ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

放射能汚染地図

2011-10-31 22:56:49 | 報道/ニュース
一体何なんだこれは?世界ではリビアの狂犬カダフィが殺され、シリアのサダト大統領も危ない、アラブの春から始まった市民蜂起はとどまることなくアラブ諸国は大きく変貌しようとしています。ギリシャから始まったヨーロッパの金融危機は終わりが見えない、と思ったらトルコ東部で大地震やらタイの洪水。大混乱の中で為替レートはついに1ドル75円台に突入。世界が大変なことになっている事は分かっていても今日本人が一番関心のあることは毎日吸っているこの空気、そう放射能です。自分が吸っている空気がどれだけ放射能に汚染されているのか、セシウムがくっついた土や草木や排水溝はどこか、食べている野菜くだものや肉や魚がどれだけ汚染されているのか、アラブやヨーロッパのことより自分の身体に直接影響のある放射能の事が日常の関心事なのです。にもかかわらず文部科学省のいい加減な発表や厚生労働省の基準変更、一体何なんだこれは?
NHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」5月に放送された再放送を見ました。木村真三さん(43才)は放射線衛生学を研究する科学者、放射線医学総合研究所に勤め、東海村臨界事故の調査の後、厚生労働省の研究所に移り自主的にチェルノブイリを調査していました。そこで今回の福島の原発事故です。当然真っ先に調査と考えていたら3月12日職場の幹部から調査をしないように指示されました。木村さんは辞表を出しました。それから一人で自宅のベランダから東京の空に舞う放射能の測定をしました。木村さんの調査は京都大学や広島大学の科学者に支えられ、結果福島原発から半径30キロ範囲の詳細な放射能汚染地図を作り上げたのです。その汚染マップは後に当日の風向きなどから割り出された汚染状況とピッタリ合致しています。ここで問題なのはなぜ厚生労働省が調査をとめたのか、また、文部科学省が独自の汚染調査をしているにもかかわらず、正確な数値と測った地名をなぜ公表しなかったのか、文科省はいまごろになって風評被害を恐れたなどと言い訳をしていますが、事実は違います。
自分たちだけで本当の事を知り資料を集め都合のいい事だけを国民に発表する。つまり自分たちだけが知っておきたい事を勝手に調査されては困る。これが事実です。何も知らない国民が今後被爆で苦しむようなことがあってもそれをまた資料とか言って都合の悪いことは公表しない。まるで江戸幕府のような体制が平成のいまも脈々と続いているのです。
今日の朝刊に新潟県魚沼市が汚染されているとの地図を文科省が出し、それに対して魚沼産コシヒカリを抱える地元と新潟県が国に訂正を求めて怒っているという記事がありました。夜のNHKのニュースでは原発事故で汚染された水を原発内で撒いている、飲んでも大丈夫と言うなら飲んでみてと言われた政務官が会見場で飲んでました。・・一体何をややっているんだとしか思えません。汚染状況を隠すからこうなるのです。魚沼のコシヒカリだって食べるのはボクたち国民です。数値をちゃんと知らせれば食べるかどうかは国民が決めます。もっと重大なのは数値を集めているだけで文科省も政務官も誰も本当の状況が分っていないことです。
東大に入ったのは偉いけど、東大出たからって偉くはない。入れば誰でも卒業できますからね。官僚になったのは偉いけど、官僚だったからって偉くはない。要は何をやったかが問題なのです。いま、放射能の汚染状況すらわからない官僚は直ちにやめるべきです。これが国民の総意です。

2011/10/30