ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

アメリカのトランプさん

2015-12-11 03:39:19 | 報道/ニュース
「ちょっとこの人、おもしろ過ぎ。」と言ったら本人はなんと言うか?「いやあ、私はいたって本気、ちゃんと大統領を目指しています。」なんて言うんだろうな。それにしてもほかの候補が控えめなのか、この人が浮いているのか、オバマさんがあまりにも何もしない6年間だったので、やたらと目立っています。「イスラム教徒の入国禁止!アメリカ国民をジハードの危険にさらすイスラムは出ていけ!」と叫んでいます。
アメリカの大統領選挙はとにかく選挙期間が長い。オバマさんの民主党はどうやらヒラリーさんが優勢ですが、国務長官時代に自分の個人のケイタイで大事な話をしていたことが問題になりました。それが収まったら今度はトランプさん、共和党はこの人が断然目立っています。
パリ同時テロ以来、厳戒態勢のアメリカで若い夫婦がとつぜん銃を乱射、14人を殺害しました。夫婦は射殺されました。で、ふたりの自宅を調べてみると、銃はでてくるわ、倉庫に爆発物を大量に隠しているわ、「こいつらはテロリストだ!」と大騒ぎになりました。ふたりともイスラム教で、イスラムの人たちの集会所で起きました。パリの次はアメリカが狙われている、とアメリカはイスラムの人はみんなテロリストに見えてしまう病にかかっています。そこでトランプさんの登場です。前からトランプさんは難民の受け入れには反対でした。そこに今回の乱射事件ですからもう大変、ここぞとばかり、吠えました。「ムスリムは出ていけ!」これが意外とアメリカ国内のみならず世界中から注目を浴びました。直ちに国連から人権侵害、イギリスからも危険人物扱いに。共和党のほかの議員からも批判のアラシです。で、本人は?ちょっとは困っている?と思いきや、これが上機嫌。ばんばんテレビに出まくって持論を嵐のようにしゃべっていました。街のおっさんが昼間から酒飲んで赤ら顔してまくしたてている。って感じ。この人本当に大統領候補?
パリ同時テロはフランスのみならず、イギリス、アメリカにもテロの脅威を見せつけました。テロ実行犯たちの行動は映画“ジャッカルの日”そのものです。イギリスからオーストリアのウィーンに来たジャッカルは直ちに行動開始。ニセのパスポートを作り杖に仕込んだ銃でフランス大統領ドゴールを狙います。列車でイタリアを縦断し車でフランスへ入り一気にパリへ。そしてその日、一発の銃弾がドゴールの頭をかすめます。
国境があろうがなかろうがテロリストたちはやろうと思ったらどこでもやります。赤ら顔のおっさんが「ムスリムは出ていけ!」と叫んだことでどれだけ多くのテロリストを新たに作ってしまったか、このおっさんには考えもつきません。
パリのテロを受けて世界が動きました。カナダはテロの次の日、空爆には参加しない。難民を25000人受け入れると発表。と思ったらロシアはISへの空爆と言ってシリアの反政府軍を空爆、それはトルコが支援している部隊でした。頭へ来たトルコはロシア機を撃墜。トルコとロシアはいまもケンカしています。ISどころではありません。当のフランスとイギリス、アメリカは、空爆はするけど地上軍は出さない。そしてドイツが動きました。唯一ISと地上で戦えるクルド人部隊に武器・弾薬の提供と全面的支援を約束。世界中が大混乱です。
こう見るとカナダとドイツだけがテロとの戦い方を知っている、そう感じました。あとのリーダーは国民のことなど考えていない、威勢よく自分をアピールしているだけ、まるで赤ら顔のトランプおじさんのように。そう感じました。
でもってこのトランプおじさん、次はどんなカードを切ってくるのか、と考えたら、もしかして「ISに核兵器を使え!」なんか言うのでは、と思えてきました。もういい加減にせい!

2015/12/10

※原稿を元のものに戻しました。一度は急落したトランプさんの支持率が再び急騰、共和党候補者ではダントツの40%になってしまいました。12/20

流行語大賞

2015-12-04 21:29:12 | 報道/ニュース
今年の流行語大賞が決まりました。さっそくいろんなところからブーイングです。なんか毎年ブーイングのような気がします。それでもって今年は「トリプルスリー」とお笑い芸人のネタ、これではブーイングやむなしですね。「なんだそれ?」と言われているようでは審査員も形無しです。たいした賞ではないけど「流行語」ですからみんなが分かるものでないと意味はありませんね。とは言え、もともとこの賞は本の宣伝です。ブーイングも宣伝の想定内といったところではないでしょうか?
ところで、いま日本で共通の流行り言葉は?と聞かれると、ちょっと待てよ、となりませんか?SNSの普及で年代によって使う言葉が違います。アニメ世代とそうでない世代、パソコンを使っていない、スマホを使っていない、持っていてもSNSはやらない、つまり年代、性別、職業、地域によって流行っている言葉が違うのです。そのため趣味やお笑いの分野から流行語を探すのはもはや無理があります。お笑いを見ていない人だっているし、野球のルールを知らない人だっているのですよ。趣味もずいぶん種類が増えました。共通の流行り言葉がないのです。でも言葉や趣味や流行が多様になることは悪い事ではありません。
かつての日本は1億総なんとかが好きで、みんな同じことをして、同じものを食べて、同じところへ旅行に行く、そんな時代もありました。そのころは流行もほとんど同じ、みんな同じものを着て同じヘアスタイルでした。でも最近は違います。個性がでてきたのです。そのため流行語が「なんだそれ?」となるのは“あたり前田のクラッカー”なんて、これはいくらなんでも古すぎでした。
さて、流行語ではないとしても、今年注目されたものはやはり安保法案とラグビー。このふたつはダントツでした。この流れでいけばふつうは“戦争法案”とか"I AM NOT ABE”“五郎丸”なんかが流行語でもおかしくないのですが、政治がらみはちょっとねという雰囲気。日本中がナーバスになっています。政権批判に気をつかっています。NHKをはじめ民放まるごと政権にまずいことは言えない空気、これではメディアの面白さが出せません。気持ち悪い雰囲気がただよう放送など見る気がしないのです。
日本人はもともと“つるむ”のが好きな国民です。こんなこと言ったらほされるとか、上に言うのはやめておこうとか、そういうことにしておこうが大好きな国民です。そこで衆・参で絶対の数をもつ自民・公明の与党にみんなすりすり。日銀総裁、NHK会長、経団連会長を抑えて今や敵なし。右傾化しまくり、気に入らないと放送局を呼びつけ。法案に反対する解説者は降板させ、憲法なんて都合の良いように解釈。これほど憲法が軽く扱われたことは過去にはありません。安保法案憲法違反、マイナンバー憲法違反、一票の格差憲法違反、つぎつぎと訴訟が起こされています。
となれば今年の流行語は“憲法違反”。これならブーイングはないでしょう。

2015/12/04