまじめに働きお金がなくても尊厳を持ち続ける貧乏人にはきっといつか大きな施しを与えてくれることでしょう。金融危機はまもなく終わりのサインが出始めました。経済の低迷はまだしばらく続きますが、この危機から脱するには尊厳を持ちまじめに働くことしか方法はありません。そしていつか今貧乏な人が今お金持ちの人をひざまずかせてばかにしたことを後悔させてやろうではありませんか。今貧乏だと思っている人は決して負けてはいけません。

卒業式/ゆとり教育

2009-03-20 20:38:13 | 報道/ニュース
今日、事務所にいる大学4年生の女の子が卒業式を迎えました。袴姿で胸に花の飾りを付け髪もきれいにおしゃれして卒業しました。「初めて大学の校歌を歌った。校歌があるなんて知らなかった。先生と初めてハイタッチした。すごく嬉しかった。ピースです・・」楽しそうに話していました。彼女はおおらかでしっかりしていて、人のことも考えられ、自分のやりたい仕事も目標もきちんと決められるとてもいい子です。

ゆとり教育

先日、新聞に「ゆとり教育世代がいよいよ社会へ、学力低下が心配」などの記事がありましたが、彼女を見ている限りそんな社会の心配は無用のようです。ところが現実には緩やかに浸透したこの「ゆとり教育」という大義がいま大きく揺らいでいます。
そもそもなんで「ゆとり」が教育現場に必要になったのでしょうか、調べてみたら今から30年以上も前の1976年、当時の教育課程審議会というところが、不登校や授業が荒れる原因は学習内容が過密なためとし、その後1987年にゆったりと授業を受けられるように教材を削減する答申を当時の文部省に出したのが始まりのようです。その後「ゆとり」という観念だけが広がり「ゆとりが必要」という大合唱のもと1992年、問題の「ゆとり教育」は実施されました。教材は3割削減、円周率は3などが批判されましたが、2002年には学校は完全週5日制となり授業日数の減少と共に授業時間も大幅に減少していきました。ところが結果当初言われた不登校や学校の荒廃が是正されたかというと、全くの逆で。むしろ校内暴力は激化、いじめ、さらなる不登校、あげくは学級崩壊とモンスターペアレンツなど公立学校の荒廃はこの「ゆとり教育」を進めた年度から急激に増加していくのです。
では一体何を誤ったのでしょう。答えはずばり子どもの立場で考えていなかったことです。子どもは生まれた瞬間からまわりの環境に影響されて成長します。まわりの環境とは「親」であり「家庭」であり「学校」であり「社会」です。それぞれの環境が子どもを見守り指導し教育することにより子どもは生きていくために必要なモラルや能力を身に付けていくのです。ただ時間だけ与えられて指導も教育も何もされない子どもはどうやってその時間を過ごせばいいのでしょう。「ゆとり」を与えていい子が育つというのは空想だったのです。公立学校が「ゆとり教育」と声高に叫んでいる傍らで、幼稚園から私立のお受験がはじまり東大めざして塾へ行き、寝る時間も惜しんでつめ込み勉強している子どもや、させている親がいっぱいいる状況でのんきに「ゆとりでいい子に」などと言っている場合ではなかったのです。時間を与えられて放ったらかしにされた子どもこそ最大の被害者かもしれません。週休2日制などはもともと教師の労働時間の短縮目的であり、子どもがちゃんと分かるまでゆっくり指導するにはより多くの時間が必要で、ゆったり授業を受けさせたいならむしろ授業時間は増えてしまうのです。よく国会で次の世代に国の借金(国債)は残せないなどと言いますが、次の世代がちゃんとしなかったらたとえ減らしてもまた新たな借金を作るでしょう。本当に次の世代の事を考えるなら子どもたちの教育こそ第一に考えるべきではないでしょうか。
失敗した「ゆとり教育」のように教育は大人の立場から身勝手に考えていては出来ません。子どもの目線で大人が考える、これは人の立場で考えるということなのです。それが出来ない大人や自分の利益しか考えない大人こそが問題なのです。
最初に紹介した大学生は、きっとまわりにすばらしい「大人」がいるんだと思いました。

