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ボクは雑草です

シフトクリエイティブ社長のブログです。

トランプVSメディア~臆病者の戦い~

2017-07-05 17:15:33 | 報道/ニュース
トランプさんが相変わらず吠えています。ツイッターでこうだああだとメディア攻撃をするアメリカの大統領なんて見たこともありません。自分が少しテレビに出ていたからと言って「オレはメディアを知っているぞ」と威張っているだけ。この異常さを誰も止められないのが問題ですね。
先日、MSNBCテレビの女性キャスターがトランプはウソばかり。と批判するとすかさずツイッターで、「彼女はIQが低い、顔のしわをとる美容整形手術でひどく出血していた」と意味不明の攻撃。また自分がタッチしていたプロレスの試合で悪い奴をやっつける昔の映像を使い自分がやっつけている相手の顔にCNNのロゴを貼り付けツイッターに投稿、さらに支持者の前で「ウソメディアは俺の選挙を妨害した。しかし俺は大統領で彼らは違う。」当選して半年もたつのにまだこんなことを言っている。このおっさん、アホか。と思うことばかりです。しかし攻撃されたメディアも黙っていません。女性キャスターはトランプに「大統領らしくしなさない。いやならわたしの番組は見るな」と応戦。けしかけられたCNNは「トランプは記者への暴力を奨励しており、大統領の品位をおとしめる幼稚な振る舞いに時間を割いている」とこれまた皮肉で返しています。このハチャメチャな大統領に共和党の中からも批判の声が出ていますが大統領を黙らせるまでにはいたっていません。
もともと、トランプおじさんは政治経験がありません。政治のしくみや外国情勢など政治家として必要なことが分かっていません。バカなことをやって視聴率を稼げばいいテレビの世界とはおよそ違います。
北朝鮮が着々とミサイル開発を進めているように報道されます。アメリカが軍事行動をちらつかせるとすかさずロシアと中国が手を結び、米韓軍事演習とTHAAD配備の中止を求めます。国連の制裁決議と言ったって拘束力のない議長声明がやっとです。この情勢が分からず、中国が何とかすると訳のわからないことをくりかえすトランプさん。日本海に空母を持ってくると北の国境にはロシア軍が集結しているんですよ。
政治家の質を見るとき、自分より弱いものを攻撃し自分より強いところには手を付けない、これで分かります。小さな北朝鮮とあなどっていたら、その後ろにロシアと中国がいました。それが分かったとたんに固まってしまったトランプさん、臆病者でした。
ニューヨークタイムスはトランプのウソと題して新聞見開き両面に今までのツイートのウソをびっしり並べていました。宣誓式に集まった人の数から始まってツイートの74%がウソでした。深夜の3時とか朝の4時、5時にウソのツイートをしている。しかも内容は小学生レベル。ミスター大統領、あなたは若くないんだから、早起きしたらメディア攻撃なんかしてないで犬の散歩かジョギングでもしていなさい。
と、ここまではアメリカの話。日本のリーダーはどうか、と見れば、これまた同じようなもんじゃあないですか。違うのは日本のメディアが戦わないこと。トランプと戦うCNNの視聴率は上がり、ニューヨークタイムスの発行部数は急増しています。国民の意識が政治に緊張感を生むんです。“忖度(そんたく)”などは生まれません。先日の都議選で“安倍やめろ”コールがあふれました。小池知事の圧勝、自民党の歴史的惨敗。国民は新しい野党を待っていたのです。政権に気を遣いながらのビクビク報道はもう要りませんよ。おあとがよろしいようで

2017/07/05

個人情報保護法改正

2017-05-30 20:05:08 | 報道/ニュース
5月30日個人情報保護法が改正されました。もともと名前を知られてまずいとき、電話番号を知られてまずいとき、自分のことが知られてまずいときにこの保護法が生かされるはずでした。ところが実態はダダ漏れです。意味のない保護法じゃん、他人でも見られるマイナンバーなんて要らないじゃん。と思っていたら今度は加工すれば本人の同意なく第三者に渡してもいいと改定されました。これは企業がビッグデータの活用で新しい産業を起こすことを促すと言っていますがとんでもないことですね。そんな法律作ったらダダ漏れOKと言っているようなもの。今回の改正もJR西日本が乗降客のビッグデータを売っていたことが発端でした。いったい何を考えているのか、なにも考えていないのか、どうしてどんどん悪い方向へいってしまうのか。
だいたい改正前の個人情報保護法を分かっている人がどれだけいるの?災害で何人の人が取り残されているのか、誰なのか、男か女か。それは個人情報だから教えられないと言っている役所がいっぱいですよ。アホかお前ら。それを言わなくては身内が助けにも行けないだろうって。そのくせカード1枚作ったらその情報はたちまち回っていくんです。個人情報なんて筒抜けの国なのですよ。ずっと以前ですがガソリンスタンドで洗車をするため待っていたら20才ぐらいのバイトの女の子が信販のカードを作ってください、と近づいてきました。見れば30万円までのローンカードでした。プレゼントつきだとか。ボクは言いました。「ひとたび作ったらボクの情報はあらゆる所へまわってしまい、ひとたび使ったらさらに何を買ったかまで第三者に回ってしまう。カードは1枚あればいい。あなたは何枚持っているの?」5~6枚と答えたので「そんなにあると自分の情報がどこから漏れたのか分からなくなる。1枚で十分ですよ」その女の子はカード減らします、と言っていました。
もともと個人情報保護法は個人情報を守るという触れ込みでした。しかし実態は国が国民を管理することが大きな目的でした。そのため民間ではダダ漏れの個人情報が役所や病院などの公の機関では過剰なまでに表に出しません。ロシアもびっくりの管理国家になりました。しかし、しかし、内部ではダダ漏れです。役所の課長が住基ネットで好きな歌手のプロフィールをこっそり見ていたことが問題になったのは氷山の一角。個人情報と言って出さない個人情報が内部の人間には見放題の国なのです。そのうえ今はネット社会です。ネット上には個人情報があふれています。
YahooやAmazonで一度検索しただけなのに繰り返し関連の広告が現れる経験はみんなしています。ましてやそこで買おうものならこれでもかと広告の嵐です。これで個人情報保護なんてあり得ないのです。いったい何を保護しているのか?個人情報を管理してどうしたいのか?答えはまもなく分かります。でも分かった時には手遅れですよ。

2017/05/30
※個人情報保護法については以前このブログで書きました。ネットで調べればいくらでも分かりますのであえて触れませんが役所だけが個人情報を握っている気持ちの悪い国、それが日本なのです。

永平寺川のサクラマス(三)

