ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

アメリカ国債格下げと日本

2011-08-17 03:32:26 | 報道/ニュース
一体どうなっているの?訳の分からない国債の格下げで世界の株がパニックです。8月6日の発表と同時に下がったり上がったり、遊園地のジェットコースター状態です。日本は10%下げ韓国・香港は20%下げヨーロッパ市場も15%下げニューヨーク10%下げ、世界中の財産が15%ほど消えちゃったことになります。ドルがだめなら円とばかり円高も止まりません。1ドルが76円なんて考えただけでもぞっとするレートです。
今回はアメリカのスタンダード&プアーズという民間格付け会社がアメリカの財政赤字がこのままではよくない、オバマ大統領の提案が議会の反対でうまく進まない、などの理由で史上初めてアメリカの国債格付けを最高ランクからひとつ下げました。スタンダードとプアーズ、標準と貧乏たちと聞こえてきますが、なんでこんな会社の発表に世界中がビビるのか良く分かりません。だいたいアメリカは格付け会社とか信用調査会社が幅を利かせ過ぎです。世界と取引していると相手がどんな会社や人物か分からず確かめたくなるのですね。取引きする方も信用会社の評価を見せるとビジネスがうまくいくという仕組みです。ところが今日の発表によればこのスタンダード&プアーズ、引き下げ判断をした際に財政赤字の額を2兆ドル多く間違えていて、財政当局から指摘されるも格下げの根拠を経済的から政治的なものにシフトし変更しなかったとあります。こんなものですよ。日本のように狭いところで噂だけが広まっていくのも困りますが、アメリカのように第三者を頼りにし過ぎるのもちょっと問題です。
あまり今回の反応が大きいので忘れてしまいそうですが、このスタンダード&プアーズは今年1月27日に日本国債の格付けもひとつ下げました。ニュージーランドよりもスペインよりも下のAAマイナス、中国、台湾、クエートと同じです。日本より下はと見るとイタリア、アイルランド、ポルトガルそれにギリシャ、どこも破綻しそうなところばかりではないですか。一体日本はどこまで落ちていくのでしょう。たかが民間の格付けと軽んじる訳にもいきません。国債の価値により国の評価も決まってしまい、国と国との交渉にも影響が現れるからです。そもそも格付けは何を基準にしているのかと日本国債の引き下げ理由を見てみると、1.先進国の中で財政状況がもっとも悪化。2.民主党政権には債務問題に対する一貫した戦略がない。3.大規模な財政再建策がとられない限り、財政赤字は今後も悪化する。4、急速な少子高齢化が財政経済見通しを悪化させており、2020年代半ばまで財政再建が進まない。となっています。
どれもあらためて言われなくても分かっていることばかりです。これらはすべて政治の体たらく。失われた10年どころか20年以上どうしようもないのです。偉いと勘違いしている政治家の先生方に問います。20才の若者から「景気が良いってどう言うこと?」と聞かれて恥ずかしくないですか。いままで何をしてきたと聞かれてまともに答えられる先生はいないでしょう。国会議員は20年さかのぼって給料返せ。みんなそう思っていますよ。いい加減に目を覚ましてほしいものですね。

※ちなみにS&Pによる国債格付け最高ランクのAAA(トリプルA)はイギリス、スイス、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアです。

気のぬけた管ビール

2011-08-14 02:21:10 | 報道/ニュース
政治の話はしたくもないと思っていましたが、どうやら節目なので記録しておきます。まもなく総理大臣が変ります。もうどうでもいいけど人に聞かれて総理大臣の名前が分からないのはちょっとまずいと思うぐらいですね。
先日NHK夜9時のニュースで、海江田という経済産業大臣が国会で質問に窮して涙を流して泣きました。その後キャスターは言いました。「テレビで大臣が泣いている姿を見て、泣きたくなるのは国民の方ですね。」大越健介さんは歴代のキャスターの中では飛びぬけています。教養あり知恵もあり何と言っても深い見識があります。それでいて初代磯村さんのようなアクもなく人気があるのは当然でしょう。前任者が悪かっただけに一層爽やかさがきわだちますね。さてこの海江田という人物、ちょっと前にも左の手の平に「忍」の字を書いてテレビカメラに見えるよう国会で手を上げ質問に答えていました。総理大臣との意見の食い違いとは言え原発問題トップの経済産業大臣がこんなんではどうしようもありません。それにしても今の閣僚はまるで小学校の学級会か町内会のくたびれた役員会のようなもの。こんなんが次期総理大臣に立候補とは・・“怒るでぇホンマニ。”と言ったところでしょうか。
政治がひど過ぎて論評のしようもないと思っていたら、結局やったことは"上げない"と明言した消費税上げる法案を通したぐらいであとは誰がやっても通る法案ばかりです。CO2削減はどこへやら、脱原発や再生エネルギー買取法案、これらはみんな当たり前のことで運用するのは次の内閣です。うまくできなければ意味がありません。以前ある新聞に総理大臣の支持率が10%台なのに言っていることには多くの人が賛成している、もしかしてこの総理大臣はいいのかもなどというコラムがありましたが、とんでもない話でこの人物は賛成することを探して延命したいだけなのです。資質のかけらもありません。こんなんが2年も延命したせいで日本の政治は世界から見放されました。“どないしてくれるんやホンマニ。”と言ったところでしょうか。
ところで次の総理大臣ときたらこれまた増税大好きタイプのようで“もうなんともあきまへんな。”そもそも消費税は社会保障ができないから上げるなどといかにもまともな理由をくっつけていますが、この国は消費税をいくら上げたって社会保障は良くなりません。誰も責任を取る仕組みがないからです。それは前任者が言ったことと言っていれば済むのですからね。消えた年金が良い例です。それより公約した国会議員の歳費削減をなぜ実行しないのでしょう。これを実行すればむしろ消費税は下げられますよ。消費税上げないでどうやって国の財政を立て直すなどと聞いてくるアホがいますが、納税者が答える必要もないし考えることではありません。納税者は払う方でお金を預かる国が財政を考えるのは当たり前です。それが仕事でしょうが。使い方が悪いから怒っているのです。
それにしても気のぬけた管ビールのあとにまた気のぬけたビールを注ぎ足されてはたまったものではありません。せめて新しいグラスに新鮮なビールを注いでほしいものですね。
新しい総理大臣がまたドボンなら、怒るでぇホンマニ・・

