ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

中国ショックその3

2012-12-17 15:59:33 | 報道/ニュース
日米が太平洋上で合同軍事演習をしています。潜水艦からミサイルが撃ちあがります。上空を飛ぶ戦闘機には軍艦から迫撃ミサイルが飛びます。洋上には多くの駆逐艦やイージス艦まさに実戦さながらの戦闘映像です。対して中国軍は小島上陸作戦で上陸艇から武装した兵士がつぎつぎと小島に上陸しています。攻めてくる日米合同軍に対して勇敢に闘っている中国兵士。まるで日中戦争開戦のような映像の連続です。
これが11月4日中国国営放送CCTV午後8時からの報道番組でした。日本ではありえない驚くばかりの演出です。まさに戦時下、ここまでやるかと目を疑いました。しかも9時台10時台と番組は変わってもすべて日本関連ばかり。軍事演習の様子は翌朝再び同じ映像を繰り返し放送していました。中国CCTVは日本の国会でのやりとりもすぐに放送されます。10時台の情報番組では日本の歴代の総理大臣の支持率を大きくグラフで表わし、総理大臣がころころ代わること、麻生総理ですら20%あった支持率が野田総理はすでに18%。どうしてやめないのか。(解散する前でした。)と言った具合です。日本の放送局が中国の話題を取り上げる何十倍もの時間を日本関連の報道に使っています。つまり日本が中国に寄せる関心の何十倍も中国は日本を意識している現れでもあります。
CCTVを4日間見続けただけですっかり中国に正義ありと思ってしまったボクは、自身にぞっとするだけでなく、生まれたときからこれを見ている中国の人は日本の人とは徹底的に違うことを改めて気づかされました。プロパガンダであることは分かっていてもこれだけ日本のことを毎日取り上げて放送すれば日本や尖閣に関心を持たざるを得ません。メディアを通して尖閣は中国のものという既成事実を作っていく中国の戦略の一端が読み取れました。
対して日本の放送局はゆるゆるふわふわの番組ばかりです。日本でもCCTVを見ればいい、そんな風にも思いました。日本人はあまりにも中国を知らないし、歴史の勉強をしていません。勉強することは正義を知ることです。たとえ偏った勉強でもしないよりはマシです。中国のガイドが「尖閣は中国のもの。」と信じているのは勉強して日本の事を知っているという自信によるものなのです。私たちに必要なことは中国の人たちが勉強している日本を知って、彼らが日本をどう思っているかを知ることではないでしょうか。
昨日の衆議院議員選挙の結果はたちまち中国でも報道されています。新しい安倍総理大臣が中国にとって利益になるかまたは不利益になるかが中心であることは想像がつきます。日中は互恵関係にあるなどと外交上は言いますが、中国には互恵という考えはありません。中国にとって利益がなければ関係すら成立しないのです。社会主義の中国ではデモはできませんが反日デモだけは許される、このことだけでも日中に互恵はないことを日本人は知るべきだと思いました。ちなみに反日デモで日系のホテルが襲撃された西安ではガイドが持つ日本の旅行社の旗は中国のもの変えられていました。続いて行った桂林ではホテルから一歩も出られない外出禁止でペットボトルの水を買うのもガイドの携帯に電話をして買ってきてもらう有様でした。日中が尖閣問題以前の状態に戻るには日本の経済が再び強くなり中国が日本を必要としなければなりません。もともと尖閣は日本経済が弱くなって起こった問題なのです。日本経済が再び強くなるのはいつでしょうか・・
(ひとまずおわり)

