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ユラーナ Ulana - A bridge between Japan and Overseas Countries

龍神由美のブログ。江戸の面影を残す川越に、先祖代々300年住んでいます。私の川越暮らしを綴ります。

「畏まりました」という日本語

2015年08月21日 | 日本語
私は、22歳で外資系秘書となった際に、秘書養成学校に通いました。そのときの先生は、言いました。「畏まりました、という日本語は、神道から来ています。神道を信じる人ばかりではありませんので、かしこまりました、ではなく、承知いたしました、を使ってください」と。

当時、まだ、日本語の語源など考えたことはありませんでしたが、そのように指導されましたので、上司との会話、顧客との会話等では、必ず、「承知いたしました」という日本語を使ってきました。

最近は、どこでも、「かしこまりました」を使うようになった気がします。デパートの店員やホテルマンは昔からそうであったように思います。心の底から、相手を敬い、かしこまる気持ちを持った人が使う分には、いいのですが、口先だけで、「かしこまりました~」と言っている人に対しては、何となく、違和感を感じます。ハートが伴っていないのです。

デパートで商品を包装してくれたり、相談に乗ってくれたりする場所は、「承り所」です。

相手の言うことを受け、それを承知しましたよ、という意を表すには、使い方がむずかしい「畏まりました」より、「承知いたしました」の方が、相手の心に響くように思いますが、いかがでしょう。

決して、「畏まりました」という日本語が間違っているというのではありません。心が伴っていないように聞こえてしまう言葉を使うより、よりやさしい日本語を使った方が、お客さまの心に届くのではないでしょうか。

東京ステーションホテルのバーで注文をした際に、絶妙なタイミングでボーイさんが発した「畏まりました」は、本当に畏まっていて、心に響くものでした。日本語、つくづく、むずかしいです。


ユラーナ
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恐れ入りますが。大変恐縮ですが。申し訳ございませんが。

2015年08月18日 | 日本語
以前、電話応対について書きました。電話応対だけに言えることではないのですが、近頃は、言葉の前置きとして、「恐れ入りますが」とか、「大変恐縮ですが」を言える方がほとんどいなくなっているように思います。

「もしもし、○○さんいる?」とかかってきた電話に対して、受けた人は、どう応対しているのでしょうか?

「はい、お待ちください」で、代わってしまうのでしょうか?相手が誰かもわからずに応対しなくてはならなくなった上司は、気の毒ですね。

そのような場合、「恐れ入りますが、どちら様でしょうか?」とひと事、聞けばよいだけです。

もし、相手が、名前だけを名乗ったとしたら、どうしましょう。上司に対して、「○○さんっていう人から電話です」と繋いでしまいますか?

その場合、さらに踏み込んで「大変恐縮ですが、どちらの○○さまでいらっしゃいますでしょうか?」と聞く必要があるかと思います。もちろんよくかけてくる方で、声がわかっている場合は、それは不要です。しかし、売り込みの電話や不審な電話が多い昨今、どこの誰からかかってきたかを、わかっていて対応するのと、わからずに対応するのでは、全く、違って来ます。

また、「申し訳ございませんが」という言葉が聞かれることも少なくなりましたが、これも、使って欲しいですね。「申し訳ございませんが、ただいま、○○は、席をはずしております。戻りは、XX時頃の予定でございます。戻り次第、こちらからお電話を差し上げるようにいたしましょうか?」と言われると、ああ、躾の行き届いた会社だなぁと思います。

今時は、テレフォンショッピングの応対に出る電話のプロと単なる会社員との間に、電話応対の大きな差を感じます。何でもメールで済ませられてしまう時代ではありますが、言霊という言葉がありますように、言葉で発せられたものは、大きな力を持つと思いますので、旧き良き日本語を大切にして、人間関係を円滑にしていただきたいものだと思います。


ユラーナ

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電話応対 その2

2015年06月25日 | 日本語
先ほど、某社のある方に用事があり、お電話いたしました所、ご本人は不在でした。

「それでは、夕方5時頃、お電話くださるようお伝えください」とワタクシは、申しました。

すると、相手のお嬢さまは、何と、「そのように伝えます」と言いました。

えっ?客である私の言葉を単に「伝えます」でよいのですか?「お伝えしておきます」と言われたこともあります。

そのような場合、「それでは、その旨、申し伝えます」という美しい日本語があるのを、皆さん、ご存じないようですね。

私が電話した会社とは、大手企業です。そんな電話応対の基礎も、会社では教えていないのですね。がっかりです。


ユラーナ

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電話応対

2015年06月24日 | 日本語
近頃は、電話をする機会が減っていると思います。メールやラインで用件を済ませる人が多いらしく、今は、失語症になっている方が多いようにお見受けいたします。

先日、某企業の電話応対の講習会の講師を務めてまいりました。
第1回目の生徒さんは7人。第2回目は4人、第3回目は3人でした。

皆さん、それぞれ、社会経験のある方たちです。しかしながら、電話応対は、ド素人そのものでした。

ワタクシは、22歳でドイツ系企業の「取締役付き秘書及び翻訳」という仕事をいただいて以来、秘書業務は長く行ってきました。秘書にとって、電話応対は、必須です。22歳から30年くらいの秘書としてのキャリアがあります。

社会人としての経験が長くとも、電話応対が出来るとは限りません。企画の仕事であれば、今は、メールや打ち合わせだけで済んでしまうことでしょう。

電話応対は、社会人にとって基本中の基本ですが、それが、今の日本人には出来ていないのです。

どれほど、出来ていないのかについては、徐々に、お話ししてゆきたいと思います。


ユラーナ

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美しい日本語

2012年12月24日 | 日本語
ある大学教授(名誉教授)にお手紙を書き(手書きです)、あることを質問させていただきました。すると、とてもお忙しい中、お返事をいただくことが出来ました。

便箋には、几帳面で美しい文字がびっしり書かれていました。(もちろん、全部、手書きです)

そして、お手紙の最後は、次のような文面で締めくくられていました。

「いろいろと騒がしい年末ですが、世情に惑わされることなく、心静かに、お身体に気をつけなさって、よいお年をお迎えになってください。とり急ぎ右まで。失礼いたします。敬白」

何という美しい文章でしょう。先生のご専門は、国文学です。「世情に惑わされることなく、心静かに・・・」という部分は、特に心に響きました。

そうだ、来年の目標は、「世情に惑わされることなく、心静かに生きる。」これにしようと思ったワタクシでございます。

お返事の内容に感謝申し上げますと同時に、大切なことに気づかせてくださった先生、どうもありがとうございました。


ユラーナ
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