和歌山県太地町~イルカと共に~

2011-08-13 15:50:18 | 報道/ニュース
小さな港町に外国人がやってきた。和歌山県の太地町は映画「コーヴ」で有名になりました。ボクは今でもなぜあの映画がアカデミー賞なのか、アメリカのエンターメントビジネスにモラルはないのか、弱者を寄ってたかって攻撃する一方的な内容でいいのか、ドキュメンタリーとは言ってもいかにも賞狙いと金儲け見え見えで観る気がしない。などと思っていたら、先日NHKで「鯨の町に生きる」というETV特集を放送、これでその一端を見てしまいました。
太地町は紀伊半島の先端に近い和歌山県の東端、熊野灘に面した小さな港町です。人口およそ3500人。主に漁業と観光で生活しています。この港町に突然黒船がやってきたように外国人が押し寄せました。手には銃のかわりにカメラを持って手当たり次第に撮りまくります。何を撮ってどうするのかと思っている間もなく映画「コーヴ」は作られました。それを知った環境団体テロリスト、シーシェパードは今もこの港町をストーカーのようにうろついています。監督をしたルイ・シホヨスの言い分です。「自分は海洋環境保護に情熱を持っている。イルカ殺しは海の環境を汚染する、イルカ肉と魚介類には水銀が含まれ食べると水銀中毒になる、イルカを殺す悪い伝統はなくさなくてはいけない。そのためにこの映画を作った。」この支離滅裂さにはあきれます。水銀があろうがなかろうが食べない人種が言うのは余計なお世話でそれは食べる人の自由です。私たちが食べるものには多かれ少なかれなにかしら害になるものが混ざっています。ふぐの肝など食べたら死にますよ。ボクは食べませんが食べたい人は食べています。その人たちにふぐを殺すなと言えますか?
そもそも問題になっているのは鯨を捕っていいかどうかです。鯨を捕り過ぎたと国際捕鯨取締条約ができたのは1946年、日本が戦争に負けた翌年でした。1951年日本も国際捕鯨委員会に加盟、その後1970年代から捕っていいかどうかの議論が繰り返され、以来ほとんど捕鯨禁止です。もともと太平洋で最も多く鯨を捕っていたのはアメリカです。ジョン万次郎が助けられたのも鯨を追って小笠原まで来ていたアメリカの捕鯨船でした。ところが当時アメリカでは鯨を食べません、工場での機械油やランプの油として脂肪だけを使い肉は捨てていました。その後石油などの油が出て鯨の脂肪が必要なくなり、自分たちが捕り過ぎて少なくなったのを棚に上げ鯨を守ろうと言い始めたのです。日本では昔から鯨を食べていました。大切な食料源とともに捨てるところがないほど皮から骨まで有効に使っていました。鯨を捕っていた町には供養塔があり恵みへの感謝を込めて手を合わせます。それから半世紀、いまではいろんな食材があふれ鯨の肉はもうメジャーではありません。しかし肉を食べていた日本と肉を捨てていたアメリカでは鯨に対する思いが違います。ルイ・シホヨスがいかに自分勝手な屁理屈をならべているかはもう歴然ですね。つまりこいつは自分以外の価値観が理解できない只の三流低俗監督なのです。イルカ殺しは海の環境を汚染するなどは自分たちのように肉を海に捨てる発想なのです。
ETV特集ではイカレタ団体シーシェパードの執拗な攻撃に耐えかねて「鯨の目を見たらもう殺せない。」と鯨漁をやめようと苦悩している漁師がいました。ボクは言ってあげたい。「牛の目だって真っ黒でまん丸でとてもかわいい。でもステーキはおいしいです。」ってね。高校2年の少女は「私たちは日本の伝統を守って鯨を捕っているだけなのにどうして外国の人は捕っちゃいけないと言うの?」と苦悩するおとうさんに泣いて訴えました。ボクは言ってあげたい。「お父さんは伝統を守って鯨を捕っているだけではないよ。鯨が高く売れるから捕っている、ほかの魚では子供を学校へ行かせてあげられないんだ。別の良い収入源があればいつでも捕鯨はやめますよ。やめたって太地の鯨漁の伝統は永遠に残るんだ。」ってね。
現在シーシェパードの妨害で日本の調査捕鯨は中断しています。オーストラリア政府に遺憾の意と言っただけで日本政府は何もできません。太地ではシーシェパードとのトラブルで駆けつけた英語が分かると思われる若い警官は「No problem!」と言われスゴスゴ帰りました。どうやら問題はこちらにあるようですね・・

