ロッチデール綱領というイギリスの資本主義でもなく社会主義でもない思想がもう180年近くにさまざまな組合のバックボーンとなっていることを内橋克人さんは紹介している。
ロッチデール公正開拓者組合は組合員の決定にしたがって自ら製品を作り、供給する。雇用機会のない組合員、賃金の切り下げに苦しむ組合員の雇用を目的とする。
内橋克人さんが提唱する地域自給圏の構築はこの骨子を元に、日本のこれからの進路を提唱しだした。
私は団塊の世代である。戦争が終わり平和の重要さは骨髄まで浸透している。が、競争する勝ち抜くへのチャレンジで今日まで生きてきた。受験競争、高度経済成長、新自由主義の社会で勝ち抜き こぼれた人々には甘いやつらだせせらわらった。哲学はリベラル。だが、自由主義の信奉でこぼれる人々に対する視点はいい加減であった。
多くの団塊の世代は肌で感じている。
あの競争社会が苛烈で疲れることを、もう十分に試しただろう。効率のためにどんどん捨てる、勝ってしもじもに還元する。競争のマグマが社会を成長させる。「24時間働けるぜ」リゲイン飲んでファイト一発。
その結果が今の社会だ。なのにいまだにトリクルダウンの経済政策。なにか変革できないものか。
そして、今協同株式会社などの新しい動きがでてきている。その支柱になるのがバブル時代に提唱した共助の社会である。
内橋克人の慧眼に感動する。