ブラジルのルーラ大統領は金融危機を心配するブラジル経済人の前でこう言いました。「先進国のキリギリスたちがのどかに歌っている間、私たちはアリのようにせっせと働いて蓄えてきたじゃないか。だからわが国は大丈夫なんだ。」貧しい農村出身の大統領は強力なリーダーシップで、過去1000%を超えるインフレなど貧困に苦しんだブラジル経済を立て直し、いまや世界4大新興国に成長させ、国民からの支持率83%という圧倒的人気を得ているリーダーです。まさに今金融バブルを謳歌してきた先進国が厳寒の冬に直面し食べ物もなく餓死寸前の状態での発言でした。「おーい、アリくんそんなに汗かいてどうしたんだい?」「これはキリギリスさん、私たちは食べ物を運んでいるんですよ。」「だけど今は夏で食べ物なんかいっぱいあるんじゃないか、お腹がすいたらその辺にあるもの食べて楽しく歌ったり遊んだりいていればいいじゃないか。どうして家に食べ物を運ぶんだい?」「でもキリギリスさん、今は夏だから食べ物があるけど、冬が来たらなくなってしまいます。今のうちに食べ物を集めておかないとあとで困りますよ。」これを聞いたキリギリスたちは笑ってこう言いました。「まだ、夏は始まったばかり、そんなことは冬が来てから考えればいいのさ。」と。そして冬が来ました。草はすっかり枯れてまわりには食べるものが何もありません。お腹がすいたキリギリスはアリに蓄えていた食べ物をもらいに行きますが家族分しかないと断られます。ここから先は日本と他の国では結末が違います。日本では見かねたアリがかわいそうなキリギリスに食べ物を与える慈悲で終わりますが、他の国では餓死したキリギリスをアリが食い尽くすことになっています。もちろんブラジルでも。
さて、いま、世界のお腹がすいたキリギリスはどうするんでしょう。こつこつ働いてきたアリに哀れみを乞うて食べ物をもらうんですか?それとも餓死してアリに食い尽くされますか?どちらにしてもさんざん怠けてきた報いをいまアメリカをはじめ先進国すべてが受けていることに違いはありません。ブラジルの大統領から指摘される前にすべての先進国が考えておかなければならなかったのです。暑い夏の後には寒い冬が来ることを。
ちなみにブラジル経済は今回の危機で先進国のような激しい落ち込みはなく、成長率が5%台に下がったとは言え依然成長を続けています。先進国が半減している車の生産・販売も値引きなどで維持しています。ブラジル通貨レアルが対ドルで下落しているのは気がかりですが。
さて、いま、世界のお腹がすいたキリギリスはどうするんでしょう。こつこつ働いてきたアリに哀れみを乞うて食べ物をもらうんですか?それとも餓死してアリに食い尽くされますか?どちらにしてもさんざん怠けてきた報いをいまアメリカをはじめ先進国すべてが受けていることに違いはありません。ブラジルの大統領から指摘される前にすべての先進国が考えておかなければならなかったのです。暑い夏の後には寒い冬が来ることを。
ちなみにブラジル経済は今回の危機で先進国のような激しい落ち込みはなく、成長率が5%台に下がったとは言え依然成長を続けています。先進国が半減している車の生産・販売も値引きなどで維持しています。ブラジル通貨レアルが対ドルで下落しているのは気がかりですが。