2017-05-16 07:16:39 | 報道/ニュース
これは2011年2月にNHKの中部地方だけで放送された「金とく“帰ってこい!ふるさとの川へ 九頭竜川物語サクラマス編”」という番組です。先日アーカイブで再放送されました。ひとりの釣り人が起こした行動が村のこどもから大人そして県を動かし、サクラマスの遡上を実現させるという感動物語でした。延べ3年にわたって撮影されたドキュメンタリーにはカメラマンの執念も感じました。安田さんは言います。「最初は何をやっているんだと、地元の人からけげんな顔で見られました、でもやって良かった。そう思っています。」川から魚をいなくするのも人間なら川に魚を戻すのもまた人間なんだ。自然を守ることは人間としての責任なのかもしれない。思いっきり知らされました。

2017/05/16
吉田拓郎1973年の歌“虹の魚”を記録しておきます。

枯葉ごしに山の道をたどって行けば
水の音が涼しそうと背伸びする君
底の石が透ける水に右手をひたせば
虹のように魚の影、君が指さす

ニジマスよ 身重(みおも)の体で
ニジマスよ 川をさかのぼり
ほとばしる命を見せてくれるのか

青春とは時の流れ はげしい流れ
苦しくても息切れても 泳ぐしかない

谷を渡る橋の下は養魚場だね
網で川を右左にせき止めている
人はなんてひどい仕打ちするのだろうか
魚たちはここで長い旅終えるのか

ニジマスよ 身重の体で
ニジマスよ 川をさかのぼり
ほとばしる命がくやしいだろうね

青春とは時の流れ はげしい流れ
苦しくても息切れても 泳ぐしかない

永平寺川のサクラマス(二)

2017-05-16 07:14:32 | 報道/ニュース
永平寺川の川幅は広いところで6m、狭いところでは2mもありません。大雨でたびたび氾濫(はんらん)が起こっていました。また深さは50cmないところもあり治水対策で多くの堰(せき)が作られてきました。ところが治水対策の堰(せき)がサクラマスにとっては“通せんぼ“になって本来はもっと上流まで遡上して産卵するところをウグイなどのいる下流で産卵するしかありませんでした。
サクラマスは産卵するとき尾っぽで川底をたたいて砂と小石を巻き上げ穴をあけ卵を産むと再び尾っぽをたたいて卵を隠す習性があります。ではなぜウグイに食べられるのか。安田さんは永平寺川の川底を調べました。すると堰(せき)が作られたため水の流れが弱まり川底の砂が固形化しコンクリートのように固くなっています。これではせっかく産んだ卵は固い砂の上を浮揚してしまいます。危機を感じた安田さんはひとりで川底を掘り始めました。しかしひとりでは出来る範囲が限られます。そこで全国の釣り仲間に声をかけ、20人でサクラマスが産卵しやすいよう川底を掘り返しやわらかい砂地を作り小石を巻きました。地元の人にも永平寺川の状況を説明して回りました。すると地元の人の協力で小学校でサクラマスの一生を紙芝居にした出前授業が始まりました。
2009年、安田さんたちが作った砂地でサクラマスの産卵が始まります。40年ぶりに永平寺川でサクラマスの稚魚が泳ぐ姿が見られたのです。小学校ではふ化したばかりの稚魚が水槽で泳いでいました。1か月後に川へ戻すことを子どもたちが楽しみにしています。地元の人たちはいっせいに立ち上がりました。「サクラマスの遡上を実現する会」が誕生します。そして県の土木課に堰(せき)の改修を申し入れます。もともと魚道は作ってあったのですが、サクラマスの体長70cmからはとても狭くて急なものでした。そのため産卵のために遡上してきたサクラマスは堰(せき)をのぼれません。そこで幅を拡げ角度を緩やかにした大きな魚道に作り替えてもらうことにしました。県も了承しました。
2010年、幅3m長さ10mのゆったりした魚道が完成しました。完成式には実現する会の人を中心に村中の人が集まり、餅をついて祝いました。そしてサクラマスが遡上する秋を迎えます。村は秋祭りです。昔からのマスの押し寿しでお祝いです。こどもがおいしそうに食べる横でお母さんが言いました。「祭りと言ったらこれですね。ごちそうはこれです。昔から。」新しい魚道を見に行きます。魚が堰(せき)をのぼってきます。つぎからつぎからサクラマスがのぼっていきます。みんな集まって大きな歓声を上げました。村の長老が言います。「昔はいっぱいサクラマスがいたんだ、でもずっと見ていなかった。40年ぶりだ、40年ぶりにサクラマスを見たんだ。」そして堰(せき)のすぐ上でサクラマスの産卵が始まりました。
実現する会で安田さんと一緒に堰(せき)の改修を交渉してきた村の人は「この1年は速かったなあ、忙しくてあっと言う間だった。これじゃあ早く年を取っちまうよ。あはは・・」顔には満面の笑みが浮んでいました。
(つづく)

2017/05/16

永平寺川のサクラマス(一)

2017-05-16 07:09:26 | 報道/ニュース
福井県も永平寺まで行くとまわりはほとんど山です。冬は雪がしんしんと降ります。もうずいぶん前ですがボクは福井市から永平寺町まで電車に乗って行ったことがあります。電車は山あいの田んぼの中を1両だけで走ります。2月でしたので山も真っ白、田んぼも真っ白。すべてが白の世界にレールだけがまっすぐ伸びています。経験したことのない別世界の風景でした。前は白、右も白、左も白。振り返ると枕木と線路だけが白い世界に吸い込まれるように過ぎて行きます。こんな経験はもうない、絶対ない。幻想的な風景に酔いしれたあの感動は今も忘れられません。
そんな冬の永平寺も春が来て夏が過ぎ秋になると永平寺町を流れる永平寺川にサケが産卵のためやってきます。お腹にいっぱい卵を抱いたサケは体がピンク色に変わりサクラマスと呼ばれます。九頭竜川を100キロもさかのぼり永平寺川までやってきました。
サケは川の上流で産卵し稚魚が成長すると海へ出ます。海で大きくなったサケは3年後に生まれた川へ戻ってきて産卵して一生を終えます。九頭竜川のマス釣りは有名で2月から9月の解禁期間には遡上してきたサクラマスを目当てに全国から釣り人が訪れます。ちなみにサケとマスは呼び方の違いです。産卵のために上ってくる赤いサケをニジマスとも言いますが、九頭竜川ではサクラマスと言います。
いまから10年前、2007年NHKが永平寺川の風景の特集を放送しました。その中に永平寺川で産卵するサクラマスの映像が入っていました。海から100キロも遡上してやっとたどりついた永平寺川で産卵をした瞬間、なにやら黒い魚の群れがいっせいにサクラマスに集まってきてあっと言う間に産卵したばかりの卵を食べつくしてしまいます。ウグイです。遡上してくるサクラマスを撮影していたカメラマンがたまたま撮った映像でした。その一瞬の映像に衝撃を受けたひとりの釣り人がいました。名古屋の安田龍司さんです。安田さんはマス釣りが大好きでシーズンになると九頭竜川へサクラマス釣りに行っていました。「これは大変なことが起こっている。九頭竜川にマスがいなくなってしまう。放っておく訳にはいかない。」そう感じた安田さんは翌2008年永平寺川へ行きました。永平寺川を調べてみるとそこはとんでもないことになっていました。
(つづく)

