ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

テレビ朝日とNHKの謝罪

2015-04-28 23:01:55 | 報道/ニュース
今日、ふたつのテレビ局が謝罪しました。どうでも言いっちゃあどうでも言いことですが、ちょっと問題ありと思える謝罪でしたので、記録しておきましょう。テレビ朝日が報道ステーションという番組で古賀コメンテーターが3月末で降板することについて自ら語り、テレビ朝日の会長と古館プロダクションの社長の名前を出しふたりから降りるように言われ、しかも管官房長官をはじめ官邸からバッシングを受けてきたなどの発言があり、困った古館キャスターが「承服できません。」などと意味不明の言葉で抵抗したため、言い争いとなった件。テレビ朝日が会長の報酬1か月10%カットや関係者を戒告処分にしたと発表。理由は番組を混乱させたことでした。しかしちょっと待ってください。いったいこの人たちは誰に謝っているの?なんで放送局の偉いさまが出てきて謝っているの?視聴者は別に怒ってない、確かにふたりのバトルを見せられて不快な感じはしましたが、民放なんてそんなものぐらいで、むしろ古賀さんは面白いと思った人の方が多いと思うよ。名前を出したのはまずかった、と言っている人がいましたが、いやいや名前を出すことが古賀さんの抵抗だったのです。あれを上層部からとか政府筋からバッシングなどと抽象的に言うぐらいなら古賀さんは最初からなにも言わなかったでしょう。コメンテーターはこれでいいんです。局や政府にゴマすったり、台本通りにしゃべっているコメンテーターが今はいっぱいいます。そんなんはもう必要ない。コメンテーターは自分の意見を言うからコメンテーターなんですから。「古館キャスターがさらりと受け流すかと思った。」と古賀さんが後で言っていましたが、その度量が彼になかったというだけのことです。辞めさせられちゃう人としがみつきたい人の違いですね。そんなことはみんな分かって見ていますよ。で、話は戻りますが、なんで誰に謝ったの?
さて、もう一つはNHKです。クローズアップ現代という番組で昨年「出家詐欺」を取り上げたときに「やらせ」つまりつくり話があったとして出演した男性がBPOに人権侵害の申し立てをしました。自分は頼まれて話しただけなのにブローカーなどと紹介されたというものでした。その問題で今日NHKはクローズアップ現代の時間をまるまる使い調査の結果を発表、細かいところの間違いを誤りました。これまた報酬カットや戒告処分でした。ボクはたまたま見ていましたが、そんなことはよくあることばかり、肝心の番組の内容である出家詐欺は本当なのかという点には触れていません。出家詐欺がまかりとおり本当なら多少の演出はどんな番組でもやっていますよ。出家詐欺は大きな罪です。あってはならないことなのにそれには触れず、副会長まで出てきて1分ぐらい誤っていました。これも同じく、いったいこの人たちは誰に謝っているの?
もうお分かりですね。自民党にですよ。自民党は時期が違うふたつの問題をまとめてそれぞれの放送局を一度に呼び、放送法までちらつかせて厳重注意をしました。その結果今日のお詫びとなりました。テレビ朝日もNHKも視聴者のみなさまに、などと言っていますが、あきらかに内容は自民党のみなさまに、でした。こんなんを見せられている視聴者はやっていられませんね。ボクには「自民党のみなさますみません、これからは自民党の意に沿う番組作りにまい進します。」と言っているようにしか聞こえませんでしたよ。民放は見なければいいのですがNHKは受信料を取っています。もうちょっとジャーナリズム的にやって欲しかった、少しは抵抗して欲しかったな・・ザンネン。

・・そう言えば、だいぶ前にNHKの夜のニュース特集で振り込め詐欺の細かな手口を紹介していました。今回よりもっとひどい内容でしたよ。そんなもん紹介してどうするのというもの。今思い出しましたよ・・もう寝よ。

2015/04/28

石井姉妹の”会津磐梯山”

2015-04-02 07:05:56 | 報道/ニュース
ときどき地方へ行って方言に出会うといいなあと思うことがありませんか。京都弁や大阪弁のように有名な言葉ではなく尾道とか岐阜とか普段あまりなじみのない方言にその土地で出会うと、こちらが異邦人のようになってしまい何とも言えない新鮮な気持ちになります。そのうえ女の子がおかっぱでほっぺを赤くして「オラ、いわきが好きだ。」なんて言われたらもう誰もがメロメロでしょう。
もうお分かりですね。3月に放送されたNHKのど自慢チャンピオン大会でグランドチャンピオンに輝いた福島県の石井敦子さん雅子さん姉妹の話ですよ。曲は民謡“会津磐梯山”でした。
いきなり、いやああ~、ときましたね。この力強い入り、いままで聞いたことのない“会津磐梯山”でした。あいずばんだいさんわあ~たからの~やまよお~、ってもう耳から離れませんよ。会津の風景が広がってくるようでした。それはうまいとかすごいとかのジャンルではない特別な空気でした。民謡は腹の底から歌うんだよ、音符なんてないんだよ。姉妹がそう言っているように感じました。
敦子さんは高校2年生17才、2才年上の雅子さんがおはやしです。歌う前の紹介ビデオに出てきた敦子さんは制服を着ておかっぱでほっぺが赤くて話す言葉は会津弁、カメラのレンズをのぞいて「コレ、どこ見ればいいですか?」ときました。亡くなったおじいちゃんが先生でおばあちゃんからお母さんまで民謡ファミリー。「じじがいわきの民謡を大切にしていたので広めていきたいと思います。」このカットは何回見てもいいのです。久しぶりの直球ストライクゾーンです。
そう言えば最近こういう“いいなあ感”が失われていましたね。NHKのど自慢なんて見たこともありませんでした。まるっきりカラオケ大会じゃねえか、と思っていました。カラオケ嫌いなボクには遠い存在でした。しかし今回は違っていました。
だいたいAKBやらももクロやらのどこがいいの?才能なんかある訳ねえ。素人がみんな出たいだけ。それじゃあプロが育たねえ。早く本来の“歌“で勝負しろ。と思っていたボクはやっと救われた気分です。本物の”会津磐梯山“が来たのです。
坊主にくけりゃ袈裟(けさ)まで・・とか言いますが、逆に姉妹の歌がいいと髪型や服装までいいと思っちゃいますよ。それは好きな人が着ている服や持ち物が好きになるのと同じです。制服も短いスカートが当たり前の世の中でひざを隠した長いスカートの敦子さん、髪をギンギンに染めて気持ち悪いネイル、なんかしていない清潔なお姉さん。こういう姉妹を待っていたのです。
受賞後の敦子さんはもう涙が止まりません。でもチャンピオンはもう一度歌います。お姉さんが気丈に敦子さんに代わってお礼を言い、小さな声で“ちゃんとして”と言って歌いました。涙をいっぱいためて歌う敦子さんに力いっぱいおはやしをする雅子さん、この姉妹の姿には会場もテレビの前も日本中が感動しましたよ。すばらしい“会津磐梯山”でした。感動したシリーズの永久保存版ですね。

2015/04/01