小さな港町の夏祭り~愛知県蒲郡市~

2011-08-11 22:51:37 | 報道/ニュース
愛知県のほぼ真ん中、海に面したところに「蒲郡」(がまごおり)という町があります。人口はおよそ8万人。いかにも海の町という地名の通りぐるりとまわりは海。漁港だけでなく形原、西浦、蒲郡、三谷、幸田の温泉観光地をもち夏は海のレジャー、冬は温泉、いつでも楽しめる手軽な行楽地として関東・関西からの観光客にも人気でした。ところがこの数年は観光客の減少が止まりません。どの温泉地も半数以上の旅館が営業休止または廃業。存続の危機に直面しています。
形原温泉で昭和のはじめから営業している平屋作りの温泉旅館を訪ねました。引き戸を開けると土間があります。営業中の看板があっても泊り客はいません。中へ入ると品の良い70代半ばの美人が立っています。この旅館の女将さんでした。ボクが訪ねた訳を話すと「どうぞ上がってください。」だれもいない板の間に上がり古いソファにすわると、大急ぎで沸かしたお茶が出てきて、女将さんは以前のにぎわい振りをとつとつと話してくれました。話を聞いているうちに夜のちょうちんの灯りと泊り客の下駄の音が聞こえてくるようでまるで昭和のはじめに戻ったような気分になりました。まるで・・川端康成の伊豆の踊り子にもこんな風景があったような・・などとボクが空想にふけっていると「おとなりも、その向こうの旅館も今年廃業しました。お向かいは廃業してもう7年、ずっと売りに出しているけどまだ売れないんです。取り壊すだけで1億かかるそうですから。」「ここは水車のある温泉が珍しいと言ってときどきドラマの撮影に来るんですよ。水車は回らないけどお湯はまだ出るんです。」女将さんの声で平成の“今”に戻りました。
そんなムードを吹き飛ばすような光明を見ました。地区ごとに行っている手筒花火です。手筒花火は竹の筒を縄で巻き火薬を入れ両手でかかえます。火柱は10メートル以上にもなり手筒を持っている人に火の粉が降りかかるという勇壮なものです。学区ほどの範囲で21の地区が参加、毎年4月から10月まで毎週土曜か日曜にどこかで行われ、街おこしとふるさと回帰で参加地区は年々増えているそうです。
そのうちのひとつ三谷温泉の中区という地区の手筒を見ました。地区の神社で奉納し港で厄年の若者を中心に20名ほどが手筒を持ちます。およそ2ヶ月前から近くの竹林で竹を切り、中の節をくりぬき、縄で何重にも巻き、手筒を作ります。竹の選び方、縄の巻き方は間違えたら事故のもと、先輩から後輩へ代々受け継がれ、自分だけの手筒が完成します。火薬は生もので前もって詰められません、前日の夜から火薬師の手を借りて調合し徹夜で慎重に詰められます。いよいよ当日、手筒は背丈の何倍もの炎の柱となり降りかかる火の粉に耐えおよそ30秒後に大きな爆発で終わります。お父さんが火を付け息子が持つ、兄が火を付け弟が持つ、18歳以上の男子が青年部に入り代々受け継がれてきました。祭り当日、手筒を作り終えた達成感に酔いしれる若者、それを支える年配の元青年部の人たち、お囃子をする人、浴衣を着て集まるこどもたち。「海の上を泳ぐ金魚花火をぜひ見てください。」地元の人の郷土自慢を聞いているとまるで自分が外国人になったような、外国人から日本人を見ているような、そんな気持ちになりました。
蒲郡では年に一度の大花火大会が行われています。4000発の花火が上がり20万人が集まります。そんな大きな花火大会とは別に地区ごとに場所を変え毎週行われる手筒花火。集まる人は少なくても気持ちのこもった手作りの手筒は大きな花火大会にはない味わいを伝えてくれます。これが町内の絆、ふるさとでしょうか。祭りの原点を見た気がしました。

※お祭りの動画はこちらで見られますYouTubeふるさと港町の手筒花火