ソマリアの海賊(?)退治

2009-03-15 19:10:37 | 報道/ニュース
ソマリアの海賊退治に自衛隊の護衛艦「さざなみ」と「さみだれ」が、14日広島の呉基地から出撃しました。400名の隊員と海上保安官8名が乗り込んでいます。もう後戻りは出来ません。2週間後にソマリア沖に到着し4月上旬から海賊との戦いが始まります。平和団体が「戦争につながる」と抗議行動をしていましたが大きなニュースにはなりませんでした。日本の軍艦がいつまで戦うのか分かりませんが、インド洋でアフガニスタンのテロ掃討作戦を展開する補給艦からも燃料補給を受けるのだそうです。イラクから撤退してもう自衛隊はいないのかと思ったらまだいたんですね。現在37カ国が海賊退治に軍艦を派遣しているそうですから、ソマリア沖のアデン湾には世界の軍艦がうようよいることになります。
ある大学4年生に「ソマリアってどこ?」と聞いたら、彼女はインドを指しました。「海賊っていると思う?」と聞いたら「映画ですか。」と答えました。う~ん、参りました。
街にひったくりや強盗がいるように、世界中の海には海賊がいます。小さなモーターボートで武装した5~6名の少年たちがタンカーや商船に乗り込んできて金品を奪います。また人質をとって身代金を要求します。既にアデン湾だけで被害は100億円を越えようとしています。ひとつのタンカーで10名ぐらいの人質を取り1億円の身代金を奪われたケースもあります。これはもう海賊ビジネスなのです。以前インドネシアの海峡でも海賊が多発しインドネシア政府が沿岸警備隊を充実させ少なくしました。ところが今回のソマリアで厄介なのは、もう18年以上も国を治める政府がないいわゆる無政府状態なのです。独立以来最悪の内戦状態で、国会ビルも銃撃で穴だらけ、建物らしいものは全て破壊されています。ソマリアは日本の1.8倍の国土に840万人ほどの人口しかなく自然も海の恵みも鉱物資源も豊富なのに、銃を持って殺し合いをやっている有様ではまともな仕事も収入もあるはずがありません。そこで民兵を使って海賊をさせ手っ取り早く収入を得ようとする悪人部族長が現れたのです。海賊の元締めなどは豪邸に住んで優雅な暮らしをしているそうですよ。捕まった海賊の少年は「海賊をするしか仕事がなかった。」とおびえて言っていました。国連治安部隊も手をつけられずただ見ているだけで一向に収まる気配がありません。こんなどうしようもないソマリアのいかれた海賊のために何百億円もいやそれ以上になるかもしれない費用を掛けて軍隊を派遣したのです。日本の自衛隊がいつから外国で戦争が出来る事になったのでしょうか?相手が海賊であれ何んであれ軍艦が交戦する状態は「戦争」なのです。今回は自衛隊法による出撃だそうですが、過去に例はありません。ましてや国会での議論はまったくされず、中国の軍艦が行ったからあわてて日本も出撃するというドタバタぶりです。アデン湾に展開する他の国の軍艦はすべて国軍の軍艦です。ならば日本の護衛艦もれっきとした国の軍隊なのです。ソマリア沖の海賊は突然現れた訳ではありません。なぜもっと早く国会で議論しなかったのでしょうか?ツギハギだらけの法解釈でその場しのぎの軍事行動をしていてはとても自国を自衛することなど出来ません。自衛も計画的に出来ない国が戦争のできる憲法になどと言っていてはそれこそ諸外国の笑いものです。まもなく麻薬と偽札づくりとプルトニウムを売ることしかできないこれまたどうしようもない国から長距離ミサイルが飛んできます。日本の自衛隊の役割をみんなが真剣に考える時なのです。
と、ここまで話したら先ほどの大学生はもうすっかり寝ていました。日本の防衛を考える前に「関心がない」ことの方が問題のようです。やれやれ。

政治資金規正法

2009-03-10 21:25:45 | 報道/ニュース
民主党代表小沢一郎くんの公設第一秘書が東京地検特捜部というところに逮捕されました。自民党があまりにもお粗末なので次の衆議院総選挙は民主党が有利でこのままでは民主党単独または連立で過半数を獲得するのではと言われていたその時です。なんで逮捕されちゃったのかと言うと、西松建設というところから10年間で3億円も献金を受けていた、それを西松建設から直接ではまずいのでダミーの政治団体を作ってそこからの献金のように見せかけていた、これが政治資金規正法に違反するという容疑だそうです。う~ん、この政治資金規正法ってなんですか?と思って調べてみたら、なんと1948年(昭和23年)に制定されている法律でした。目的は政治資金による政治腐敗を防止し民主政治の健全な発展に寄与するためとあります。なんだこりゃと思いませんか。さらに読むと選挙活動の公明と選挙の公正を確保するため会社や団体からの政治活動に関する寄付を制限する必要がある。またまたなんだこりゃですね。
戦後の混乱期にみんなお金をばらまいて選挙をしたんですね。そしてそのばらまくお金を会社や団体から献金という形で集めていたんです。そうして当選して議員になったら献金してくれた会社や団体に仕事がまわるように画策し国のお金(税金)を使ってしこたま返していたんですね。もちろん自分の懐にもたっぷり入れて・・議員がこんなことばっかりやっていたのでたまりかねて作られた法律のようです。「お代官様、例のお菓子でございます。」「いつもすまんのう・・」「このたびはお菓子の下を少し厚くしておきました。」「そうか、そうか、前より重いのう」「例の仕事を手前どもに・・」「分かっておるわ、越後屋、おぬしも悪よのう・・」「あ・は・は・は・・」ここで桃太郎侍現れて悪いやつらをばったバッタと切り殺すのですが、今はそうはいきません。そこで法律で懲らしめるのですが、この政治資金規正法というのは何回改正されても抜け道がある法律なのです。不思議ですね。今は企業から政治家へ直接献金されたら違法で個人の団体からの献金はOKだそうです。これも不思議ですね。
そもそも「政治家へ献金」と言うことを進んでやっている個人や企業がどれだけあるのでしょう。企業は見返りがあるから献金しているのであり、個人はそんな団体になんらかで関係しているから献金しているのです。本当にお金をもらってくださいと言って差し上げているのではありませんよ。できれば出したくないのが本音なのです。献金と募金は違います。一郎くんは「嫌疑は晴れる。」と言い、警察庁出身の漆間巌と言う官房副長官にいたっては「自民党議員は金額が少ないから捜査は及ばない。」などと言っていましたが、ちょっと先生方それは考えが違うのではないでしょうか。金額の多い少ないとか規正法に違法だとか適法だとかそういう問題ではないのです。西松建設から民主党や自民党の多くの議員に多額の献金がずっとされてきたことは事実です。公共事業を主な仕事とする建設会社が政治家に献金をすれば国民はみんな「あ~、なるほど・・」なのです。国民は多いか少ないか適法か違法かではなく、お金が流れている事実を知らされたと思うだけなのです。気持ちの良いものではありません。政治資金規正法が改正されるたびに政治にお金がかかるなどと言われ政党助成金を増やしてきたではありませんか。それでも何んにも変わっていない、相変わらずの癒着ぶりに国民はまたしても「あ~あ・・」なのです。