2017/05/16

5・3若者100人アンケート

2017-05-07 15:03:14 | 報道/ニュース
憲法記念日の5月3日、名古屋の街で若者(12才~30才)102人にアンケートしました。憲法変えた方がいいは21人、変えない方がいいは26人、分からないは55人でした。しかし9条に限った質問では、変えた方がいいは9人、変えない方がいいは51人、分からないは42人でした。(中日新聞)
たった102人、しかも若者に限定したアンケートでしたが、だいたい一般の世論調査と同じでした。憲法変えると変えないがほぼ半々で9条に限って言えば変えないという結果でした。しかし特筆すべきは分からないが圧倒的に多い事です。
安倍総理は改憲派の会合にビデオメッセージで登場し、「機は熟した。2020年を新しい憲法が施行される年にしたい。」と述べその内容は「9条を維持したうえで自衛隊の存在を明記する。高等教育の無償化を憲法に入れる。」なんじゃこれは。9条を維持するなら憲法変える意味ないじゃん。教育の無償化は憲法でなくても法案で出来るじゃん。しかも憲法を変えると言うとんでもない難題を東京オリンピックに合わせるなんて。お~い誰か止めてくれい、と叫んでしまいそうな内容でした。
自民党の憲法改定草案は国防軍の創設など日本が軍隊を持つ国に変わる、と言う骨子でした。国民に迎合した結果、突然訳の分からないことを言い始めました。これでは“分からない”が増えるはずです。日本が軍隊を持つのか持たないのか、それ一点で議論をすればいい。それが出来ないのであればそもそも憲法論議の必要はありません。自衛隊はすでにあるのですから。ただ憲法を変えたいだけで中身のない議論につきあっているほど国民はヒマではありません。
尖閣諸島の問題からはじまって、南沙諸島への不法進出など中国の脅威をさんざん煽(あお)ったかと思ったら、トランプに合わせて今度は北朝鮮の脅威をあおる、不安と恐怖をまき散らして国民を扇動(せんどう)するのは悪い政治家です。経済が良くならないことから目をそらしているだけですね。安倍さんは良く頑張っていると言う人もいますが、ここまで来るとちょっとヘン。異様に感じている国民が多いのですが、その部分が正しく報道されません。NHKにいたっては憲法変えたい人が多いという結果を報道していました。報道によって世論が誘導されている現象は安倍さんになってから際立っています。自分の意見が言いにくい世の中では真の国民の声が伝わりませんよ。いい加減にしてほしいものです。
若者に限らず憲法を変えると言うのは大きな事案です。他の国では憲法をたびたび変えていますが日本の憲法はちょっと違います。戦争の永久放棄を定めています。武器を持たない、戦わない、という憲法は特異ですがなぜ日本がこのような憲法になったのか。それには理由があります。
戦時下で日本人がどれだけ苦しんできたのかは今の北朝鮮を見れば分かります。北朝鮮を悪く言う人はいますが、あれが戦時下の日本だったのです。軍の弾圧、言論統制、そして無条件降伏。あんなことはもういやだと出来たのが今の憲法でした。アメリカから押し付けられたものではありません。NHKのアナザーストーリーという番組で伊豆大島が独立を求められたとき島民が作った憲法も日本国憲法とほぼ同じ内容でした。おそらく日本人ならみんな同じ思いだったでしょう。それが日本国憲法です。そのためまた昔に戻ってしまうのではという恐怖から簡単に触れないのです。
世論調査で“分からない”が圧倒的に多い憲法改定。無理して説得する必要はありません。報道で扇動する必要はありません。軍隊を持ちたい人は自衛隊に入ればいいだけですから。戦争がしたい人はそこでやればいいだけですから。

2017/05/07

報道の自由度ランキング

2017-04-30 03:39:27 | 報道/ニュース
NGO「国境なき記者団」が毎年発表している報道の自由度ランキング2017年版が26日発表されました。180か国のうち日本は昨年と同じ72位でした。2年連続過去最低です。イタリアが77位から52位に順位を上げたため先進国では最下位となりました。おとなり韓国は70位で最下位は常連のエリトリアを抑えて北朝鮮となりました。
日本はもともと自由度については優等生でした。統計のある2002年からだいたい20位~30位をキープ、2009年は17位、翌10年には11位までランクアップしました。その翌年も22位でした。この自由度の高い時代は民主党政権でした。再び自民党に戻って自由度は急激に下がります。13年53位、14年59位、15年61位、16年は一気に72位に、そして今年も変わらず72位です。
う~ん・・確かに民主党の時代は新聞・テレビが今より自由に政権批判をしていました。つぎつぎと大臣の失言が報道され、国民も平気で批判していました。きわめつきは原発対応でした。「ただちに健康への影響はない」を繰り返すばかりで本当のことが国民に知らされません。ウソばかり言っている、と政権への信頼は失墜しました。政治家のあたふたぶりから政治の舞台裏が見えてしまったのです。野田総理の支持率も18%まで落ちました。でも民主党政権に変わった時が報道の自由度ランキングは一番高かったのです。
次に政権交代した自民党がやったことは新聞社や放送局への圧力でした。「電波をとめる」と言ってみたり「あの新聞社はつぶさにゃいかん」と言ってみたり。気に入らないキャスターやコメンテーターを降板させたり、報道は一斉に萎縮(いしゅく)しました。自由にものが言えない気持ち悪い空気が日本中にただよっています。結果、自由度ランキングは下がりました。特に「国境なき記者団」が問題視したのは特定秘密保護法です。政権に都合の悪いことは隠してしまうのではないか、と国連人権委員会は調査を要求していますが自民党は拒み続けています。これがランキングをさらに下げました。
しかし、内閣支持率は50%前後です。つまり自由に報道すると悪いところがいっぱい報道されて支持率が下がりますが自由がないと支持率は維持されるのです。ロシアのプーチンさんは支持率80%と言われますが報道の自由度ランキングでは150位前後です。ほとんど自由度はありません。中国もほぼ同じです。国民にとってどちらがいいか、国民が決めることです。
ニューズウィーク誌は下がる続ける日本の自由度ランキングについて、日本人の「空気を読む」と「自主規制」が関係しているとも言っています。たとえば未成年者による殺人がセンセーショナルに報道される一方で少年の重大犯罪は減少しています。つまり空気を読んで報道すると一方に偏(かたよ)った報道になってしまうのです。高齢者による事故が増加という報道も同じです。運転する人の人口の割合からすると圧倒的に若者の増加率が高いのです。報道の自由度があるかないかは報道する側にゆだねられているとも言えますね。一律報道はやめてほしいものです。

