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レイニーデイ イン ニューヨークを見て、風俗孃を叩く社会を思う

2020-07-17 13:54:07 | 日記
ウディ・アレンが監督したラブストーリー。マンハッタンを舞台に、ショービズ界の喧騒に巻き込まれる大学生カップルの恋の行方を描く。ティモシー・シャラメ、エル・ファニングらが出演し、ニューヨークの数々の名所をジャズピアノと雨音が彩る。撮影は、数々の名作を手がけてきた巨匠ヴィットリオ・ストラーロが担当した。
以下はストーリーについてのコピー
ギャツビーはペンシルベニア州のヤードレー大学に通う、裕福な家庭に生まれた若者。彼は大学に行くことに対してそれほど真剣ではなく、これまで親に言われるがままピアノを弾いたり、小説を読んだりしてなんとなく過ごしてきた。得意なことといえばポーカーぐらい。

そんな彼にはアシュレイという名の美しいブロンドの恋人がいた。アシュレイの親はアリゾナ州ツーソンで銀行を経営している大金持ちだった。

アシュレイも同じヤードレー大学に通い、ジャーナリズムを専攻している。ある日、アシュレイは有名な映画監督ローランド・ポラードとのインタビューのアポを取ったと喜んで話した。

インタビューが行われる場所はニューヨークだった。アシュレイとギャツビーはインタビューのついでに週末ニューヨークに泊まって、素敵な時間を一緒に過ごそうと言って興奮した。

ギャツビーはニューヨークに詳しく、アシュレイに見せたい場所が山ほどあった。

ところがいざニューヨークに着き、アシュレイがインタビューのために別行動を取ると、二人は大都会の中ですれ違っていく。

数時間だけの予定だったインタビューは長引き、アシュレイは監督の未公開映画のスクリーニングやパーティーにまで付いていってしまう。

一人残されたギャツビーは複数の昔の友人と偶然街で遭遇し、ひょんなことからかつての恋人の妹、チャンとも再会する。

ギャツビーを置いていったアシュレイはセレブたちが集まる華やかな世界に引き込まれて行き、ギャツビーのことを後回ししていった。

一方のギャツビーはチャンと美術館を巡っているうちにニューヨークに住む苦手な両親にも会いにいかなければならなくなる。

ウッディアレンの作品は会話が面白い、皮肉、自嘲、揶揄、諧謔が目まぐるしくスピーディーに交わされる。わたしは1回見ただけでは全てを理解できないのでDVDで再度見る。
本作品では元彼女の妹との会話が良い。生意気でチャーミングな彼女はギャツビーより頭の良い姉のような感じだ。ませた女の子にやり込められながら恋心を抱く思春期の男の子はかなり多く、男は傷つきやすいものである。甘酸っぱい青春が満喫できる佳品だった。
そして私が特に感慨深かったのは娼婦を連れてパーティーへ参加した場面である。ネタバレをしてしまう。
ギャツビーは母親が主催するパーティーに恋人のアシュレーを連れて行くと約束していたが、アシュレーは取材にのめり込みすっぽかす。ギャツビーはホテルで出会った妖艶な娼婦に恋人役を演じてもらうことで連れて行く。ニューヨークのセレブが集まるパーティーで客達は娼婦であることがわからないが、母親は見ぬいて女を帰らせる。そして、自分が元娼婦であったことを告白する。真面目な父親が初めてのセックスに訪れ母親と出会い恋をして結婚する。つまりギャツビーは娼婦の子供である。ここに人生の深遠なる機敏が描かれている。
ジュリアロバーツとリチャードギアの【プリティ▪ウーマン】は娼婦のロバーツをパーティーに連れて行くストーリーで大ヒットした。日本では【片翼だけの天使】でソープ孃と作家の結婚をテーマにした映画がある。作家の生島治郎の実体験の小説でもある。
今、コロナ災厄で風俗孃へのパッシングが激しい。コロナの広がりに苛立つ人々の差別的な言葉がネットを駆け巡る。しかし、食うために心ならずも風俗を職業としている人もいるわけだ。
コロナは戦場をつくっているから感傷は命にかかわる陥穽であると指弾されるかもしれない。
しかし、人生の深遠を考えるともう少し優しくみてあげたらどうだろうか。