ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

上村愛子さんの涙/葛西紀明さんの叫び

2014-02-17 21:09:39 | 報道/ニュース
ソチ冬季五輪が始まりましたね。ところでSochiってどこ?って地図を見たらありました。ロシアの一番左下の黒海沿岸です。もともと15世紀からオスマン帝国(今のトルコ)が支配していたところを19世紀になってロシア帝国が奪いました。寒い寒いロシアにあって黒海は戦略上重要な拠点、Sochiは南の要塞でした。平均最高気温は夏季25度冬季でも11度もあります。いまではこの温暖な気候が人気となり豪華な別荘が建ち並ぶ有名なリゾート地だそうです。今回のオリンピックはロシアの人たちにとってまさにあこがれの地で行われた訳ですね。5兆円もの費用をかけ新しい町を作るというまさに国をあげての一大プロジェクトでした。1980年に夏のオリンピックがモスクワで行われたときは東西冷戦中、当時のソ連がアフガニスタンに侵攻したことに抗議して西側諸国がボイコットしました。日本も参加していません。今回のSochiはイギリス・アメリカ・フランスなどの大統領や政府首脳がテロや人権問題に抗議して開会式の不参加はありましたが選手のボイコットはなく冬季としては過去最大87の国や地域が参加しました。
開会式を見ました。テレビで見る開会式としては一番良かったのではないでしょうか。先に選手入場があり選手も一緒に見るアトラクションは流れもよく見ていて飽きない質の良いものでした。ロシアが国の威信をかけて取り組んだ様子が分かります。最初の五輪の輪がひとつ開かなかったことなど問題ないはずなのにロシア国内の放送では五つの輪が開いている撮影済みの映像を流したと聞いてやはり社会主義国は律儀(?)だなあと感心(?)しました。
開会式直後に始まったのが女子モーグルです。さすがにこれはLiveで見てしまいました。上村愛子さんの最後だと思ったからです。女子モーグル出場選手の中で最年長です。若い選手が多いモーグルの中ですでに20年以上選手として活躍している姿に感動したからです。初めての長野オリンピックでいきなり7位入賞。その後もオリンピックに出場し続け6位5位4位とひとつずつ順位を上げました。今回は5回目のオリンピック、いよいよメダルかと期待されましたが惜しくも4位。素人のボクからみても3位以内には入っていい最高の滑りでした。でも採点競技はこうゆうものでした。上村さんは悔しさをにじませながら「いい滑りができてよかったです。メダルはないですけどね。」その顔は充実感にあふれていました。
上村さんの涙にうるうるしていたら今度はジャンプの葛西紀明さんです。この人はとにかくすごい!41才という年齢もさることながら気持ちが若いのです。金メダルは逃がしましたが堂々の銀メダルです。表彰台の第一声がメダルをかかげて「どうだ!」ときました。これには見ているこちらも参りましたね。恐れ入りました。1992年に19才ではじめてオリンピックに出場、その年にワールドカップ最年少優勝記録をつくりずっと飛び続けています。19才や20才の選手がいる中でまるでお父さんの年齢のような41才。でもいままで個人のメダルはありませんでした。16才のとき史上最年少でワールドカップ初出場、葛西の名前は世界で知られましたがどうしてもオリンピックのメダルは取れませんでした。そして飛び続けて25年、昨年(2013年)のワールドカップで史上最年長の3位に入りました。まさにレジェンドと呼ばれるゆえんです。これだけ最年少最年長の称号がつく選手はめったにいないでしょうね。葛西選手は2位が決まった瞬間こう言いました「残念な銀メダルだけど、これでまだ上をめざして頑張れる。」なんという向上心。「どんだけ飛んだら気が済むんじゃい。」心で笑いながら言いましたね。

2014/02/17

このブログをアップした次の日、ジャンプ団体で日本は堂々の銅メダルです。葛西さんは大泣きしました。「この子たちに取らせてあげたかったから本当にうれしい。」不死鳥のように甦った葛西紀明さんは世界のスーパースターになりました。真のレジェンドになりました。