2017/04/30


北朝鮮の脅威(二)

2017-04-22 18:14:09 | 報道/ニュース
北朝鮮問題を協議している国連安保理は再び核開発をやめるように決議しました。これで何回目でしょうか何度決議してもやめませんよ。それもそのはず北朝鮮は核開発をやめると言った瞬間、体制が崩壊するからです。対話では無理と圧力をかけ始めたアメリカ。朝鮮半島に空母などを集め軍事的威圧を始めました。しかしいくら目の前で軍事演習をしても、空母を揃えても北朝鮮はやめませんよ。北朝鮮に先制攻撃をしたら北は降参すると言う専門家もいますが、ここまで来ると簡単ではありません。すでに北の国境近くにロシア軍が集結し始めています。軍事的脅威が増すだけで解決にはなりませんね。
北朝鮮との戦争が起こったら圧倒的な軍事力の差でアメリカが勝つことは誰が考えても分かります。同時にアメリカ軍にもそれなりの犠牲がでることも想像できます。そして韓国はもちろん隣国の日本や中国、ロシアも巻き込まれることになります。そんな状態を誰かおさめられる人はいますか?アメリカの傀儡(かいらい)政権を作って北朝鮮が民主主義などと言って昔の日本のようにアメリカに従う姿は想像できませんね。南と北がひとつになるのが一番いいのですがロシアや中国が介入すればアメリカの思うようにはなりません。アメリカはイラクに介入してグチャグチャにしてしまったトラウマがあります。いつものようにちょっと軍事行動を起こしてさっと引いてしまうでしょう。そのあとはグチャグチャの北朝鮮が残るのです。今より悲惨になりますよ。
将軍様を殺して体制を変える、というアメリカの思惑は的外れですね。将軍様を殺しても北の状態は変わりませんし、中国や韓国や日本に難民が押し寄せて大混乱します。戦争特需で日本が儲かる構図はもうありません、むしろ経済は大幅に落ち込みます。つまり誰もトクをしないのです。
では放っておけばいいかとなりますが、放っておけば核兵器がアメリカに向けられる現実が近くなりました。アメリカにとっては脅威です。経済制裁をしても効きません。抜け道がいくらでもあるからです。160カ国以上が北朝鮮と国交があり東南アジアでは友好国もある北朝鮮です。放っておけばミサイル開発は進みます。
そこで考えました。こういう将軍様にはとことん脅しをかけるしかないのです。過去にも脅しにビビッて核開発をストップするまねをしたことがあります。その時は脅しと金をちらつかせました。脅しと金が効きそうですよ。せっせとやりましょう。
いま世界は保護主義や全体主義が台頭してきました。経済の中心が新興国に移り先進国は失業者が増え不況に苦しんでいます。中東やアフリカの内戦から難民や移民が増え自国を守るというスローガンに誰もが惹かれていきます。しかし保護主義ばかりの国になってしまうと世界の経済は停滞します。自分のまわりしか見えなくなります。
そんなときに北朝鮮をたたいても安心できる状態にはなりません。各国のリーダーが保護主義に走るだけです。戦争後の北朝鮮を設計できるリーダーが現れないと北朝鮮をたたくのはトクではない。自滅を待つのが最良の策ですが、そこまで待てるかが問題ですね。
先日、外国の報道陣を集めて、出来立てのビル群を披露しているニュース映像で将軍様の顔がアップになっていました。車を降りて段上にあがった将軍様は目がおびえていました。将軍様は小心者でした。ジャン

2017/04/22

北朝鮮の脅威(一)

2017-04-22 04:34:27 | 報道/ニュース
ちょっとうんざりと言うか、いい加減にしてほしい。毎日毎日、核だとかミサイルだとか。北朝鮮にうんざりではなく、テレビですよ。なんじゃこれは、と思っていたらいよいよ政府広報のHPにミサイル避難方法だって。まるで臨戦態勢のように国民をあおっています。自衛隊はフル活動です。こんなことやっているのは日本だけ。当事国の韓国もアメリカもいつもと同じです。これじゃあマンガのような北朝鮮のテレビと同じですよ。
国民に不安と恐怖をあおり重要な問題から目をそらせ論点をぼかしていくのは安倍政権になってからぞっと続いています。国会で3分の2以上を持っている与党はやりたい放題、法案は出せばすべて通る状態がこうしたマンガのような異様な報道になりました。
確かに北朝鮮の脅威はあります。今やミサイルと核兵器しか武器がないのですから。戦闘機は遅い、戦車はガタガタ、いくら兵士の士気が高いと言っても、武器がなければ打つ手がありません。サイバー攻撃だけでは勝てません。せっせと核兵器やミサイル開発を進めてイキがっているしか生きる道はないのですから。でもそんなことは10年以上前からやっています。いま始まったことではありません。しかも北朝鮮が戦っている相手は日本ではありません。日本にアメリカの基地があると言っても韓国にはもっと北にとっては身近な脅威になる基地があります。その韓国ですら大統領選挙でいっぱいなのに日本が突然騒ぎ始めたのはなんなのか。
答えはトランプさんにありました。就任から100日のいわゆるハネムーン期間に公約がひとつも実行できていません。“メキシコとの国境に壁を作る”は議会で否決、“イスラム教徒の入国禁止”は連邦裁判所からはねられ、“オバマケアやめる“は法案すら出せません。打つ手がなくなったトランプさんは子どもが駄々をこねるように突然シリアを攻撃しました。生物化学兵器を使ったと言ってアサド政権の空軍基地に巡航ミサイルを59発。続いてアフガニスタンのISの拠点に大型爆弾を落としました。大統領にはこんな権限があるんだと見せつけたかったのです。その流れに乗って北朝鮮に矛先を向けました。
もともと北朝鮮は米韓合同軍事演習に過敏に反応してきました。韓国軍29万人・米軍1万人が目の前で軍事行動をやられては見ているだけにはいきません。ミサイル発射してみたり、軍事演習は宣戦布告とみなすと言ってみたりしてきました。つまりいままでと同じ北朝鮮なのに変わったのはアメリカの大統領なのです。そのトランプさんに憲法を変えたい安倍さんが飛びついた構図なのです。
それにしてもトランプさんもまだ大統領になったばかり。空母カール・ビンソンが15日にも朝鮮半島に来ると言ったら実はオーストラリアへ向かっていた。急いで朝鮮半島に向かっていると言っても25日になってしまいました。軍の動きが分かっていません。安倍さんはと言うとここぞとばかり大騒ぎ。北朝鮮は生物化学兵器を持っていると言ってみたり、韓国には5万人の日本人がいると言ってみたり、いまさら言われなくても分かっていることばかり。恐怖をあおるのは悪い政治家です。
大統領の権限を行使したいだけのトランプさんと目立ちたいだけの安倍さん、このふたりには困ったもんです。まるで戦時下のように騒ぎ立てるテレビも困ったもんです。しかし本当に困ったもんはそのテレビをうのみにして過剰に反応する国民ではないでしょうか。
韓国の人が言いました。「台風の中心は風もなく静かです。周りが騒ぎます。韓国では今もフクシマ(放射能)の話題でいっぱいですが、日本ではあまり騒ぎません。北朝鮮の問題も同じです。中心より周りが騒いでいます。」・・なるほどね。