中国ショックその2

2012-12-16 15:11:34 | 報道/ニュース
西安は以前長安と言われ、シルクロードの出発点でした。始皇帝陵や兵馬俑抗博物館それに街の中心部にある明の時代の西安鐘楼など歴史的にも重要な建物が多く600年前にタイムスリップするような古い寺院が多くあります。西安観光と言えばガイドはそんな歴史の話をするものと思いきや、この紳士のようなスパイのようなガイドは一向に歴史の話をしません。
西安の街の概要から始まっていかに西安が発展しているかばかりです。人口350万人で車が270万台、まもなくひとり1台になる。(人口についてはどの範囲の人口なのかは定かではありません。)自分は35才で大学の日本語課程を卒業後すぐ今の仕事についた。昨年はボーナス日本円で200万円もらったけど、今年は反日デモの影響で仕事がなくなりおそらくボーナスはない。中国では基本給は大変低く利益が上がったらボーナスを出すのが一般的。60人いる日本語ガイドは反日デモ以降すでに16名が仕事を辞めている。これからもっと辞めるだろう。自分も今回が最後の仕事でもう辞める。自分は日本に行ったことはなく、仕事を得るために日本語を勉強した。今後も行くつもりもない。ガイドとは別に骨董品店を経営しているので今後はそれに専念する。日本語はガイドをやめたら忘れるだろう。中国では男はマンションと車を持たないと結婚できない。そのためにいい大学を出ていい仕事に就く、自分はマンションを持っていて3才のこどもがひとり。一人っ子政策の中国は競争が激しくこどもの英才教育費が大変。政治家のワイロは問題だけどなにもやっていない日本の政治家よりはマシ。といった具合です。この人は自分がガイドという自覚がすでにない。そんな気配すら感じました。
兵馬俑の駐車場でピカピカの新車を見ると。「これが今中国で一番人気の国産車です。1600ccで90万円。」自慢して興が乗ってきたのか親しくなったと思ったのか、兵馬俑から帰りのバスで彼の演説が始まりました。
「毛沢東が農民を開放し、小平が経済を発展させ、中国は万全の社会主義国家になった。外国の軍隊が日本にいるなんて信じられない、中国は絶対そんなことはない。18才から2年間国のために無給で軍隊に入る。日本は怪しい宗教に妄信しているようだ。オスプレイすら反対できない。中国は経済成長で日本を抜いた。日本は第二次世界大戦の総括すらいまだに出来ていない。戦争の被害者は中国だ。尖閣は中国のものだ。」
「尖閣は中国のもの。」こんな言葉がガイドから出ることは想像していませんでした。反日デモを収束させた直後です。しかも話している相手はすべて日本人でお客です。耳を疑っていると「面子を重んじる中国政府は尖閣の問題を簡単には終わらせない。」「自分は現在準共産党員でまもなく会社の上司の推薦で共産党員になれる。」彼は「尖閣は中国のもの」ということを国を代表して言いたかったのだとここで分かりました。
13億人の人口を持つ中国。しかしその中で共産党員は8000万人ほどと言われます。共産党員になれば生活が保障される特権階級の道が開けます。ガイドが共産党員に?ちょっと簡単ではなさそうですが、これも本気のようでした。35才と言えば彼が中学高校の頃徹底した反日教育を受けた世代です。江戸幕府から明治に変わり日本が富国強兵で戦争へまっしぐら日中戦争から第二次世界大戦へ。そして日本の敗戦。彼らは日本の現代史を徹底的に学びました。しかもすべて中国から見た日本です。「被害者は中国だ。」「日本は戦後の総括をしていない。」これはおそらく日本人の何十倍も日本史を知っている反日世代の共通観念しかも予想をはるかに超える強いものだと確信しました。対して勉強していない日本人は反論ができません。彼に限らずこうした反日世代が今後続々と共産党員になっていきます。中国の恐ろしさがふつふつと沸きあがりました。
その夜、ホテルで桂林の天気予報を見るためテレビをCCTVに合わせました。そこでボクはとんでもない放送を見ることになります。
(つづく)

