ユラーナ Ulana - A bridge between Japan and Overseas Countries

龍神由美のブログ。江戸の面影を残す川越に、先祖代々300年住んでいます。私の川越暮らしを綴ります。

今週の朝日歌壇

2011年05月10日 | 短歌
今週の朝日歌壇から、心に響いた歌をご紹介いたします。

    
    下肢のみが映る原発作業員躊躇いがちに復旧語る (山形市)渋間 悦子
                                (永田和宏、馬場あき子選)

テレビの映像が目に浮かびます。この方たちがいてくれてこそ、私たちの今の日常生活があるわけで、これからも日常生活が続いてゆくかどうかも、復旧がうまくゆくかどうかにかかっています。


    朝はまだ掘られしままの穴なるも棺納めて夕に静もる (仙台市)村岡美知子
                                  (永田和宏選)

悲しい歌です。あまり日本の新聞には、こういう光景の写真は載らないようですが、海外向けのメディアでは大きな反響を呼んでいるようです。

    津波にもびくともせずに残りたる氣仙大工の入魂の梁 (奥州市)大松澤武哉
                                  (馬場あき子選)

氣仙の大工さんの仕事ぶりに感じ入っている作者が目に浮かびます。これは、古い建物だったのでしょうか。「気仙」ではなく、「氣仙」と書かれていることから、昔の大工さんの仕事かなぁ、という気がいたします。


    ガス通じ一月ぶりの風呂なれどそこそこに出づ余震起こりて (仙台市)小野寺寿子
                                  (高野公彦選)

やっとお風呂に入れたものの、余震のせいで、ゆったりとつかっていることが出来なかった作者。川越では、このところ余震はほとんでありませんが、仙台では、まだまだ、強い余震は、頻繁に起こっているのでしょう。ゆっくりとお風呂にお入りになれることを祈ります。


    原発の同心円に居て仰ぐおぼろの月のまどかなるかな (福島市)美原 凍子
                                  (佐佐木幸綱選)

「原発の同心円に居て仰ぐ」と「おぼろの月のまどかなる」が余りにも対照的で、悲しさを呼びます。原発問題の解決には、どれくらいの時間が必要なのでしょうか。


今週も地震関連の歌がほとんどでした。テレビでは、バラエティ番組もすっかり復活し、大震災や原発のことは、ニュースでしか取り上げられなくなってきました。歌壇を読むことによって、魂の声を聴き続けたいと思います。


ユラーナ






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