2017/04/22
※いよいよマンガのような報道が電車を止めました。29日早朝5時30分ごろ北朝鮮はミサイルを発射。その報道を受けて6時6分首都圏の地下鉄・新幹線などが一斉に止まりました。ミサイルは7分で日本に到達します。40分も経って止めていたって意味はない。ミサイルは失敗。過剰報道によるパニックでした。こんなことがいつまで続くのか・・
2017/04/29

チェルノブイリからフクシマへ「アルクシェービッチの旅路」

2017-04-10 04:48:11 | 報道/ニュース
ベラルーシのジャーナリストでチェルノブイリを取材してきたアルクシェービッチさん(62才)が初めてフクシマを訪ねた番組「アルクシェービッチの旅路」を見ました。東日本大震災から6年目の3月11日に再放送されたものです。
アルクシェービッチさんは原発事故後を丹念に取材し「チェルノブイリの祈り」にまとめました。それが評価され2015年ノーベル文学賞を受賞しました。
チェルノブイリはウクライナにありますがベラルーシとの国境に近く半径30キロの立ち入り禁止区域のおよそ半分はベラルーシにかかっています。事故は1986年に発生、30年経ったいまも人の立ち入りはできず厳重管理されています。原発全体を鋼鉄入りの石棺で覆っていますがその石棺も老朽化によりもうひとまわり大きな石棺で覆う構想が進められています。
チェルノブイリとフクシマは原因の違いはあっても最悪のレベル7は歴史上このふたつしかありません。広島・長崎での原爆はありましたが、放射能による人体への影響は詳しく分かっていません。そのためチェルノブリが人類史上初めて放射能汚染による影響が分かる事故であり、チェルノブイリを見れば30年後のフクシマが分かる、とアルクチェービッチさんは言います。
福島第一原発から2キロの道路を通ります。持っていた測定器は車の中で鳴りっぱなし、4.2マイクロシーベルトを表示しました。国際基準の20倍です。
飯館村を訪ねました。酪農をしていた長谷川健一さん(63才)は「国が設置したモニタリングポストの数値は自分たちが持っている測定器の半分しか出ない。除染と言ったって家の周りと道路だけ、周囲の森は何もしていない。森林の方がはるかに面積は広いのです。少しぐらいならいいだろうと子どもたちは森のキノコを食べています。国は安全なことばかり言うけどキケンなことは報道しない。」アルクシェービッチさんです「チェルノブイリでは事故から10年後に病気が出始めました。少量の放射能でも体に蓄積されていきます。」
長谷川さんは地区長もしていて村長とは親しい友達でしたが原発事故の対応で意見が分かれました。牛乳は出荷停止、牛は殺処分のため牛舎を取り壊し今は避難住宅で暮らしながら自宅の畑でそばを栽培しています。26ベクレルの放射線が検出されますが国の基準値は100ベクレルなので出荷できます。「国の基準値以下でも北海道のそばは0です。0ベクレルと26ベクレルのそばが並べられていたらどちらを買いますか?これは風評被害ではなく実害です。」
飯館村のとなり南相馬では保障が受けられず牛舎増築の借金を残し自殺した人もいました。自分の生命保険で借金を返してほしいと遺書を残し、自殺した現場には「原発さえなければ」の文字が残っていました。土地の人は「自殺した人はたくさんいるけど家族や親せきは恥ずかしいから隠している」とも言っていました。
アルクシェービッチさんは言います。「日本は資本主義の国で自由だと思っていましたが、この国には抵抗の文化がありません。そしてふるさと意識が強いことにびっくりしました。ベラルーシでは多くの人がヨーロッパやアメリカへ渡りました。」
チェルノブイリを視察した長谷川さんは「チェルノブイリでもしばらくして住民は戻りましたが、それは高齢の人たちだけでした。それから30年経ってその間に亡くなった人や子どものところへ行った人などで結局住民はいなくなり廃村になっています。私は避難所と往復してここで暮らしますが私の子どもや孫は戻りません。飯館村もいつかそうなります。」
フクシマを見たアルクシェービッチさんは東京外国語大学で講演をしました。「私たちは過去を見ているのではなく、未来を見ているのです。事故の前の状態に戻ろうとか戻そうとするのではなく、この状態からフクシマの文化を作らなくてはなりません。政治家にとって復興は医学的、経済的な数字にすぎません。しかし被災した人にとっては“生命”そのものなのです。被災を免れた人は“これは自分の身にも起こり得たこと”と実感できない。自分がこうだったらどうするか、それを考えるのが一番ですね。」
おりしも、政府は4月1日飯館村、浪江町、川俣町、富岡町などの避難指示を解除しました。それは避難先での住宅の無償提供の打ち切りです。テレビでは受け入れ準備が出来たことや故郷に帰れる住民の喜びの声を伝えていました。ところが実際に帰る人は高齢者を中心に人口の10%から30%です。70%の人たちは帰りません。36億円かけた立派な小学校やショッピングセンターが出来ていました。でもその小学校に何人の子どもが通うのでしょうか。児童のいないガラガラの小学校ではフクシマの文化は生まれません。過去に戻そうとするのではなくこれからのフクシマを考える。線量は正しく伝える。安全ばかりの報道ではなくキケンの報道をする。すぐにでも出来ることばかりです。莫大な復興予算を使って、30年後そして誰もいなくなった、ではあまりにも淋し過ぎます。(つづきはいつか)