中国ショックその1

2012-12-16 15:08:25 | 報道/ニュース
中国国家海洋局の航空機が初めて尖閣諸島に現れ日本の領空を侵犯しました。13日午前10時40分でした。自衛隊機がスクランブル発進しましたが、中国機はすでになく翌日中国の新聞一面に堂々と尖閣の航空写真を載せ、中国の領土であるとアピールしました。それにいち早く反応したのがアメリカでした。尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内であると中国に通告しました。尖閣の問題がこれ以上こじれないよう中国に自制を促すことが目的でした。これまで領土問題は当事者同士でと静観の構えを見せてきたアメリカがあからさまな領空侵犯にすかさず対応した結果でした。尖閣の海には毎日のように中国の海洋巡視船が領海ギリギリを航行しています。これらはすべて日本が尖閣を国有化すると発表したことへの中国の反応です。対して日本は打つ手がありません。もともと「尖閣には領土問題はない。」と問題そのものを先送りしてきた外務省のツケがいま表面化したものですが、それだけでは済まされないもっと深刻な事態になっていることをボクは西安で知ることになりました。
中国へ行くのは5年ぶりです。仕事で西安と桂林へ行くことになりました。いつもの旅行社へ電話をすると「今は事情が悪いのでうまく便が取れないし取れても突然欠航が出て帰りの予定が立たない。」とのことでした。尖閣問題で反日デモが吹き荒れたのは9月中旬、行こうとしたのは10月のはじめです。キャンセルが相次ぎ飛行機が予定通り飛んでいなのです。困ったボクはネットで西安と桂林を回るツアーを探して便乗することにしました。予定より1ヶ月遅れの11月3日の出発ですが何かあってもこれなら旅行社が日本に帰すと考えたからです。航空会社は中国南方航空。大連、西安、桂林、広州、上海を回るツアーでした。
いざ空港へ行ってみると最低催行人数10名のツアーで参加者はボクたち二人を含めて10名、ボクたちが申し込まなかったらこのツアーはないところでした。もちろんその後のツアーはすべて中止。これは予想以上に大変なことになっている。いやな予感が頭をめぐりました。でもここまで来たら行くしかありません。
少人数のツアーですから現地ごとにガイドがいます。大連のガイドは20代前半の若い女性、中国ではよくあるパターンで日本語がうまいそれなりのガイドでした。次は西安です。西安の空港に着いてびっくり。ニコニコ笑って立っている背の高い30代半ばの男性、紺の上下のスーツをきちっと着こなしネクタイもちゃんとしています。どうみても普通のビジネスマンそれもエリートサラリーマンです。「みなさんこんにちは。」と流暢な日本語で話しかけられたとき、この人がガイド?と何度も見てしまいました。
ガイドは歩き回らなくてはなりません。スーツを着ていてもだいたいよれよれ。ネクタイはちゃんと結べず、ショルダーバッグを肩にかけ、手には名簿などの書類をもち、靴は歩きやすいラバー底。これがボクのイメージでした。しかしこのガイドはすべてが違っていました。まずショルダーバッグがありません。スーツはどこもよれていません。しかも靴は革底。手に名簿の紙一枚持っているだけ。話す日本語も中国なまりがありません。こんなガイドもいるんだ、いやもしかしたら臨時のガイド?それとも公安のスパイ?そんなことを考えながらひとまずついて行きました。
西安での仕事は風景の撮影もありましたから翌日の西安観光にも便乗しました。そこでこのガイドが話す内容に衝撃を受けました。
(つづく)

お詫びのお詫び~ベトナムの反中デモ~

2012-12-09 21:05:44 | 報道/ニュース
申し訳ありません。忙しいのが続きベトナム事情は改めて冊子にします。その後の中国について今書き始めています。少し長くなっていますのでまとまったらブログにアップします。もうしばらくお待ちください。

今日ベトナムで反中デモが起き政府が抑制にかかりました。ベトナムは南沙諸島で中国との領有権問題が起きています。一歩も譲らないベトナムの強い姿勢は日本、フィリピン、インドなど中国と領有権で対峙している国々にとっては強いメッセージとなりました。しかしベトナムは中国と同じ社会主義国家です。基本的にはデモはできません。そのため、反中デモが政府批判になることを警戒した政府によってたちまち抑えられました。とはいえ首都ハノイや小規模ながらホーチミンでもデモが起ってきたことは暴走中国をけん制するシグナルとなりました。ベトナムはベトナム戦争が終わった直後にも中国から攻められました。中越戦争です。ところがアメリカに勝利したベトコンはすぐさま反撃にでて中国を押し返しました。ベトナム人は底知れない強さをもっているのです。北はミサイルの発射準備中です。北のミサイルを止められない理由のひとつに中国の後押しがあります。いまや東アジアは朝鮮半島から中国、ベトナムまで緊張のピークにあります。そんな中で日本の政治家は何ををやっているのでしょう。12を超える政党の乱立、まるで衆議院議員になるための就職活動に国民が一票入れているような訳の分からない選挙に明け暮れています。政治をしない国会議員は給料返せ。というデモでも起こしましょうか?

中国へは反日デモが吹き荒れた9月中旬からおよそ一ヶ月半たった11月はじめに行きました。そこで見たもの聞いたこと、そして中国から見た日本のことなどを現在まとめています。まとまったらアップします。日本の多くの人たち特に若者に知って欲しいことがいっぱいです。もうしばらく時間をください。