2017/04/09

奇跡の逆転優勝!英雄になった稀勢の里

2017-04-01 02:08:22 | 報道/ニュース
(この原稿はスポーツ報知が見出しで"モンゴルへ帰れとヤジが飛ぶ"と報じた事がヘイトスピーチではないか、と問題提起された事を受け非表示としましたが、本原稿については内容が異なり反モンゴルを意図したものではないので公開としました。)

久しぶりに大相撲が沸きましたね。新横綱になった稀勢の里の優勝です。12日目まで全勝で13日目に横綱日春富士から土俵際で強烈な投げを受け左肩と腕を強打、立ち上がれないほどのダメージでした。休場かと思った翌14日目も出場、横綱鶴竜戦はまったく力が出せずあっさり寄り切られました。それでも出場した千秋楽(26日)は土俵入りの柏手(かしわで)も打てない痛々しい状態でした。
そして決戦です。13勝1負の大関照ノ富士との対戦はほぼ絶望的。2敗の稀勢の里が優勝するには本割と優勝決定戦の2番続けて勝たなくてはなりません。誰もが出場するだけで拍手を送ろうと見守っていました。そして本割、なんと稀勢の里は下半身と右腕だけで回り込んではたき込み。優勝決定戦も右腕だけの小手投げで勝ちました。あり得ない逆転優勝です。これにはファンのみならず相撲関係者も“すごい”の一言。そして、館内割れんばかりの大拍手に包まれました。
「力以上のものが出た。あきらめないで最後まで頑張って良かった。」奇跡を起こした稀勢の里は優勝インタビューで涙をぬぐいながら言いました。解説の舞の海さんは「日頃努力していればいい結果が出る」「国民的英雄の誕生」と言いました。文句なしですね。
最近の大相撲はモンゴルばかりで興味をなくしていました。横綱3人ともモンゴル、大関モンゴル、一体どこの大相撲なんだと反抗していました。モンゴルファンには申し訳ないけど、これは異常です。発端は大相撲に入りたい人が減ったことでした。そこで外国人を探してくるのですが、やはり大相撲は日本の伝統、歌舞伎と同じ文化なのです。ほかのスポーツとは違います。柔道や空手のように国際大会もありません。オリンピックの種目にもなりません。横綱の意味も分かっていない朝青龍の態度の悪さ、すぐに文句を言う白鵬、やはりモンゴルは要らない、と思っていました、モンゴルにはモンゴル相撲があります。そこでチャンピオンになっていればいいじゃないか、出稼ぎ感覚で大相撲を荒してほしくない、モンゴル巡業なんかやめたらいいのに、と思っていました。
案の定19年ぶりの日本人横綱の誕生とか、10年ぶりの日本人力士の優勝とか、モンゴル勢対日本勢とか言っています。これでは日本の文化が泣きますね。
もともと相撲は大関が最高位でした。その中でもっとも品格や作法に優れている人が横綱になったのです。言わば神の領域なのです。そのため負け越しても休場しても番付が下がることがありません。以前曙が横綱になった時、ハワイのお母さんに電話して「ぼくは神様になった。」と言いました。曙は横綱の意味が分かっていたのです。立ち合いの変化でまともに勝負しない横綱・大関に“モンゴルへ帰れ!”とヤジを飛ばされているようでは興ざめですから。もう外国人は大関までとし横綱にしない方がいいのではと思っていました。
そんなうっぷんを晴らしてくれたのが稀勢の里でした。チャラチャラしない、力士がファンに近づき過ぎとSNSなんかやらない、勝っても付き人とグータッチしない。まっすぐ相撲道でした。新入幕から12年、モンゴル勢が注目される中、ひたすら土俵に上がり続けてきました。そして新横綱での優勝です。霧が晴れましたね。
「負けて悔しがるな。勝って喜ぶな。」これが亡くなった師匠隆の里の稽古場での言葉でした。30才。まだまだやれますよ。稀勢の里につづく日本人が現れますように。

2017/03/30

PKO撤退と森友学園

2017-03-13 04:54:53 | 報道/ニュース
3月10日のNHK午後7時のニュースです。その一、南スーダンに派遣されている自衛隊PKO部隊を5月末までに撤退すると政府が発表。その二、韓国のパク・クネ大統領が憲法裁判所により史上はじめて罷免される。その三、大阪の森友学園が4月に開校を予定していた小学校の認可申請を取り下げ、鴨池理事長は辞任すると発表。という順序でした。パク・クネさんは韓国の話ですから日本からどうこう言えませんがPKOの撤退と森友学園の認可取り下げは突然の発表のため、国民はちょっと驚きました(と言うことにしておきましょう)
南スーダンからの撤退は自衛隊の人にも何も聞かされてない突然の発表でした。今は青森から350名の自衛隊員が参加していますが4月からは北海道の自衛隊員が交代で派遣される予定でした。しかも今回から安保関連法案によりあらたな任務が付与されています。北海道の自衛隊員は出発の準備をしていました。突然の変更により現在南スーダンにいる自衛隊員が撤収作業のため2か月延長するそうです。重機をどうするのか施設はどうするのかこれから決めるとのこと、まさに急に決まったドタバタ撤収でした。なんで?
国連によると南スーダンは反政府勢力が乱立し昨年からすでに内戦状態。現在100万人のこどもが栄養失調、30万人が餓死寸前と言われ、NGOヒューマン・ライツ・ウオッチは世界に緊急援助を求めています。そんな中での日本の突然の撤退発表。ヒューマン・ライツ・ウオッチは“日本の撤退は世界に南スーダンへの関心を弱める”と懸念を示しました。5年間も南スーダンにいて状況が分からなかったのでしょうか、それとも別の理由があるのか。まるで夜逃げのような突然の撤退。なんとも腑に落ちませんね。
政府は国会でPKO派遣の参加5原則は満たされている、ジュバは比較的安定していると何度も答弁しているため、情勢の悪化が原因とは言えず役目を終えたためと発表しました。PKOの趣旨からして急に役目が終わることでもないし、この説明も腑に落ちませんね。今夜外務大臣が撤収する代わりにおよそ7億円の資金援助をする、と発表しましたが、それも国連から言われてあわてて決めたことです。撤退は歓迎ですがなんでこんなに急いだのでしょう。
これまで南スーダンでの自衛隊の状況はまったく報道されませんでした。道路整備している隊員のビデオがたまに出るぐらいでそのビデオもいつも同じものです。どのメディアも取材に行っていません。国を守る自衛隊員は国民のヒーローでなくてはなりません。自衛隊員が人前で堂々と活動報告ができるようにしてほしいものです。
もうひとつの腑に落ちないニュースは森友学園、この理事長は前日テレビカメラの前で叫んでいました。「申請を受けてくれたから進めてきたんです。なんとしても小学校を開校させて欲しい。」「トカゲのしっぽ切りだ!」元気いっぱいでした。そして次の日、一転して「申請を取り下げます。」1日で何があったの?どうして急に変わったの?これも腑に落ちませんね。
安倍記念小学校なる名目で寄付金を集め、安倍夫人が名誉校長(のちに辞任しましたが)となれば、私はいっさい関係がありませんでは通りませんね。しかも名前を勝手に使われた(これは犯罪です)のではなく了承のうえだったことは安倍総理が国会で答弁しています。やっぱり・・とみんな思っていますよ。
PKOにしても森友学園にしても国民に知らされていない闇のところで物事が動いていることにちょっと不気味さを感じました。特定秘密保護法から始まって国連の人権委員会からなんども注意されている今の政府、ちょっとやり過ぎていませんか?腑に落ちないニュースはもう要りませんよ。

2017/03/12

南スーダンのPKO

2017-02-09 05:16:17 | 報道/ニュース
南スーダンに派遣されている自衛隊員の日報が出てきました。当初は破棄されているとしていたものです。その中で昨年7月、首都ジュバの状況について「戦闘」と書かれていたことが国会で問題となり、きょう8日、少々頼りない防衛大臣が答えていました。「法的な意味の戦闘ではない。武力衝突だ」・・ん?どうしてこんな意味不明なやりとりになるの?
今、日本の自衛隊員は海外へ行っています。それは国連平和維持活動PKOに参加しているものです。湾岸戦争が起こった時、アメリカと同盟関係にある日本は多国籍軍に参加しませんでした。憲法9条があるからです。そのかわりお金をたくさん出しました。ところが日本はもっと積極的に参加せよと世界が言った(ことになっている)ので国連の平和維持活動なら参加できるとしました。その時PKO参加5原則を国会で決めました。1、紛争当事者間の停戦合意2、紛争当事者の日本の参加同意3、中立的立場の厳守4、以上が満たされなくなったとき撤退できる5、武器使用は必要最小限というものです。ところがその後1994年アフリカ・ルワンダで大事件が発生します。それはフツ族とツチ族の戦いで圧倒的に数の多いフツ族がツチ族を国中で襲いました。そのとき国連平和維持軍PKFがいたのですが、PKFは平和維持が目的で武力行使の権限は与えられていませんでした。そのため隊員たちは一斉に国外へ退避。置いて行かれたツチ族80万人を見殺しにしました。(この様子はのちに「ホテル・ルワンダ」という映画にもなりました)この大虐殺がきっかけで国連はPKOを大きく見直し、1999年、当時のアナン事務総長が住民保護のため武力を積極的に行使するとしたのです。
東ティモールでPKOに参加、1200名の隊員を率いた伊勢崎賢治さんによれば「PKOに参加すれば国連軍の一員になり各国の国内法は通用しない」つまり、PKOの組織の中では日本の自衛隊員ではなく国連軍の一員になる、ということです。そのためPKO5原則はほとんど意味のないものになります。そんな中、昨年、政府は安保関連法により“共同防護”“駆けつけ警護”なる新らたな任務を自衛隊に付与しました。これはたとえば反政府軍の民兵が住民を追って駐屯地に迫った場合、自衛隊は応戦出来る、また隣のPKOが襲われた時、武力で助けに行けると言うものです。伊勢崎さんは言います。「いまのPKOに参加することは武力行使が前提です。住民保護のために先制攻撃まで含みます。日本の憲法ではできません。また南スーダンではPKO5原則がすべて当てはまりません。内戦状態です」
現在、南スーダンのPKOに参加しているのはケニア、ガーナ、エチオピア、ルワンダなどの周辺国やインド、ネパール、バングラデシュ、カンボジアなどの発展途上国、そして韓国、中国、日本などです。先進国は部隊を出していません。発展途上国が多いのは部隊を出すと国連から支援金(給料)が出るからです。たとえば、インドはパキスタンとの紛争を経験し軍隊を増やしていますが、いまは戦闘がありません、そのため人員が余っています。給料を払うための出稼ぎに軍隊を送っているのです。
こうしてみると、日本の自衛隊が遠いアフリカ・南スーダンまで行ってPKOに参加する意味があるのか、伊勢崎さんの言葉です。「いま先進国はほとんどPKOに部隊を派遣していません。それより民間の警察や非武装の監視団、司令部要員などです。またお金を出すことでも貢献できます。」う~ん・・なら、最初の湾岸戦争の時でいいじゃん。そうすれば少々頼りない防衛大臣もあんなに変な答弁しなくて済むと思うよ。無理やり憲法解釈を変えようとするからぐちゃぐちゃになっちゃうのです。憲法の事はちょっと置いといて、まず"戦闘"状態の南スーダンから撤退しましょう。自衛隊の人や家族も安心すると思うよ。日報を隠したり、黒塗りしたり、戦闘ではないと言ってみたり、そんな自衛隊を見たくはありませんね。

2017/02/08
※PKOについて調べてみたら、国会でいかに無意味なやりとりをして無駄な時間を使っているかだけが分かりました。給料返せい。

アラビアのロレンス

2017-02-03 19:13:38 | 報道/ニュース
ロレンスことThomas Edward Lawrenceは歴史が好きで大学時代は中世のお城や遺跡をまわっていました。卒業後は考古学の仕事に就き、中東へたびたび渡りアラビア語にも堪能になっていました。そんな時1914年、第一次世界大戦が始まります。ドイツ・オーストリア・オスマン帝国の同盟軍とイギリス・フランス・ロシアなどの連合国との戦いでした。当時オスマン帝国は今のサウジアラビアからシリア・イラク・ヨルダン・イスラエル・パレスチナのほぼ全域を支配していました。
26才のロレンスも召集されイギリス陸軍に勤務、その後語学を認められカイロへ転属、任務は軍用地図の作成やイギリスと中東の連絡係でした。その後、外務省のアラブ局へ転属となり大尉に昇進します。ロレンス28才でした。
そして1917年、イギリスはアラビア半島を占領しているオスマン帝国と戦います。しかし地理的に遠く、砂漠での戦いは大きな犠牲を伴います。そこでアラブの部族に反乱を起こさせアラビア半島を奪還する作戦を立て、その任務をロレンスに託しました。アラブの人たちは部族ごとのまとまりで国という考えがありません。ロレンスは大きな部族の三男ファイサル一世と接触、一緒に戦おうと申し出ます。映画「アラビアのロレンス」はこの部分を取り上げた長編スペクタクル映画でした。
反乱軍のリーダーとなったロレンスは要衝都市アカバの奪還に向かいます。アカバはアカバ湾から紅海へ通じる港の重要拠点です。海側に向かって大砲が並びイギリス艦隊も近づけません。ロレンス率いる反乱軍はラクダを乗りこなし砂漠を大きく迂回、行く先々でアラブ部族を結集、当初50人ほどだった反乱軍は1000人以上になっていました。そして陸側からアカバを急襲。不意を突かれたオスマン軍はあっと言う間に陥落。この功績によりロレンスは少佐になります。
連合国の勝利が近づき、ロレンスはアラブの独立を政府に約束させようとします。ところが政府の答えはイギリス軍とアラブ反乱軍を競わせ、ダマスカスを先に陥落させた方が支配するとしました。
翌1918年ロレンスはアラブの部族とともにダマスカスへ進軍します。そしてダマスカス陥落に成功。ロレンスの活躍は新聞で連日取り上げられ中佐に昇進、29才でイギリスの英雄になりました。これでロレンスが約束したアラブの独立という夢は実現するはずでした。しかし・・
大戦中にアラブ一帯で石油が発見され、砂漠地帯がお金の湧き出る黄金の地に変ぼうしていたのです。イギリスとフランスは秘密協定(サイクス=ピコ協定)を結び、戦後のアラブを分割統治。シリア一帯をフランスのもの、イラク一帯をイギリスのものとします、またパレスチナには十字軍国家であるエルサレム王国(いまのイスラエル)を作りました。
ロレンスはがく然とします。この戦いはいったい何だったのか、アラブの独立のためではなかったのか。アラブの人たちはこの戦いに勝てば独立できると信じて戦った。しかし裏切られました。「老人たちが再び現れ我々の勝利を奪い去っていった。」失望したロレンスはなんとかアラブの独立を形に残したいとイラクの初代大統領にファイサル一世を実現させますが、それは形だけのものでした。アラブの信頼に応えられなかったロレンスには居場所がありません。功績を認められ勲章を与えられることになりますが、「辞退することをお許しください。」と国王の前で申し出ます。“無冠の英雄“となったロレンスは1921年除隊後、姿を消します。
翌年ロレンスの名前が再び新聞に載りました。偽名を使って二等兵として空軍で勤務していたのです。偽名が発覚しクビになると今度は改名して陸軍に入隊、1925年空軍へ。ロレンスは軍隊で戦うことが生きている証となっていました。10年間軍隊にいたあと除隊。そしてその2か月後、1935年5月13日、オートバイを猛スピードで走らせ事故により亡くなります。46才でした。
戦争がなければ、ロレンスは考古学の研究で中東を行ったり来たりしていたでしょう。アラブの独立が果たされていればこんな短い人生ではなかったかもしれません。戦争と石油がロレンスの人生を変えました。
“アラビアのロレンス“から100年、シリア・イラクはいまも戦火の中、住む家どころか生きる場所すらありません。パレスチナとイスラエルも紛争中。天国のロレンスはこの惨状をどう見ているのでしょうか。

2017/02/03

やってのけた平野美宇16才~全日本卓球選手権~

2017-01-24 23:08:55 | 報道/ニュース
暗いムードを吹き飛ばす爽快な内容を探していたら、ありました。日曜日22日に行われた全日本卓球選手権の平野美宇さん。史上最年少16才9か月で全日本女子チャンピオンになりました。しかも決勝戦の相手は4年間全日本で負けていない女王石川佳純選手(23才)でした。
いやあ、びっくり、驚きというより、“すごい!“の一言です。それは見たことのない高速ラリーでした。しかも強烈な回転サーブをそのままスマッシュで打ち返す、こんなことが出来るんですか!え?今のはなんだ?とまばたきすらできない圧巻の試合でした。
ボクはビデオに録画して外出、結果を知ると緊張感が薄れるのであえて結果を見ないでビデオを見始めたのですが、着替えるのも忘れるほどくぎづけになりました。ビデオですから一時停止すればいいのですが、そんな気持ちになれません。トイレにも行けません。目が離せないのです。ラリーが速いなんてもんじゃない、あっと言う間に試合が進みます。あまりのすごさにさすがの石川選手も苦笑い、石川選手が試合中笑うなんて見たことがありません。「なにが起こったのか分からないうちに終わりました。」試合後の石川選手もお手上げでした。
もともと卓球は誰にでも出来るスポーツで遊びとしても人気はあるのですが、全日本とか世界選手権の試合となれば内容が違います。ピンとポンなんて言っている場合ではありません。ものすごい回転のかかったサーブ、一般の人では当てることすらできません。それを打ち返すと今度は強烈なスマッシュが返ってきます。打って返してまた打って、そのラリーが速い速い、めちゃくちゃ速いのです。解説の宮崎さんは超高速ラリーと言っていましたが、ここまで来ると人間技とは思えませんね。ボールを見て打っていては間に合いません。相手が打った瞬間にもう打ち返している、まさに神業です。
平野美宇ちゃんは16才。先日のリオではサポート役で試合には出られませんでした。福原愛選手、石川佳純選手、同じ16才の伊藤美誠選手が団体で銅メダルを取る姿を間近で見てその悔しさをバネに絶対全日本で優勝すると心に決めました。そしてやってのけたのです。それもギリギリの勝利ではなく圧勝でした。「美宇ちゃんは150%の力が出ているのではないか、自分は100%出せないと・・」石川佳純選手は焦りました。そこで勝負はついていました。
それにしてもすごい16才が現れたものです。しかもかわいい。しぐさは子どもっぽいのに気迫は大人以上です。伊藤美誠選手、早田ひな選手とともに16才トリオと呼ばれ東京体育館には史上最高6100人の観衆が集まりました。そして今回の決勝戦でますます卓球人気が上がりそうです。
「最年少記録をつくるためには絶対ここで勝たないと。」そして勝った。有言実行、いやあすごい!なんと言うことだ、とんでもないことをやってのけた。「これで日本代表に選ばれると思うから、次は中国の選手に勝ちたい。」平野美宇選手に大きな大きな拍手を送ります。

2017/01/24
※速報です!2017年4月15日、中国で行われているアジア卓球選手権で平野美宇選手は中国の選手に勝ちました!世界ランク1位の丁寧選手2位の朱雨玲選手を破り21年ぶりのシングル日本人優勝です。大金星です。ハリケーン級の衝撃と伝えられています。17才になった平野美宇選手、やりましたね!
2017/04/17
その後ドイツ・デュセルドルフで行われた世界卓球2017で平野美宇選手は女子シングルス堂々の3位になりました。準決勝で丁寧選手には残念ながら敗れたけど日本選手として48年ぶりの快挙です!ますます進化する平野美宇!6月2日の準々決勝は保存版ですね。解説の宮崎さんにも拍手です!
2017/06/07